会見に出席した角川歴彦T!FFチェアマン、桃井かおりさん、鈴木光司さん(左より)
10月22日(土)から30日(日)まで六本木・六本木ヒルズと渋谷・Bunkamuraをメイン会場に開催される第18回東京国際映画祭の第2回記者会見が9月20日に六本木で開催され、女優の桃井かおりさんと作家の鈴木光司さんが国際審査委員をつとめることが発表されました。
7月におこなわれた第1回会見で中国の張芸謀(チャン・イーモウ)監督が審査委員長をつとめることが発表されており、張監督、桃井さん、鈴木さん、ドイツの映画評論家であるロナルド・ハロウェイさんと、近日発表されるふたりの審査委員を加えた6人がコンペティション部門の審査にあたります。
桃井さん、鈴木さんは会見に出席し「審査委員という柄ではありませんが、誠実に観て、映画の応援をしたいと思います」(桃井)、「映画は自分が今、小説家としてここにあるための栄養を与えてくれた。それに恩返しできればと思っています」(鈴木)とそれぞれ抱負を語りました。また、張監督は「審査委員全員の力を合わせ、ベストの作品を選びたい」とビデオでのメッセージを寄せました。
そして角川歴彦チェアマンからは、コンペティション部門グランプリ作品を「東京サクラグランプリ」と呼ぶことが発表され、角川チェアマンは「東京サクラグランプリを東京国際映画祭の象徴としてみなさんにご紹介していきたいと思います」と意欲を見せていました。
この日の発表された上映作品も充実のラインナップとなっています。
クロージング作品となるのは『力道山』(ソン・へソン監督)。韓国の監督作品でありながら中谷美紀さんほか日本の俳優陣も参加、既に発表されているオープニング作品『単騎、千里を走る。』(張芸謀監督)とともに、アジアの映画祭であることを重視するT!FFにふさわしい作品となっています。さらに、クロージング・ナイト作品として日本映画の『大停電の夜に』(源孝志監督)が上映されます。
特別招待作品部門では上記3作品に加え、『仮面ライダー THE FIRST』(長石多可男監督)、『ALWAYS 三丁目の夕日』(山崎貴監督)、『博士の愛した数式』(小泉堯史監督)、『輪廻』(清水崇監督)、『最終兵器彼女』(須賀大観監督)など、日本映画の話題作が公開に一般公開に先駆けて上映されます。
コンペティション部門には、日本からは『雪に願うこと』(根岸吉太郎監督)、『ゲルマニウムの夜』(大森立嗣監督)の2作品がラインナップ。ベテランの根岸監督と新人の大森監督、対照的な2本がそれぞれどう評価されるかが楽しみです。
昨年よりスタートした「日本映画・ある視点」部門には個性的な11本の作品が登場。オープニングを飾るのは海外の映画祭でも高評価を受けている『カミュなんて知らない』(柳町光男監督)。俳優・津川雅彦さんがマキノ姓を名乗りマキノ雅彦として監督した『寝ずの番』、女優・唯野未歩子さんが監督した『三年身篭る』は俳優・女優の監督デビュー作として興味深い2作品。『狼少女』(深川栄洋監督)、『ベロニカは死ぬことにした』(堀江慶監督)など、活躍が期待される若手映画監督の作品も楽しみです。
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