“刺激”に魅かれる若者たちの姿を描いた新感覚の青春映画『アディクトの優劣感』が12月22日に渋谷Q-AXシネマで初日を迎え、監督、出演者による舞台あいさつがおこなわれました。
『アディクトの優劣感』は、池間了至さんの同名小説を原作に、高画質デジタルスチルカメラで撮影した静止画の実写映像をアニメーションのように加工する「デジタル・フォトアニメーション」=デフォメという世界初の技術を使い、日本を舞台にしているにもかかわらず多くのシーンで台湾ロケをおこなうなど、ユニークな手法で制作された作品。
主人公・由季宏を演じた沢村純吉さんは「最初は(静止画の)写真でそんなに時間が持つのかな、と怖かったところもあるんですけど、斬新で面白いと思いました。台湾で撮ったシーンも、独特のコントラストが感情に訴えるような色味が気持ちいい」とコメント。本作が劇場初監督作となる藍河兼一監督は「やればやるほどゴールが近づいてくるようで近づいてこないという感じで制作してきて、やっと完成にこぎつけた感じです。ここに立っているのが実感がない」と公開を迎えた心境を語りました。
出演者のオーディションをソーシャルネットワーキング・サイト“mixi”を活用しておこなったのも本作の特色のひとつ。演技経験ゼロにもかかわらず主演に抜擢された青山華子さんは「まさかこんな場所にいるとは2年前には思わなかったですね。入ってみるとあっという間でした」と、高校の教師を辞めて俳優業へと転進した吉武優さんは「元教え子はビックリすると思います」と、それぞれ映画出演の感想を語りました。
既存の映画とは異なった制作形態で、作品のあり方自体が“刺激”を感じさせる『アディクトの優劣感』は12月22日(土)より渋谷Q-AXシネマにて上映中。上映期間中には、劇場初となるDJによるBGM生演奏など、意欲的なイベントも開催予定となっています。