監督デビュー作が高い評価を受けた大崎章監督久々の新作となる『お盆の弟』が７月25日に新宿K's cinemaで初日を迎え、主演の渋川清彦さんと大崎監督、脚本の足立紳さんらが舞台あいさつをおこないました。
２００５年の『キャッチボール屋』に続いて大崎監督と脚本の足立さんがコンビを組んだ『お盆の弟』は、売れない映画監督・タカシが主人公。病気になった兄の看病を理由に妻子と別居し実家に戻り、親友の脚本家と起死回生の新作作りを目指すタカシのうまくいかない毎日が、全編モノクロームの映像で綴られていきます。
初回の上映前に登壇した渋川さんは「今日はありがとうございます」と客席に頭を下げるとともに、久々の監督作公開となる大崎監督にも「おめでとうございます」とあいさつ。「なんか俺、嬉しいですね(笑)」と喜びの表情を見せました。
前作『キャッチボール屋』に続いての大崎作品出演となった、タカシの兄役の光石研さんも「今日、控室で監督と会って、開口一番”おめでとうございます“と言ったら大崎さんが”すんごい嬉しいです”とぼくの手を握って、もうグッと来てね。（涙を見せないように）トイレに駆け込みました。それくらい嬉しいです」と、初日を迎えての心境を語りました。
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大崎章監督新作公開にロケ地群馬からダルマも応援！ 『お盆の弟』初日舞台あいさつ
特製の名前入りダルマを持った、大崎章監督、岡田浩暉さん、光石研さん、渋川清彦さん、川島夕空（かわしま・ゆあ）さん、渡辺真起子さん、足立紳さん（左より）
タカシ役の渋川清彦さんはこの日３本の映画で舞台あいさつ。「みんなうまい具合に全部の映画が盛り上げればいいなと思って。でも特に『お盆の弟』が盛り上がってほしいな(笑)」
「監督とお会いすると“（新作を）やりましょうよ”みたいなことを言っていたので“とうとう撮るか！”という感じで本当に嬉しかったです」と、タカシの兄・マサル役の光石研さん
久々の監督作公開に大崎章監督は「夢のようです、この瞬間が。このためにがんばってきたようなものでして、来てくださって本当にありがとうございます」とあいさつしました
主人公はどこか大崎監督自身を思わせる設定となっており、大崎監督は「プロットを考えていたときから喫茶店で日常の話をしていたのを足立がすくってくれて、シナリオにしてくれて、ほんと、いいシナリオを書いていただけて足立のお陰です」と、実際に監督の体験がもとになっているとコメント。足立さんも「９割方、監督とぼくの話なんですが、でも楽しんでいただけるとは思いますので(笑)」と笑顔で語りました。
また、タカシの親友・藤村役で強烈なキャラクターを演じている岡田浩暉さんは「テンションが急にスコンと変わるところとか、ぼくが若いころの大崎監督に似ているらしくて(笑)」と話して客席を沸かせました。
「ほとんどが渋川さんとのシーンで、長回しでセリフ量も多くて、その辺はしんどかったですけど、とても楽しくさせていただきました」と、タカシの親友・藤村役の岡田浩暉さん
「実家の縁側に横になっているような気持ちで、ゆっくりとご覧になっていただけたら楽しんでいただけるんじゃないかと思います」と、タカシの妻・裕子を演じた渡辺真起子さん
タカシと裕子の娘・ワコを演じた子役の川島夕空さんも舞台あいさつに参加。撮影は「楽しかったです」、大崎監督は「優しかったです」と、感想を述べました
『キャッチボール屋』と同じ劇場での上映に「大崎さんと９年前にも映画を作ってこの劇場でやっていただいたので、ほんとに今日はとっても嬉しいです」と、脚本の足立紳さん
渋川清彦さんと光石研さんは、光石さんが「グッと来た」エピソードを紹介すると渋川さんが「それで（控室から）いなくなったんですか」と話すなど、まるで映画の中そのままの兄弟のようなやりとりも見せました
この日『お盆の弟』が初日を迎えた新宿K's cinemaは『キャッチボール屋』も上映された劇場。大崎監督は「９年かかっちゃったんですけど、同じここでやれるってことがとても嬉しくて、再出発にふさわしいかなと自分で思いました」と心境を語りました。
そして映画公開を祝して、大崎監督と渋川さん、岡田さんの出身地であり『お盆の弟』ロケ地である群馬から名産である特製ダルマがプレゼント。大崎監督は名前入りのダルマに目を入れ、映画のヒットを祈願しました。
ダルマに目を入れる大崎監督とそれを手伝う岡田浩暉さん。どっちの目を入れるか迷う監督、岡田さん、渋川さんに、渡辺真起子さんから「みんな（ダルマが名産の）群馬の人なんでしょ？」の声も
『お盆の弟』は、７月25日(土)より新宿K's cinemaにて上映中ほか全国順次公開。K's cinemaでの公開期間中にはトークイベントなども開催されます。