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「大切な人を守るのが難しくなると感じている人に」:『KOTOKO』特別先行上映

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舞台あいさつをおこなった塚本晋也監督。傍らには第68回ベネチア映画祭と第10回レッジョ・エミリア アジア映画祭の盾が

 独自の世界が人気を集めるシンガーソングライター・Coccoさんを主演に迎えた塚本晋也監督の新作『KOTOKO』(4月7日公開)が3月27日にテアトル新宿で特別先行上映され、塚本監督が舞台あいさつをおこないました。
 『KOTOKO』は「世界がふたつに見えてしまう」女性・琴子を主人公にした物語。かねてよりCoccoさんのファンだったという塚本監督がCoccoさんへのインタビューを重ねて脚本を執筆しており、塚本監督は「いかにCoccoさんの世界が(映画に)現われるようにファンとしてやっていくか、そして自分自身もそこにどうズシンと来る大きなテーマを見出せるかということを見ながらかたちにしていきました」と脚本作りを語り「脚本にもCoccoさんの意見を言ってもらっているので、Coccoさんは現場に来たときには完全に琴子を自分の中に息づかせて、正確に演技していったという感じですね」とコメント。
 そして映画の撮影直前に震災があったことにも触れ「大切な人を守るのがこれから難しくなっていくということを感じている人がいっぱいいると思うんだけど、そういう方に捧げるというか、観ていただきたいという気持ちがあります」と作品に込めた想いを明かしました。

 また『KOTOKO』は第68回ベネチア国際映画祭オリゾンティ部門でグランプリにあたる最高賞を受賞したのをはじめ、日本公開に先駆けて海外の映画祭で高い評価を獲得。この日の舞台あいさつでは壇上にベネチア映画祭と第10回レッジョ・エミリア アジア映画祭功労賞の盾が飾られ、塚本監督はベネチア国際映画祭での上映の様子を「いつもスタンディングオベーションはあるんですけど、儀礼的にやっているのがバレバレなときと、ほんとに(賞賛して)やっているときがはっきりわかって、その拍手でその映画の運命が大体わかるんですね。(第59回ベネチア国際映画祭で受賞した)『六月の蛇』のときもあったかい拍手だったんですけど、『KOTOKO』はそれを上回るようなあったかい拍手が20分くらい続きました」と語りました。

 この日の先行上映のチケットが2日間で完売するなど、すでに注目を集めている『KOTOKO』。Coccoさんが主演のみならず企画段階から関わり音楽や美術も担当するなど、まさに塚本監督と表現者同士のコラボレーションが実現した作品となっており、国内では4月7日(土)よりテアトル新宿ほか全国公開されます。

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