
渡邊タカシ(渋川清彦)は、5年前の初監督作以来1本も新作を撮れていない映画監督。ガンになった独身の兄・マサル(光石研)の看病を理由に妻子を東京に残して群馬の実家で暮らしているタカシだが、マサルが退院して2ヶ月が経っても東京へ戻る様子はない。実はタカシ、妻の裕子(渡辺真起子)から別居を言い渡されていたのだ。毎日兄のために食事の支度をするタカシは、買い物の道すがら近所の神社に妻との復縁と新作映画の企画の成立をお願いする。
新作映画が成功すれば妻との関係もうまく行くはずと、タカシは地元の友達で売れないシナリオライターの藤村(岡田浩暉)と組んでシナリオ作りを進める。だが藤村は結婚相談所を通じて知り合った女性と交際を始めたばかりで、初めてできた彼女に夢中でシナリオ作りに身が入らない。
しばらくしてタカシは、藤村から彼女の紀美子(後藤ユウミ)と、その友人の涼子(河合青葉)を紹介される。涼子は落ち着いた性格の美人。まだ独身の兄を心配しているタカシは、涼子が兄と交際してくれたらと、なにかと理由をつけて涼子と会うようになる。ところが藤村が涼子にタカシは独身と伝えており、涼子はタカシとの真剣な交際を考えているらしい。藤村の手前、涼子に本当のことを言うこともできずにタカシは悩む。
やがてタカシは、妻から正式に離婚を切り出される。起死回生を狙った新作映画の企画もうまく進まない。落ち込むタカシは、心配する涼子に、つい自分が妻子持ちであることを明かしてしまう……。
40歳を目前にしてなにもかもうまく行かないタカシ。果たしてタカシはどうなるのか?