有名な阿部定事件をモチーフに、杉本彩さんと望月六郎監督という強力タッグで激しい情念の世界を描き出す『JOHNEN　定の愛』（５月31日公開）の完成披露試写会が５月13日に明治安田生命ホールでおこなわれ、杉本さんと望月監督、共演の中山一也さんが舞台あいさつをおこないました。
　映画の世界を象徴するかのように照明まで赤で統一された舞台に登場した杉本さんのドレスも鮮やかな赤。その鮮やかさに客席からどよめきも起こりました。
　若いころから阿部定事件と阿部定という人物に興味を持っていたという杉本さんは「自分の人生を犠牲にして、なおかつ相手の人生を奪ってしまうほど強烈な想いとは一体どこから湧き上がるものなのかという関心が高かったんです。今回、この役に巡りあえたことに、なにか運命のようなものを感じております」と話し「定さんの代弁者になろうと決心していた」と撮影時の心境を語りました。

　阿部定事件をモチーフにした映画を撮るにあたり「主演が杉本さんと聞いて、それならばできるのかなって気持ちになりました」という望月監督。「女性をきれいに撮るのならフィルムだなということで、フィルムで撮影していて、肌の色とか赤とかがきれいに出ていると思います」と、こだわりについて語りました。
　杉本さんは「最近、いろいろな感情が希薄になりつつある世の中だと思うんですけど、人を愛するときは濃厚に愛していきたいとこの役を演じて改めて思いました。観る方すべてが同じ答えを感じるタイプの映画ではありません。それぞれに違った感じ方で、頭で考えるよりは、心で捉えて、魂の揺さぶりを感じていただけたら満足でございます」と舞台あいさつを締めくくりました。

　『JOHNEN　定の愛』５月31日(土)より、銀座シネパトス、新宿トーアほか、全国順次ロードショーされます（本作品はR-18指定作品です）。