「なんの意味もない」
女子高生の奈々(青山美郷)は、テレビで見た小島よしおのギャグ「なんの意味もない!」に衝撃を受け父親の伸三(栗原英雄)の前で全力で実演してみるが、伸三の反応は薄い。母が事故で死んでから伸三はふさぎ込み、奈々と父・兄が暮らす家の中にはぎこちない空気が漂っていた。そんなある日、奈々は偶然に小島よしお(本人)と出会う……。
「キッスで殺して」
芽衣子(遠谷比芽子)は腕利きの女殺し屋。その美貌で男を油断させ仕事を遂行するが、決して男と寝ることはない。そんな芽衣子が同棲する相手(川村亮介)は仕事もしないダメ男だが、芽衣子は子どものような無邪気さを持つ彼に惹かれている。ある夜、芽衣子が仕事に出かけたあと、男はある計画を実行に移す……。
「HOPE」
ゆり(比嘉梨乃)は保健所に「検査」にやってきた。匿名で受ける検査の結果が出るまでは、数時間。ゆりの親友・まい(小西キス)は2歳年上。突然連絡がとれなくなったまいと再会を果たしたとき、まいはゆりに思いもよらぬ言葉を告げた。自分もまいと同じなのでは? 「検査」の結果を待つゆりを不安が蝕んでいく……。
「17歳、夏」
夏のある日、17歳の少女(田中美晴)は、恋人(蘭次)の家にやって来ていた。両親は留守。ソファに並んで座り、映画を観るふたり。つきあって半年、まだキスまでしかしていないふたりだが、学校の友人たちはもう次々と体験を済ませている。そのうち、映画の雰囲気に影響されてふたりの気持ちも……。
「EAST END」
ミワ(三浦萌)とユタカ(高橋健介)は恋人同士。小さなころからすぐ近くにいたミワとユタカは、ミワが川の向こうに引っ越してからもずっと一緒だった。ユタカはミワの高校の制服が好きなのだけど、ミワはこのごろ制服姿を見せてくれない。その夜、お互いの家に帰ったふたりを、スマフォの画面がつなぐ……。
「KOENJI 夢の寿命」
夢を持った若者たちが集まる高円寺。この街で同棲中の咲(武田梨奈)と佑太(前田公輝)が出会ったのはオーディション会場。ともに俳優を目指していたふたりだが、いまは咲はピンサロ嬢、佑太はパチンコにハマったニート。仕事を終えると佑太と一緒に居酒屋で食事。そんな日々の繰り返しに、咲はとうとう耐えられなくなり……。