耳の聞こえない中学生の少女がダンスを通じて仲間たちとの絆を築いていく青春ストーリー『あぜみちジャンピンッ!』が7月23日にポレポレ東中野で初日を迎え、主演の大場はるかさん、共演の渡辺真起子さんらキャストと西川文恵監督が舞台あいさつをおこないました。
国内外の映画祭などで高い評価を受けている『あぜみちジャンピンッ!』が撮影されたのは2008年。撮影から3年を経ての公開で、大場さんらキャストは劇中よりも成長した姿を見せました。
主人公の優紀を演じた大場さんは「私は当時、中学3年生で、受験とも闘いながらこの作品を作らせていただいて、みんなひとりひとりが力をあわせてこの素晴らしい作品ができて、この作品は私の宝物です」と撮影当時を振り返り「この宝物を東京で上映できると決まったときはすごく嬉しかったし、まだまだ未熟な演技を観ていただくことに不安もあったんですけど、嬉しさのほうがいっぱいあって、みなさんに観ていただけてほんとうに嬉しいです」と公開を迎えた心境を語りました。
西川監督は「小学生や中学生のお子さんに観ていただきたい作品です。親戚や周りのお子さんに勧めていただいて『ゴーカイジャー』や『ポケモン』のような、夏休み映画のチョイスのひとつにしていただけたらと思っています」とコメント。その発言を受け、渡辺真起子さんも「ライバルは『ゴーカイジャー』なんですか? 負けない負けない(笑)』と、笑いを交えつつ力強く監督の言葉をあと押ししました。
美少女キャストたちが3年ぶりに集合:『あぜみちジャンピンッ!』初日舞台あいさつ
舞台あいさつ登壇者全員で手話の「I Love You」。左より、兵藤さやさん、普天間みさきさん、西川文恵監督、大場はるかさん。ポスターを挟んで、池田美咲さん、渡辺真起子さん、上杉まゆみさん
「倉庫でダンスをするシーンがあるんですけど、地面が虫だらけで、踏まないかという不安と振り付けがちゃんとできているかという不安と闘いながらやっていました(笑)」と撮影時のエピソードを語った主人公・高野優紀役の大場さやかさん
「私はダンス未経験で、映画のためにダンスを練習して心が折れそうになったこともあったんですけど、そのことや、未熟な演技や、そのころの私のすべてが詰まった映画だと思います」とダンスチームリーダー・鈴木麗奈役の普天間みさきさん
「演技もダンスもまだまだ未熟でいろいろ不安もあったんですけど、一生懸命みんなで取り組んだ作品ですので、この映画をきっかけとし、一生懸命できることを探してほしいなと思います」とダンスチームメンバー・坂口野梨子役の上杉まゆみさん
ロケ地の新潟について「空気がおいしかったですね。東京に戻ってきたら“あーあ”ってなりました(笑)。東京も好きなんですけど、新潟は自然がすごいんです。ぜひ行ってみてください」と語ったダンスチームメンバー・立花歩役の兵藤さやさん
「3年前の自分を観られるのは恥ずかしいのですが、この映画は観終わったあとに心があったまる作品だと思っています。それをこうやって観ていただくことができて、嬉しく思っています」とダンスチームのコーチ・庄田ジュリ役の池田光咲さん
「少女たちが、風にたゆたう稲穂の中を金魚のようにヒラヒラと走り抜けていく姿が美しく“私たちは自然の中で生きているんだなあ”という生命力を感じました」とロケ撮影時の印象を語った優紀の母親・志摩子を演じた渡辺真起子さん
「4年くらいこの作品に携わっているのですが、公開されて、作品がひとり歩きを始めたと実感しています。みなさんの感想をいただいて、この作品が、社会の中でみなさんの心の中で育んでいただけたら嬉しいと思います」と西川文恵監督
耳の聞こえない少女が主人公という映画の内容にあわせて、上映はすべての回で日本語字幕つき。舞台あいさつも手話通訳が付き、西川監督(写真中央)や大場さん(写真右)のメッセージを伝えました
新潟の美しい風景の中、少女たちの青春を女性監督が描いた“ガールズ・パワー”ムービー『あぜみちジャンピンッ!』は7月23日(土)よりポレポレ東中野にてロードショー。上映期間中には監督とキャストやゲストを迎えてのトークイベントも開催されます。