5月17日より公開されている『丘を越えて』のヒットを記念して、高橋伴明監督、主演の西田敏行さん、ヒロインを演じた池脇千鶴さん、原作者の猪瀬直樹さん、主題歌を歌うつじあやのさんが5月24日にシネスイッチ銀座で舞台あいさつをおこないました。
『丘を越えて』は、昭和初期の東京を舞台に、文豪・菊池寛とその周囲の人々を人間味豊かに描いた作品。
「映画界に入って40年経ちますが、まだ“丘を越えられない”高橋です」と、タイトルをもじってあいさつした高橋監督は「西田さん、ちーちゃん(池脇さん)、西島(秀俊)さんはじめ、毎日役者さんの姿を見るのが楽しかった」と俳優陣を絶賛。
菊池寛を演じた西田さんは「痩せやすい体質なので、菊池寛の体型を維持するために頑張りました」と客席を笑わせ、「劇中で菊池寛さんは池脇千鶴さん(が演じる葉子)を想う気持ちがあるので、俳優・西田敏行も女優・池脇千鶴さんに恋慕の気持ちをちょっと持ちながら、メールアドレスを教えてもらいました」と告白。さらに「千鶴ちゃんのメールはひじょうに簡潔で要件のみなんですね」と、池脇さんの意外な一面を披露しました。
ふたりの男性から想いを寄せられるヒロイン・葉子を演じた池脇さんは「複数の男性に好かれるというのはやっぱり嬉しいですね」と笑顔を見せ、「西田さんはすごく優しくて、いつも褒めてくださったので、私も自信が出て伸びやかにできた気がします」と撮影を振り返りました。
『丘を越えて』舞台あいさつ
舞台あいさつをおこなったつじあやのさん、猪瀬直樹さん、西田敏行さん、池脇千鶴さん、高橋伴明監督(左から)
「私も役者の丘の五合目を過ぎたかなという感じで日々精進につとめています。いろいろな感銘を胸に秘められて劇場を出ていただけると確信しております」と西田敏行さん
劇中で多くの衣裳を披露し「嬉しいけど着替えは大変でした」という池脇千鶴さんは「何年経っても色褪せない映画だと思います。みなさん、なにかを持って帰ってください」とあいさつ
主題歌「丘を越えて」を歌うつじあやのさんは「映画は夢とか希望とか、不安もあるけど頑張っていこうという気持ちがあふれる作品。歌を歌えてすごい幸せです」とコメント
「あの時代の力強さとか、そこから湧き上がってくるような想いを再現できたらいいなと思っていて、そういう雰囲気がよく出ています」と原作者の猪瀬直樹さん
現場は「一言“楽しかった”です」という高橋伴明監督。「現代は嫌な時代ですけど、みなさんぜひ“丘を越えて”いっていただきたいと思います」とコメント
映画のタイトルにもなっている主題歌「丘を越えて」は、昭和の名曲のカバー。つじあやのさんは、「時代が変わっても愛されるものというのは、強くて優しいものだなということを歌っていて感じました」と名曲をカバーした感想を述べ、高橋監督は「つじあやの版“丘を越えて”を朝に聴くと、その日1日元気でやれますのでお勧めです」と、主題歌の出来映えに満足げな表情を浮かべました。
昭和初期の“モダン文化”を鮮やかにスクリーンに描いた『丘を越えて』は、5月17日(土)より、シネスイッチ銀座、新宿バルト9ほかにて全国ロードショーされています。