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『ぼくはうみがみたくなりました』初日舞台あいさつ

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舞台あいさつをおこなった福田是久監督、山下久仁明さん、石井めぐみさん、伊藤祐貴さん、秋野太作さん、大森暁美さん、小林裕吉さん、松嶋初音さん(左より)

 将来に悩む看護学生と自閉症の青年の出会いを描いた『ぼくはうみがみたくなりました』が8月22日に東京都写真美術館ホールで初日を迎え、自閉症の青年・淳一を演じた伊藤祐貴さんら出演者と原作・企画・脚本の山下久仁明さん、福田是久監督が舞台あいさつをおこないました。
 『ぼくはうみがみたくなりました』は、実際に自閉症児の父親であった山下さんが、自閉症への理解を広めるために執筆した小説が原作で、山下さん自身がインターネットなどで支援を呼びかけ、多くの人々の協力により映画化が実現した作品。山下さんは「劇場で公開できるとも思っていなかったんで嬉しいしホッとしています」とあいさつし、伊藤さんは「“編集が終わった”とか“音楽が付いた”どんどん映画として完成していくのを聞いていって今日を迎えられたのですごく嬉しいです」と、福田監督も「とにかく山下さんを中心に熱い想いでできあがった作品です。ぼくはいま感謝でいっぱいです」と公開を迎えた心境を語りました。

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「夜明けのシーンを3日くらいかけて夜中に撮ったので、(映画には)体力も必要だなって感じました」と撮影を振り返った自閉症の青年・淳一役の伊藤祐貴さん

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淳一と出会う老人・慎之助を演じた秋野太作さんは「なるべく監督に怒られないように気をつけてやっていたんです。顔が怖いですもん」と飄々とあいさつ

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「伊藤くんが実によく勉強して、まっすぐに役に向かっているのが感じられて、嬉しくなりながらやらせていただきました」と慎之助の妻・ハル子役の大森暁美さん

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「映画を観てなにか感じるものが1個でもあれば嬉しいです。(自分の役は)フラットな感じで演じることができました」という淳一の弟・健二役の小林裕吉さん

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「(障害ということに対して)自分で勝手に壁を作っていた部分をわからせてくれたので、すごく勉強になった作品です」と健二の同級生・香織役の松嶋初音さん

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「原作が書かれたときから応援しようと決めていたので、演者として関わらせていただいたことをほんとにありがたく思っています」と淳一の母・瑞江役の石井めぐみさん

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「こんなお洒落な場所で映画をやらせてもらえるなんて嬉しいなと思っています。ここにくるたびに緊張します(笑)」という原作・企画・脚本の山下久仁明さん

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「個性的な映画にしたつもりです。映画に出てくる人たちがそれぞれに事情を背負っている中で、覚悟が見えてくる映画だと思っています」と福田是久監督

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撮影中のエピソードを話す伊藤祐貴さん(中央)と秋野太作さん(右)。秋野さんのユーモラスな口調としっかり答える伊藤さんの様子に石井めぐみさん(左)も笑顔

 秋野太作さんは、自閉症という難しい役を演じた伊藤さんについて「この人が真面目でね、普段から役に入りっぱなし。あれは大変なことなんですよ。よくやったと思います」と絶賛。淳一の母を演じた石井めぐみさんは「障害者の母っていうと頑張っている感がみなさんのイメージにあるかもしれないんですけど、私も実際に実際に障害を持った子を育てていたので“意外に普通だよね”というところを出せたらいいなと山下さんと話していました。息子役の伊藤くんも小林(裕吉)くんも頑張ってくれていい作品になったと思います」と語りました。
 原作執筆から7年で公開を迎えた山下さんは「最初に企画を立ち上げたときに“永遠の1+1+1+1……”というコピーを作っていたらほんとにコツコツとカンパが集まってきて、自分で言うのも変ですが、ほんとにすごいなあ、ありがたいなあと思っています。息子はいないし(※2006年に息子の大輝さんが事故で逝去)、完成を楽しみにしていた母親も5月にいなくなってしまったんですけど、生き残っている人間が繋いでいこうと思っています。今度は口コミで“1+1+1+1……”で広まっていったらいいなと思っています」と舞台あいさつを締めくくりました。

 大塚ちひろさんと伊藤祐貴さんというフレッシュなキャストで、あまり知られていない自閉症の実像をユーモアも交えつつ描いていく『ぼくはうみがみたくなりました』は、8月22日(土)より東京都写真美術館ホールにて4週間にわたって上映されます(月曜日休映)。

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