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『黄金花 −秘すれば花、死すれば蝶−』初日舞台あいさつ

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舞台あいさつに登壇した林海象さん、川津祐介さん、原田芳雄さん、木村威夫監督、松原智恵子さん、野呂圭介さん、あがた森魚さん(左より)

 日本映画美術界の重鎮・木村威夫監督がメガホンをとった『黄金花 −秘すれば花、死すれば蝶−』が11月21日に初日を迎え、シネマート新宿で木村監督と主演の原田芳雄さん、共演の松原智恵子さん、川津祐介さん、野呂圭介さん、あがた森魚さん、協力プロデューサーの林海象さんが舞台あいさつをおこないました。
 『黄金花 −秘すれば花、死すれば蝶−』は、長きにわたり映画美術監督として活躍し、90歳にして長編映画監督デビューを果たした木村監督の長編第2作で、老人ホームで暮らす植物学者の牧草太郎老人を主人公にした物語。
 上映終了後に舞台に登場した木村監督は「とにかくご覧くださってありがたいという気持ちです。ほんとにこころから御礼申し上げます」とあいさつ。続いてマイクを持った牧老人役の原田さんは「初日というのは不安と恍惚が入り混じっておりまして、監督も朝から興奮状態で杖を忘れてきました(笑)。でも、まだまだ銀座でハシゴ呑みできるほどお元気です」と、現在91歳と思えぬ監督のエネルギッシュさを紹介しました。
 かつて木村監督が美術を担当した作品にも出演している松原智恵子さんは「監督は日活時代から鈴木清順監督とご一緒にとても不思議な世界を創りだしてくださる美術監督で、繋がってみるまでどうなるかわからない映画が多かったんです。今回もできあがるまでどんな映画になるのかわからなかったんです。できあがった作品を観て、初めて“こういう面白い映画もあるんだな”と感じました」と語り「監督もお元気で頑張ってまた映画を作ってください」と監督にエールを送りました。

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木村威夫監督は上映劇場について「場所はいいんですけど(外に)看板出しちゃいけない劇場で、世にも珍しい劇場だと私は思っております」とチクリ

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「自分が出ていてこう言うのもなんですけど、瑞々しい果物のような映画になっているのでビックリしまして、いい意味で裏切られました」と主人公・牧草太郎役の原田芳雄さん

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「この映画に出していただいて、役者としてなんと嬉しいことだと思っております。第3作でもご一緒させていただけたらと願っております」と役者老人役の川津祐介さん

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「監督がこれまで培われた技術を活かして作った映画だと思うので、みなさんも楽しく観て、不思議な世界に誘われたのではないでしょうか」と小町婆さん役の松原智恵子さん

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久々の映画出演で出演依頼があったときには「“どっきりカメラ”だと思ったんです」という野呂圭介さん。「また監督の作品で羽ばたきたいと思います」とあいさつしました

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「木村威夫という表現者の世界の作り方がすごい。その一端をぼくが担えたということで、参加できてよかったなと思っています」とクラブの歌い手役のあがた森魚さん

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映画監督の林海象さんは本作では共同プロデューサーとして参加

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原田芳雄さんと松原智恵子さんに挟まれて締めのあいさつをする木村威夫監督

 『黄金花 −秘すれば花、死すれば蝶−』は、林海象さんが学科長をつとめる京都造形芸術大学映画学科の協力のもと、同学科の学生とプロのスタッフ・キャストがともに映画作りに取り組む“北白川一派”の第1弾として製作された作品。林さんは「木村先生が91歳、学生たちが大体19歳くらい。91歳の監督と19歳の仲間が一緒に映画を撮るというのは、たぶんほとんど見られない姿です。我々は脚本に“ここはわかりませんよ”と言うんですけど、逆に19歳は91歳の心情というのを理解していたですね、91歳と19歳が心で通じあっている現場でした」と現場の様子を紹介しました。
 そして木村監督は「お客さんが入らないと商品として価値がなくなっちゃいますけど、私は映画を作るときは商品を作るとは思っていません。私は自分の作品を創る想いでやっております。それを商品にするのはプロデューサーさんたちの力です。以上でございます」という、力強くかつ飄々としたあいさつで舞台あいさつをしめくくりました。

 老人ホームでの奇妙で不思議な日々を描き、原田さんが「幻、夢、それから遊び、この映画の三要素がいっぱい含まれた映画だと思っております」と評する『黄金花 −秘すれば花、死すれば蝶−』は、11月21日(土)より、シネマート新宿、銀座シネパトスにて上映されています。

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