葉山タカシ(村上虹郎)は自分の進路を決めかねている高校3年生。夏休みが近づいたある日、夜遅くに外出したタカシは、ひとりの少女(早見あかり)とぶつかってしまった。少女の怪我を心配するタカシに、少女は「大丈夫」とだけ答えて去って行ってしまう……。
翌日、高校の終業式の日、タカシは下校する生徒の中に昨夜の少女の姿を見つけた。タカシと同じ3年生で隣のクラスだという少女は、タカシが名前を尋ねても教えてはくれない。
その少女は、夏休みに入り予備校に通いはじめたタカシの前にまた現れた。不意に現れては不意にどこかに行ってしまう不思議な少女は、ようやくタカシに名前を教えてくれた。少女の名前は「織部あずさ」。
次第にあずさに惹かれていくタカシだったが、あずさはタカシに奇妙な告白をする。あずさに会った人々は、みんな数時間経てばあずさの記憶を失くしてしまうのだと。学校の友達も家族さえももうあずさの記憶はなく、タカシだけが特別なのだと。あまりに突拍子もない話を信じられないタカシだったが、あずさと会ったはずのタカシの友人は、たしかに翌日にはあずさのことを覚えていなかった……。
ただひとりあずさの記憶を持っているタカシは、あずさに寄り添い、一緒の時間を過ごしていく。「絶対に忘れない」。あずさの前でタカシはそう誓う。
だが、タカシは自分の中からもあずさの記憶が消えはじめていることに気づく……。
忘れないと誓ったぼくがいた
監督:堀江慶
出演:村上虹郎 早見あかり ほか
2015年3月28日(土)より ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
2015年/カラー/93分
高校生の葉山タカシは、ある日ひとりの少女に出会い恋をする。だが、不思議なことに少女は「他人の記憶から消えてしまう」のだった。高校の同級生も、教師も、少女の家族でさえ、タカシ以外は誰もその少女「織部あずさ」を知らない……。
大切な人へのまっすぐな想いが狂おしいほどに切なく胸を打つ青春恋愛ファンタジーが誕生した。日本ファンタジーノベル大賞受賞作家・平山瑞穂の小説を映画化した『忘れないと誓ったぼくがいた』だ。
主人公の葉山タカシを演じるのは、カンヌ国際映画祭出品作品『2つ目の窓』主演でデビューした村上虹郎。カンヌでも注目を集めた1997年生まれの新星が、ただひとり「織部あずさ」の思い出を胸に刻む少年の誠実さを全身で表現した。
そしてもうひとりの主人公・織部あずさには、主演映画『百瀬、こっちを向いて。』などで女優としての評価を高める早見あかり。他人の記憶から消えていく戸惑いや不安を抱えつつ、タカシと過ごす時間に見せる笑顔。観客の誰もが彼女に恋するような魅力がスクリーンにあふれる。
脚本(おかざきさとことの共同)と監督は『ベロニカは死ぬことにした』『センチメンタルヤスコ』などで人間の感情を繊細に描き出してきた堀江慶。映像作品のほか舞台の演出・プロデュースなども手がける俊英が、原作小説に映像作品ならではのアイディアも加え、瑞々しい恋の眩しさと、ときに残酷で哀しくもある純粋な想いを、鮮やかに描き出してみせた。
ファンタジックなストーリーは、年齢や性別を問わず観客それぞれが自分自身に引き寄せて「感じる」ことができるはずだ。『忘れないと誓ったぼくがいた』という映画は、タカシとあずさの物語であり、あなたの物語でもある。
- 村上虹郎
- 早見あかり
- 西川喜一
- 渡辺佑太朗
- 大沢ひかる
- 池端レイナ
- ちはる
- 二階堂智
- 山崎樹範
- ミッキー・カーチス
- 監督:堀江慶
- 原作:平山瑞穂「忘れないと誓ったぼくがいた」(新潮文庫刊)
- 脚本:おかざきさとこ/堀江慶
- 製作:吉田正大
- プロデューサー:椋樹弘尚/渡辺尊俊
- Coプロデューサー:由里敬三
- 撮影:板倉陽子
- 照明:緑川雅範
- 録音:石貝洋
- 美術:高橋俊秋
- 編集:村上雅樹
- スタイリスト:小里幸子
- ヘアメイク:百瀬広美
- 音響効果:岡瀬晶彦
- 助監督:佐野友秀
- 製作担当:中山泰彰
- 音楽:三枝伸太郎
- 主題歌:クリープハイプ「2LDK」(ユニバーサル シグマ)
- 企画・製作:beachwalkers.
- 企画協力:新潮社
- 製作協力:コーンフレークス/メリーサン/グローバル エンターテインメント
- 配給:日活
- 制作プロダクション:ジャンゴフィルム