1990年代にオリジナルビデオ・劇場用作品として製作されヒットを記録した「くノ一忍法帖」シリーズの久々の復活作となる『くノ一忍法帖 影ノ月』(菱沼康介監督)の公開が6月4日に決定し、3月15日に主演の阿部真里さんをはじめ女性キャスト4人が都内で会見をおこないました。
娯楽小説の大家である故・山田風太郎さんの伝奇小説「忍者月影抄」を原作とする『くノ一忍法帖 影ノ月』は、江戸時代が舞台。八代将軍・徳川吉宗と尾張藩主・徳川宗春の対立からはじまるくノ一たちの忍法合戦を、アクションやVFXをふんだんに盛り込んで描いていきます。
艶やかな劇中の衣裳で登場した阿部さんら4人のキャストは、演じた役柄や、映画の見どころのひとつであるそれぞれが使う奇想天外な忍術についてコメントしました。
美女4人が共艶:『くノ一忍法帖 影ノ月』会見
劇中の衣裳で忍術ポーズを華麗に決めるくノ一4人! 左より、森下悠里さん、西野翔さん、阿部真里さん、宮間梨佳さん
砂子剣(すなご・つるぎ)役:阿部真里さん
砂子剣という役を演じました阿部真里です。みんなくノ一が並んだ中で、私だけちょっと男っぽい服装なんですけど、剣は女であることと自分の本当の名を捨てて、女の色気を出さずに、男と対等に闘えるくノ一、忍法者を目指している女の子です。任務に対して忠実にやっていて、あんまりフレンドシップとか姉妹愛とか、あとは恋愛もまったくしたことがないような女の子なんですけど、任務をしていく中で、仲間が消えていってしまったりとかも含めて、最終的にひとりの女の子として成長していく役ですね
剣は氷を操る忍術を使うんですね。忍法・剣氷柱(けんつらら)といって、手の先からつららが出て、それで相手をプスッと刺したり、投げたりする忍法で、あと、忍法・薄氷(うすらい)というのがあって、それは口を開けて口から霧を出すんです。そうするとあたり一面がバアッて凍るみたいな忍法です。CGも使っているんですけど、撮影のときは周りが凍りつくのを撮るのに秋で木から落ちた葉っぱで地面が覆われているところに、白い石灰を撒いたんです。「みんな動かないで!」みたいな感じで、撮影がすごい大変でした(笑)。
一ノ目狐雁(いちのめ・こがん)役:西野翔さん
一ノ目狐雁役の西野翔です。狐雁はですね、一応この4人の中でリーダー的な役割をしているんですけど、いまはこんな華やかで、なんかチャラチャラした感じのコギャルみたいな忍者だなあと思われるかもしれないんですけど、本編を見ると「アレ?」ってなるかもしれません。実は、ずっとマントを羽織って、ずっと忍んだ格好をしているんですけど「まさか中からこんな衣裳が!」みたいな意外な一面性も持っている、すごい真面目な役柄でございます。そのイメージを崩さないように、クールにつとめるように演じさせていただきました。
私の忍法は、(格好を)見ていただけると連想していただけるかどうかアレなんですけど、蝶々を操る忍法になっているんですね。印を結ぶと蝶が飛び出してきて敵を倒したりするんですけど、パッと見は地味な格好をしているのに、忍術はもしかするとたぶんこの中で一番艶やかな忍法を使わせてもらっているのかなという感じです。でも、私も、もうちょっとお色気忍法とかもしてみたかったです(笑)。
真壁右京役:森下悠里さん
真壁右京役の森下悠里です。このメンバーの中では、一番、なんて言うんでしょうか、「女を武器にしている」じゃないですけど、色気を使った忍法を操る役になっています。年齢的にもちょっとみんなよりもお姉さんの役で、作品を観ていただくと、右京の悩んでいるシーンもあったりとか、いろいろ悩みを抱えている役なんです。4人の中だと、一番現代にいそうな感じの女の子っていう設定ですね。そんな役をやりました。
私は花を操る忍法でして、花と女の色気を武器にして、香りで惑わすという忍術を使います。最後のほうはちょっとすごいポーズもあったりで、ちょっと見どころですね(笑)。
砂子志摩(すなご・しま)役:宮間梨佳さん
砂子志摩役の宮間梨佳です。姉(砂子剣)の妹役で出演させていただきました。この志摩というのは、お姉ちゃんに負けないようにがんばって忍法を学んでいるんですけど、けっこう失敗ばっかりしちゃうダメな妹で(笑)、この中では一番年下の役なんですけど、実際にも一番年下なので、(3人から)「がんばれ」って言ってもらっています。今回、芝居が初めてで、こういうコメントみたいなのも初めてなので、すごく緊張して、なに喋っていいのかわからないんですけど(笑)、がんばったので観てください。
私の忍法は、一応、波千鳥といって、姉さんが使うのが氷なので、水系だと思うんですけど、それは失敗してしまいまして(笑)、成功していないんです。もうひとつは、悠里さんが種を使って最後の忍法を使うんですけど、それと同じような姿をしています(笑)。
会見ではスタッフから、宮間梨佳さん演じる志摩が「本来のくノ一の忍法である房中の術を使って、男を歓ばせながら死に導く。そこが大事なところですね」と、お色気シーンへの期待を高める発言も。
阿部さんは「出演させていただいてすごく嬉しかったし、ファンの方も待ち望んでいた作品だと思うので、楽しんでいただけたらと思ってがんばって撮影しました。ぜひ見てください」と作品をPR。「続編が製作されるとしたら?」という質問には、阿部さんはじめキャスト全員「ぜひやりたいですね」と意欲を見せました。
『くノ一忍法帖 影ノ月』には、会見に出席したキャストのほか、セクシー女優として活躍を続ける水谷ケイさん、井口昇監督作品への出演で知られる亜紗美さん、『名前のない女たち』主演の安井紀絵さんという女優陣と、仁科貴さん、海東健さん、黒田アーサーさんの実力派俳優陣が出演。監督はPFFグランプリ受賞経験を持ち、劇場デビュー作『はじめての家出』で注目を集めた菱沼康介監督。原作者である山田風太郎さんの没後10年を記念する作品として、6月4日(土)より銀座シネパトスほかにてレイトショー公開されます。