左より相田翔子さん、藤竜也さん、加藤雅也さん、三池崇史監督
三池崇史監督の新作映画『許されざる者』がこのほど完成し、2月26日に都内で完成報告会見がおこなわれました。
この作品は昨年公開され話題になった『荒ぶる魂たち』に続いて、三池監督、武知鎮典さん脚本、加藤さん主演という組み合わせで送り出されるアウトロー映画。
会見には三池監督、主人公・守部梓役の加藤さん、そして梓の妻・洋子を演じた相田翔子さん、梓の仇であり兄でもある芹田軍司役の藤竜也さんの4人が出席しました。
三池崇史監督のコメント
三池です。またイメージフォーラムさんにお世話になって、カルトに展開していきたいと思います。
海外でぼくの作品が評価されているのは、海外だとカルトな人でもたくさんいて、集団になるとひとつのパワーになるんですね。そしてメジャーに行くのではなくて、その状態から何かを生み出して、メジャーでは作れないようなものができればと思っているので、まず、好きな人が深く楽しんでいただければ、そこから始まればいいなと思っています。
守部梓役・加藤雅也さんのコメント
去年、三池監督と『荒ぶる魂たち』という映画をやらせていただきまして、前回の作品とまた違ったものを作りたいということで臨みました。監督の方から「フランス映画っぽくやりたい」ということを言われて「じゃあフランス映画だから白いスーツかな」と単純に思いまして(笑)、そんな単純な中からすごく複雑なストーリーができあがっていきました。ものすごく良くできた脚本で、アクションが中心というよりも、人間関係とか、人間の生き方に哲学があってというようなことが描かれていて、1回観るより、2回観て「ああ、なるほど」というような作品になっています。
小さな展開から始まって、そこから広がっていく映画だと思いますので、よろしくお願いします。
自分にとっての許されざる者、ことは? という質問に「ギャラの支払いが遅れること」と答えた三池監督
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「会見の記事が小さいとみなさんが“許されざる者”になります(笑)」と加藤さん
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芹田軍司役・藤竜也さんのコメント
個人的にはこの映画の試写が終わったあと、ちょっと高揚したんです。なぜかと言うと、丁度自分が久し振りにふるさとに帰って遊んでいるような気がしたわけです。ぼくは俳優始めてから十年間、ほとんどギャングばっかりやっていました。映画の中で何回死んだかっていうのはぼくの自慢だったんですけど、この数十年しばらくその記録を伸ばしていなかったんで、久し振りに自分のふるさとに戻ってきたようで、監督とも気持ちよく仕事させていただきました。
守部梓の妻・洋子役の相田翔子さんのコメント
私はこのような映画に出演させていただくのは今回が初めてで、台本をいただいて、通して読んだときに、自分がその中でどういう存在でいたらいいのかというところですごく悩みました。でも、最終的には夫である守部梓の人間臭い部分であるとか、弱さとか切なさとがちょっとでも浮き彫りになるようなシーンで妻の洋子として、静かに存在していられたらいいのかなと思って取り組みました。現場では憧れの三池監督に全てを委ねて、自分の中で今まであんまりなかったような衣裳やメイクで登場して、観た方の印象に残ればいいなと思って参加させていただきました。
「女房の記憶力が許せない」と一同を笑わせた藤さん
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「反省が多いので自分に対して許せないことが多い」と相田さん
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加藤雅也さんが日本映画批評家大賞で主演男優賞を受賞したほか、海外でも評価の高い『荒ぶる魂たち』に続き、話題を呼ぶこと必至の『許されざる者』。東京では3月29日よりシアター・イメージフォーラムにて、大阪では4月12日よりシネ・ヌーヴォにて公開予定です。
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