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『火垂るの墓』初日舞台あいさつ

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後列左より日向寺太郎監督、高橋克明さん、谷川公子さん(Castle in the air)、渡辺香津美さん(Castle in the air)
前列左より、谷内里早さん、畠山彩奈さん、吉武怜朗さん

 幼い兄妹を主人公に、戦争の哀しみを描いた映画『火垂るの墓』が7月5日に岩波ホールで初日を迎え、日向寺太郎監督と、兄妹を演じた吉武怜朗さんと畠山彩奈さん、音楽を担当したCastle in the airの谷川公子さんと渡辺香津美さんらが舞台あいさつをおこないました。
 『火垂るの墓』は、アニメ化もされ大ヒットとなった野坂昭如さんの小説の実写映画化。故・黒木和雄監督により進められていた実写映画化の企画を、黒木監督の逝去後、日向寺監督が引継いで完成させました。
 日向寺監督は「岩波ホールは私の師匠である黒木和雄監督に縁の深い劇場です。この場所に私が立てて夢のようです」とあいさつし、「映画を作る中で(主人公の)清太と現代に生きる私たちがダブってきました。現代にも続いているということをラストシーンで示したいと思いました」と映画に込めた想いを話しました。
 主人公の清太を演じた吉武さんは「ぼくと同年代の高校生はあまり戦争について深く考えないんです。この映画を観て“自分たちも考えなければいけない”と感じてくれればいいと思います」と

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「お客さんが来られるかドキドキしていましたけれど、たくさん来ていただいていまは幾分落ち着いています」と笑顔を見せた日向寺太郎監督

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「自分が出ている作品が上映されるのは信じられない気持ち。興奮しています」と初日を迎えた心境を話した清太役の吉武怜朗さん

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節子を演じた畠山彩奈さんは、母親役の松田聖子さんについて「折り紙で一緒に遊んでくれました」と撮影中のエピソードを紹介しました

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清太と節子の父親を演じた高橋克明さんは「ふたり(吉武さんと畠山さん)は素晴しいんで、ぼくも勉強になりました」とコメント

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昭子役の谷内里早さんは映画初挑戦。「芝居もなにもかも初めてで、なにをどうしていいかわからないまま無我夢中でやっていました」

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「戦争を扱いながら美しい映画であるという質感にそったいけたらと目指していたので、そう感じていただけたら嬉しいです」と谷川公子さん

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「いつか映画をやりたいと思っていたのと、野坂さんの作品には感銘を受けていたので、ダブルで夢が叶った感じです」と渡辺香津美さん

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岩波ホール総支配人の高野悦子さんから舞台あいさつ出演者に花束が手渡されました。
高野悦子岩波ホール総支配人と、花束を受け取る畠山彩奈さん。(右から2人目)

 劇場には故・黒木監督夫人の黒木暢子さんも来場し、日向寺監督に花束と「黒木も喜んでいると思います」と応援の言葉を贈りました。
 さらに、岩波ホール総支配人の高野悦子さんが、黒木監督の故郷から贈られた花束を出演者に贈呈。高野さんは「毎年、夏になると黒木さんの作品を上映させていただいて、戦争経験者として“非戦の願い”を伝えてまいりました。黒木さんがお亡くなりになって“非戦の願い”をどうやって伝えていこうかと思ったときに、息子のような若い監督が頑張って、新しい考え、新しい“非戦”の語り方をみせてくれています。この映画が広がっていくことを切に願っております」と観客にメッセージを語りました。

 松田聖子さん、松坂慶子さん、池脇千鶴さん、原田芳雄さん、長門裕之さん、江藤潤さんら、豪華キャストによって、名作に実写映画として新たな生命を吹き込んだ『火垂るの墓』は、7月5日(土)より岩波ホールにて公開、ほか、全国順次ロードショーされます。

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