ムンクによる有名な絵画「叫び」に描かれた人物そっくりの男を主人公にした映画『ムンクの叫び』が５月26日に池袋シネマ・ロサで初日を迎え、主演の中野淳史さん、ヒロイン役の亜矢乃さんらキャストと葉山陽一郎監督が舞台あいさつをおこないました。
　『ムンクの叫び』は、デザインの才能に恵まれながら醜い顔のために不遇な人生を送る男・かずおの恋と悲劇を描く現代の怪奇ロマン。
　素顔や経歴も不詳の謎の俳優・中野さんは、舞台あいさつにも劇中同様の特殊メイクを施し、かずおになりきって登壇。かずおが恋するヒロイン・怜子を演じた亜矢乃さんは「最初にかずおくん（の特殊メイク）を見たときはビックリしたんですけど、だんだんかわいく思えてくると思います。その辺りを注目して観ていただければと思います」とコメントしました。
　葉山監督は「絵画をモチーフにして映画を作ることを前々から考えていまして、一番好きなムンクの絵画を題材に映画を作っていようと思ったのがこの作品です」と作品作りの動機を語りました。

　そしてスペシャルゲストとして、映画に出演している恐怖マンガ家で映画監督の御茶漬海苔さんと、現在ヒット中の『貞子３Ｄ』の脚本を手がけた藤岡美暢（ふじおか・よしのぶ）さんも参加。御茶漬海苔さんは「ホラーが大好きなので現場は楽しかったです」と撮影を振り返り、藤岡さんは「自分で脚本を書いているといろいろなものが見えて単純に楽しめないので『ムンクの叫び』のほうが楽しめますね」とコメント。
　さらに、ゲストとともにある有名なキャラクターによく似た「貞江」が登場し場内を沸かせました。「貞江」の正体は『ムンクの叫び』に出演している桜井ふみさん。顔を覆っていた長い髪をかきあげて素顔を明かした桜井さんは「怖がらせる側をやるのはちょっと楽しいですね(笑)」と笑顔であいさつしました。

　舞台あいさつ登壇者のほか、黒田耕平さんや沖正人さん、期待の新鋭・赤沼夢羅さんが出演し、差別や格差など現代の病理に鋭い視点を向ける『ムンクの叫び』は５月26日(土)より池袋シネマ・ロサにてレイトショー。公開期間中には出演者やゲストを迎えてのトークイベントも開催されます。