
東京・渋谷。ゴミ収集場所に無造作に積み上げられたゴミ袋の山の中から、人間の片腕が突き出していた――。
その数ヶ月前。同じ渋谷の高級マンションの一室でホームパーティーが開かれていた。パーティーの主役は、部屋の主である谷中浩平(忍成修吾)と妻の智美(派谷惠美)。何不自由なく幸せそうな夫妻を、部屋を訪れた友人・知人たちは祝福する。その中には、夫妻共通の知人である豊永巧(永山たかし)と、智美の妹・恵美(桜井ユキ)の姿もあった。
それから数ヶ月が経ち、ゴミ捨て場から見つかったあの片腕は浩平のものだと断定されていた。そして、巧が突然に恵美の部屋を訪れる。警察が巧の行方を探しているという恵美の言葉に焦る様子も見せず、巧は、恵美がこれまで知らなかった浩平と智美の秘密を恵美に話して聞かせる――。
谷中浩平と木下智美は、巧も参加していた合コンで知り合った。ふたりはすぐに体を重ねる関係となり、智美の妊娠が発覚するまでさして時間はかからなかった。妊娠発覚を機に結婚することになったふたりだが、まだまだ自分の自由を謳歌したい智美は子供を産むことを拒否。さらに、ろくな稼ぎもない浩平を罵倒する。引け目から罵倒に耐えていた浩平だが、ついに感情を露わにし、智美を激しく殴りつける。それが、始まりだった。
浩平は「高級マンションで暮らす幸せな夫婦」の生活を維持するために必死になる一方で、衝動的な智美への家庭内暴力を続けていく。だが智美は浩平から逃げることもせずに暴力を受け入れ、浩平と智美は奇妙なかたちで依存しあっていた。
夫妻がそんな生活を続けていく中、夫妻の家を訪れた巧は暴力の痕跡に気づく――。