ロシア・モスクワ。ライカ(宮島沙絵)は、日本からこの街にひとりでやって来た女の子。彼女は、かつて宇宙船・スプートニク2号で宇宙に旅立ち地球に戻ることなく孤独な最期を遂げたライカ犬に自分を重ねて、自分を「ライカ」と呼んでいた。
ライカは、女優を目指してバイトに励みながらオーディションを受けているロシア人の女の子・ユーリャ(クセーニア・アリストラートワ)と一緒に暮らしている。ライカとユーリャは、単なるルームメイトや友人という関係を越えて互いを必要としながら、ときにぶつかりながらも幸せな時間を過ごしていた。
ある日ライカは、ユーリャがオーディションに受かるため男と関係を持ったことに気づく。ライカは好きでもない男に体を許したユーリャの気持ちがわからず彼女を責めるが、ライカの態度は逆にユーリャを苛立たせることになる。
その一件のあと、ライカはふたりで暮らす部屋にニコライ(アレクサンドロ・スハノフ)という男を連れ込んで体を重ねるが、部屋に戻ってきたユーリャは裸で抱き合うライカとニコライを見ても嫉妬の感情を見せることもない。
その翌日、ユーリャはオーディション会場でニコライに声をかけられた。ニコライも俳優志望で、いままで何度かユーリャをオーディションで見かけているという。同じ目標を持ったふたりは、親しさを増していく。
いつしか付き合うようになっていたユーリャとニコライ。ライカはふたりの関係を知らなかったが、ある日、親しげに寄り添うユーリャとニコライの姿を見かけてしまう。そしてその夜、帰宅したユーリャが見たのは、何者かに暴行を受けてボロボロとなったライカの姿だった――。
LAIKA-ライカ-
監督:今関あきよし
出演:宮島沙絵 クセーニア・アリストラートワ ほか
2018年2月17日(土)より新宿K's cinema にてロードショー
2016年/カラー/ビスタサイズ/ステレオ/94分|R15+
求める気持ち、失う痛み――。自主映画時代から少女の青春期を描いてきた監督・今関あきよしが新作の題材に選んだのは「女性同士の恋愛」。ロシア・モスクワを舞台とした恋愛劇『LAIKA-ライカ-』が、ついにベールを脱ぐ。
『LAIKA-ライカ-』の主人公は、日本人のライカとロシア人のユーリャ。宇宙へ旅立った孤独なライカ犬に自分を重ねるライカと、女優を目指すユーリャは、小さな部屋で一緒に暮らしている。友情を超えた感情で結ばれているふたりだったが――。
主演をつとめるのは、日本とロシアそれぞれでのオーディションで選ばれた女優だ。ライカ役には、舞台を中心に活躍してきた宮島沙絵。ユーリャ役には、ロシア国立舞台芸術大学で学んだクセーニア・アリストラートワ。ふたりの女優はまさに全身で役へと挑み、オールヌードやラブシーンも披露。その熱演が評価され、宮島沙絵は第12回ロサンゼルス日本映画祭で最優秀新人賞を獲得している。
脚本は『十七歳』以降すべての今関作品の脚本を担当しているいしかわ彰、撮影は大林宣彦監督最新作『花筐/HANAGATAMI』の撮影も手がけた三本木久城と、これまでも今関作品に携わってきたスタッフが参加している。
モスクワでのオールロケを敢行した『LAIKA-ライカ-』は、近年『カリーナの林檎 ~チェルノブイリの森~』『クレヴァニ、愛のトンネル』と海外撮影の作品を送り出してきた今関あきよしの、ひとつの到達点である。そして同時に、ラブシーンやヌードなど今関作品としてはこれまでにないほどのストレートな表現は、今関あきよしが新たな領域へ踏み込んだことを感じさせる。いま『LAIKA-ライカ-』が、激しく狂おしくひとつの「恋愛」を描く。
- ライカ:宮島沙絵
- ユーリャ:クセーニア・アリストラートワ
- ニコライ:アレクサンドロ・スハノフ
- ダリア:エカテリーナ・ダルゴア
- 中年男性:ドミトリー・コゼルスキー
- 演出家:木下順介
- 脚本家:オリガ・カレーバ
- 監督:今関あきよし
- 脚本:いしかわ彰
- エグゼクティブ・プロデューサー:嶋田豪
- プロデューサー:高瀬博行/星野晴美
- ロシア側ラインプロデューサー:木下順介
- 協力プロデューサー:赤井勝久
- 撮影:三本木久城
- 録音:平島保
- 編集:鈴木理
- イメージビジュアル:水野歌
- 音楽:遠藤浩二
- 主題歌:erica「きっといつか、もっと強く、私らしく」(PEACE VOICE RECORDS)
- 製作:アイエス・フィールド
- 配給・宣伝:アイエス・フィールド