昨年ＢＯＸ東中野で公開され、ヒットを記録した『自転車とハイヒール』で注目を集めた深川栄洋監督が、プロレスオタクの青年とフシギ少女の恋愛をおもしろくも切なく描いた中篇『紀雄の部屋』が２月７日、東京・下北沢の短編映画館トリウッドで初日を迎えました。
　劇場ロビーは、劇中で使用されたプロレスラー富豪２夢路さん直筆掛け軸などの小道具が飾られ、映画の主人公・紀雄の住むアパートさながらのユニークな空間に変身。また映画に共感した有志学生による“紀雄応援隊”がバレンタインにちなみ、街頭でチョコレートを配布。下北沢に“紀雄旋風”が起こる中、深川監督、主人公・紀雄役の高岡蒼佑さん、ヒロイン・綾子役のつぐみさんによる舞台あいさつがおこなわれました。
　場内に入りきれず、ロビーにまではみ出すほど多くの観客を前に、深川監督は「たくさんの大作が公開される中、この作品を観に来てくれてありがとうございます。この話は、ぼくがフラれた時に書き上げたものなんです。恋愛の恥ずかしさとかカッコ悪さが、素直に出ている作品になったと思います。高岡くんやつぐみちゃんの新しい一面を引き出せるように挑戦しました」と、高岡さんは「オタクの役は初めてだったのですが、監督やつぐみさんの演技に助けられました」、つぐみさんは「すごくキュートな作品に仕上がりましたので、たくさんの人に見てもらいたいです」とコメントしました。
　また、この映画では“好きな人についてしまうウソ”がテーマとなっていますが、主演のふたりは、過去に自分がついたウソについて「ほかの女の子の携帯番号を消すと約束して、消さなかった(笑)」（高岡さん）、「私自身は１つウソをつくと、どんどんボロが出て大変なことになっちゃうんので、ウソはつかないように気をつけています」（つぐみさん）と、秘密の告白（？）をしていました。

写真：劇場ロビーにて、左から深川栄洋監督、つぐみさん、高岡蒼佑さん