幕末期に「日本を変える」という大志を抱き、命がけでイギリスに渡った5人の若者の姿を描いた映画『長州ファイブ』が2月10日に初日を迎え、シネマート六本木で監督、出演者による舞台あいさつがおこなわれました。
五十嵐匠監督は満員の観客を前に「これだけたくさん映画がある中で『長州ファイブ』を観にきてくれたことをありがたく思っています」とあいさつ。松田龍平さんはじめ“長州ファイブ”を演じた5人の若い俳優陣について「癖のある連中ばっかりなんですけど、心根はとても筋が通っていてひじょうに男らしい素敵な役者さんたちだと思います。これは褒めているんではなくて、心からそう思います」と印象を語りました。
実在の人物である山尾庸三を演じた松田龍平さんは、役作りについて「鬘(かつら)を被ったり侍の格好をしたりすると侍の気持ちを持てるんですけど、洋服を着たときに感覚が全然違うので、それでも侍として説得力があるということを気にしながらやりましたね」と振り返りました。
『長州ファイブ』初日舞台あいさつ
監督・出演者(後列)と応援に駆けつけた“長州ファイブ jr.”の子供たち(前列)
後列左から、五十嵐匠監督、山下徹大さん、三浦アキフミさん、松田龍平さん、前田倫良さん、北村有起哉さん
「撮影が実際に萩でできたり、松陰神社もたくさん行かせてもらいましたし、日本の撮影でいろいろ考えて貯めこんでからロンドンの撮影に行けました」と山尾庸三役の松田龍平さん
「幕末の時代劇なんですが、今の時代の人たちに観て欲しい映画です。一生懸命になることが世の中を動かすっていうことをジックリ観てください」と井上勝役の山下徹大さん
「それぞれの人物がとにかく熱いですよね。その熱さが伝わると思います。ぼくら5人も現場でいろいろ勉強したり、思い出深い映画になりました」と井上馨役の北村有起哉さん
「天国にいる当時の5人の方々想いが伝わるのを感じました。なので、当時の方たちも思い浮かべながら観ていただければと思います」と伊藤博文を演じた三浦アキフミさん
「見た目も性格もバラバラな5人なんですが、バラバラな5人が志ひとつで団結して進んでいく姿が描かれているので、それを観ていただければ」と遠藤謹助を演じた前田倫良さん
「吉田松陰先生の実学への想いがあって、この映画も“グダグダ考えないでとにかく行動したほうがいいんじゃない?”と自分の中で思いながら作りました」と五十嵐匠監督
舞台あいさつには、映画の中で“長州ファイブ”の5人が着ているのと同じ衣裳に身を包んだ5人の子供たち“長州ファイブ jr.”も応援に登場。子供たちへのメッセージを求められた山下徹大さんが「20代の若者が日本を変えたということを良く覚えていてください」と話しかけると、その固い口調にほかの出演者からは思わず「難しすぎるよ」と苦笑混じりの声が。山下さんは「小学生だからわかるよなあ」と改めて子供たちに確認しつつ「“自分にはできない”とか思わずに、自分の信念を貫いて頑張ってください」と締めくくりました。
歴史に秘められた5人の若者の青春を描いた『長州ファイブ』は、2007年2月10日(土)よりシネマート六本木ほかにて公開中です。