舞台となった鹿児島をはじめ、九州地区で先行上映され大ヒットを記録している映画『チェスト!』の、全国公開を前にした凱旋上映が4月1日に明治安田生命ホールでおこなわれ、上映前には雑賀俊郎監督、主演の高橋健人さん、映画初出演となる大坪千夏さんが舞台あいさつをおこないました。
薩摩に伝わる剣術・野太刀自顕流の気合の言葉をタイトルにした『チェスト!』は、4.2kmを泳ぎきる遠泳大会をとおして友情を深めていく小学生たちの物語。
雑賀監督は、主人公・隼人を演じた高橋さんについて「映画の主役は大人でも大変なのに、13歳の高橋くんが最後まで頑張りぬいてくれた。撮影が進んでいく中で段々うまくなっていく高橋くんが見られます」と褒める一方で「現場でよくセリフを噛むんで困らされたんですけど、本編でもその節々が見られます」とちょっと意地悪な裏話も披露。隼人の母親を演じた大坪さんについては「スイスから(ロケ地の)鹿児島に撮影の5日前に入ってきて、5日間で鹿児島弁が完璧になりました。九州おかんの素晴しさを見てほしいですね」と、女優としての資質に太鼓判。
監督からお墨付きをもらった自称“遅れてきた新人女優”大坪さんは「セリフのアクセントを教えてもらったり、地元の方に助けていただいて、人と人のつながりって大事なんだなあとありがたく思いました」と撮影を振り返りました。
また、本作は先ごろおこなわれた香港フィルマートでジャパンプレミア代表作として上映され、高評価を受けており、香港でも舞台あいさつをおこなった高橋さんは「舞台あいさつをしたあとに、イギリスの映画関係者の方に“英語が話せるようになったらイギリスの映画に出てください”と言われました」と、すでに海外からの注目を浴びていることを報告。そこに雑賀監督が「その前に日本語をちゃんとしような」とツッコミを入れ、会場の笑いを誘いました。
『チェスト!』凱旋上映舞台あいさつ
舞台あいさつをおこなった雑賀俊郎監督、高橋賢人さん、大坪千夏さん(左より)は、映画のヒットを祈願して気合を入れた「チェスト!」ポーズ
「一生懸命やればできるということと、友情の素晴しさを観てほしいです」と、主人公の小学生・吉川隼人役の高橋賢人さん
「地元の方にほんとに助けていただいて、人と人のつながりって大事なんだなとありがたく思いました」と隼人の母・道子役の大坪千夏さん
「香港で外国の方に観て貰って、笑うとこで笑い、泣くとこで泣き、最後はたくさんの拍手をいただいて、今はホッとしています」と雑賀俊郎監督
雑賀監督が「いま、家族の問題、子供の問題、いろいろある中で、私も含めて日本人が忘れている気持ちを思いだせるようなセリフだったりシーンを、たくさん入れているつもりです。そこらへんを観て、感じていただけたらいいと思います」というように、子供たちの友情を描きながら、大人に向けられた映画でもある『チェスト!』は、3月から九州地区にて大好評先行ロードショー中。4月19日(土)より、新宿バルト9ほか全国ロードショーされます(配給:ティ・ジョイ)。