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『春琴抄』完成披露試写会

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和装で舞台あいさつに登場した松田悟志さん、斎藤工さん、長澤奈央さん、沢木ルカさんと、金田敬監督(左より)

 谷崎潤一郎の代表作をフレッシュなキャストで映画化した『春琴抄』の完成披露試写会が、9月13日に科学技術館サイエンス ホールでおこなわれました。
 上映終了後には、主演の斎藤工さん、長澤奈央さんら出演者が劇中を彷彿とさせる和服姿で舞台あいさつに登場。その美しい姿に客席からは大きな歓声が湧き上がりました。
 『春琴抄』は、盲目の琴の師匠・春琴と、彼女に献身的に尽くす奉公人・佐助の物語。春琴を演じた長澤奈央さんは、佐助のひたすら尽くす愛について「自分のことを全部理解してくれて、すべてをかけて尽くしてくれるというのは究極の愛だと思うので、演じながら春琴に憧れるところもありました」とコメント。佐助を演じた斎藤さんは「(佐助は)春琴に対する想いも強いんですけど、それ以上に春琴を思う自分自身に酔いしれている部分も若干持っているのかなと。端から見たらそう映っているけど、本人たちには純粋な愛のかたちになったんじゃないかな」と、演じた立場ならではの佐助観を披露しました。

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「普遍的なテーマがあるからこそ(何度も映画化されて)現代でも作品になるものだと思うので、みなさんもそれぞれの感じ方でいいと思うし、これからも残っていく作品になればいいと思います」と佐助役の斎藤工さん

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「以前に(昔の映画版を)ご覧になっている方にも、原作を読んでいる方にも、新しい金田組の『春琴抄』として受け入れて、いろんなものを感じ取ってもらいたいなと思っています」と、春琴役の長澤奈央さん

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「映画全体を静かに集中してほしいですね。いまのご時世、こんなに静かな映画って珍しいと思うんですよ。あまり静かだと寝ちゃうっていう方にも頑張って観てほしいと思います」と利太郎役の松田悟志さん

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テルを演じた沢木ルカさんは、まだ10歳ながら「(共演のみなさんは)とても明るい人たちばかりで楽しい現場でした。一生懸命頑張ったので、それが伝わると嬉しいです」と、しっかりとしたあいさつ

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「ふたり(斎藤さんと長澤さん)がただ佇んでいるだけで、彼らにしか出せない関係性みたいなものが画面に焼き付けられればいいなと思って、そのことだけを頑張ってやりました」と金田敬監督

 これまでに5回にわたって映画化されている『春琴抄』の再映画化にあたり「耽美であるとか、佐助と春琴のSとMの関係性とかをまず外して、斎藤工と長澤奈央にしかやれない『春琴抄』をやろうというところからはじめた」という金田敬監督。金田監督はさらに、長澤さんが前回の映画版(1976年/西河克己監督)で春琴を演じた山口百恵さんに手紙を書いたというエピソードを紹介し「“届くかどうかわからないけどいまの心境を手紙に書いた”と聞いたときに、この映画をやってよかったと思った。今回お仕事した役者さんは気持ちのいい役者さんばかりで、監督で観るのではなくて、役者さんを観ていただきたいなと思います」と舞台あいさつを締めくくりました。

 新たなキャストで蘇る『春琴抄』は、9月27日(土)より、シアターイメージフォーラムにてモーニング&レイトショー。ほか全国順次公開予定となっています。

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