盲導犬を題材とした映画『パートナーズ』(11月6日公開)の完成披露試写会が“犬の日”である11月1日にヤクルトホールにておこなわれ、主演の浅利陽介さんと共演の大塚ちひろさん、下村優監督が舞台あいさつをおこないました。
『パートナーズ』は、あるきっかけから盲導犬訓練士となった若者と、生まれたばかりの盲導犬を育てるボランティア“パピーウォーカー”の少女、そして事故で視力を失ったロックシンガーの女性を中心に、盲導犬と人間との触れあいを描いた作品。
主人公の准盲導犬訓練士・小山内剛を演じた浅利さんは、劇中さながらに盲導犬を連れて舞台に登場。慣れた様子で盲導犬に指示を出しながら「盲導犬訓練士という役をやらせていただいて、とっても成長することができたと思います」とあいさつし「ぼくはものすごく犬が大好きで、訓練士の方から犬と遊ぶ時間をいただいたんですけど、ボールで遊んだり追いかけっこしたりかくれんぼして、こんなに楽しい撮影現場でいいのかなっていうふうな感じでした」と撮影中のエピソードを披露しました。
失明するロックシンガー・真琴を演じた大塚さんは「恥ずかしいことに盲導犬について知らないことが多かったんですけど、この映画に携わることですごく勉強になりましたし、視覚障害の女の子の役をやらせていただいたことで、お芝居でもいろいろ勉強になりました」とコメント。撮影では特製のコンタクトレンズを用いて実際に目の見えない状態で演技をしており「心の動きだけに集中してお芝居することができてありがたかったんですけど、真っ暗な世界ですごく怖かったんです。すぐ転んだり、ぶつかったりしましたので、浅利さんに手引きをしてもらったり、映画で盲導犬のチエを演じている2匹に誘導してもらったり、貴重な経験でした。普段、当たり前だと思って生活していること1個1個に感謝したいなというふうに変わりましたね」と撮影で得た経験を語りました。
また、これまで多くのテレビドラマの演出を手がけ『パートナーズ』が劇場用作品初監督となる下村監督は「社会に貢献のできる映画を作りたいというところから始まりました」と製作のきっかけを明かし「映画がやりたくてこの世界に入ったわけですが、映画とテレビには大きな違いがありました。カラオケで歌うのがテレビ、生の伴奏で歌を歌うのが映画という印象です」と初監督をつとめての感想を述べました。
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『パートナーズ』完成披露試写会
舞台あいさつをおこなった下村優監督、浅利陽介さん、大塚ちひろさん、ゲストの鈴木加奈子さん(左より)。浅利さんは映画で盲導犬・チエを演じた盲導犬の兄弟犬を、鈴木さんは実際のパートナーであるナンシーを連れての登場
「映画を観ていただいてあたたかい気持ちになって、周りにいる“パートナーズ”のみなさんと会って照れくさい気持ちになっていただければと思います」と小山内剛役の浅利陽介さん
「1年前に撮影をしていまして、私たちも大好きな映画なのでこの日が来て嬉しく思っています。ちょっとでもいろいろな気持ちが伝わればいいなと思っています」と真琴役の大塚ちひろさん
「スタッフ、キャストだけではなく、日ごろからお世話になっている、ぼくの“パートナーズ”よ呼べる方たちも力を合わせてできた映画です。楽しんでいただけると思います」と下村優監督
舞台あいさつ後半には、視力に障害を持ち、盲導犬を連れてのコンサート演奏活動などをおこなっているトロンボーン奏者・作曲家の鈴木加奈子さんがゲストとして登場。「私の心の支えでもありますし、自然体でいられるようにしてくれた、ほんとに私にとって光のような存在です」と、実際に盲導犬とともに生活している立場から盲導犬についてコメントしました。
若手からベテランまで実力派キャストが共演し、シンガー役の大塚さんの歌も大きな見どころの『パートナーズ』は、11月6日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー。一部劇場では副音声でのガイド付きで上映されます。