小さな港町を舞台に“天才少女指揮者”とアマチュアオーケストラの楽団員たちが繰り広げるハートウォーミングストーリー『リトル・マエストラ』（２月１日公開）の完成披露試写会が１月23日にスペースＦＳ汐留で開催され、有村架純さん、釈由美子さんら出演者と雑賀俊郎監督が舞台あいさつに登壇。そして天才少女指揮者を演じた有村さんは劇中さながらに弦楽五重奏の指揮を披露しました。
『リトル・マエストラ』は、急逝した老指揮者に代わって歴史ある港町のアマチュアオーケストラの指導にやってきた“天才少女指揮者”の美咲が、さまざまな騒動を経ながらオーケストラの楽団員たちと絆を深めていく物語。
舞台あいさつは、Ｎ響メンバーによる弦楽五重奏の演奏でスタート。美咲を演じた有村さんがタクトを振り、劇中でも使われている「威風堂々」が演奏されました。
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弦楽五重奏の「威風堂々」の調べに乗せて 『リトル・マエストラ』完成披露試写会
舞台あいさつをおこなった筒井真理子さん、釈由美子さん、有村架純（ありむら・かすみ）さん、雑賀俊郎監督（前列左より）、上遠野太洸（かとおの・たいこう）さん、演奏を披露したＮ響弦楽五重奏のメンバー（後列左より）。有村さんは劇中で着ている制服衣裳で登壇
笑顔で弦楽五重奏による「威風堂々」の指揮をする有村架純さん
演奏が終わると、有村さんはＮ響メンバーとともに客席にあいさつ
指揮を終えた有村さんは「劇中とは違ったところのパートの指揮だったので、みっちりリハーサルをやって挑んだんですけど、すごい緊張しました」とコメント。映画の指揮シーンより緊張したそうですが「でもすごい楽しんでできたのでよかったです」と笑顔を見せました。
有村さんをはじめ、キャストの多くは今回の映画のために指揮や楽器演奏を練習しており、バイオリン奏者のみどりを演じた釈さんは「１日５時間くらい猛特訓させていただいて、最初に監督に“これは無理ですよね”と申しあげたら“女優さんだったらこれくらいできるでしょ”とハードルを上げられちゃったので、負けず嫌いでがんばりました(笑)」と裏話を披露。雑賀監督は「“女優さんだったら”じゃなくて“釈さんだったら”できる(笑)」と訂正し「やっぱり役者さんたちは集中力が半端じゃなくて、ほんとにみなさん上達が早くてびっくりしました」と、キャストの努力を讃え、釈さんは「技術のうまい下手よりも心を届かせようと思って一生懸命に弾かせていただきました。クライマックスのオーケストラのシーンは、ひとつのオーケストラができあがっていくという過程が私たちキャストとシンクロするものがあったので、グッと迫るものがありました」と振り返りました。
「登場するキャラクターそれぞれに抱えている悩みがあるんですけど、その悩みがあっても前を向いてイキイキ生きている姿を見て、絶対に明るく元気になれる映画だと思うので、そういうことを感じてもらえたら嬉しいです」と吉川美咲役の有村架純さん
「この作品は故郷への誇りだったり、仲間たちと力をあわせていく絆の深さだったり、たくさんのあたたかいメッセージが込められています。寒い日が続きますが、あたたかい気持ちになってお帰りいただければ嬉しいです」と三村みどり役の釈由美子さん
「撮影のときすごく寒かったんですよ。その寒さってなかなか伝わらないかと思っていたんですけど、先週東京にも雪が降って、この寒さと雪のつらさがみなさんにも感じられるんじゃないかと(笑)。映画の神さまがいるんじゃないかな(笑)」と雑賀俊郎監督
「画は寒そうに感じると思うんですけど、その中での人間関係や町の人たちのあたたかさがダイレクトに伝わってくる映画です。ノスタルジックな部分もあるので、故郷を思い出しつつ楽しんでもらいたいです」と、チェロ奏者・大野正也役の上遠野太洸さん
フルート奏者・井坂洋子役の筒井真理子さんは楽器経験者。「ブラスバンドでフルートとピッコロをやっていて、ずっとタレント名鑑に（特技として）書き続けていたんですけど、１度も採用されたことがなくて初めてでした。ありがとうございます監督(笑)」
有村さんは「威風堂々」の指揮を終えたあと、紹介される弦楽五重奏のメンバーひとりひとりに拍手を贈りました
『リトル・マエストラ』は石川県志賀町福浦を中心にロケ撮影されており、雑賀監督は「いろいろな候補地を探したんですけど、港と、日本で一番古い木でできた灯台を見つけまして“ここで撮りたい！”と一目惚れしました」と、ロケ地選定の理由を説明。撮影以降もキャンペーンなどで何度も石川県を訪れている有村さんは「こんなに人情の厚い方たちがいるのかってくらい親切な方ばかりで“人想い”な人がいっぱいいらっしゃるんだって思いました」とロケ地への想いを語りました。
そして舞台あいさつは、雑賀監督の「この作品で『威風堂々』をメインテーマに使ったのは“自分の生まれた町をどんな小さな町でも誇りに思って生きていこうよ”というメッセージを込めています。その気持ち、石川県の熱い気持ちを、東京から全国に伝えられればいいと思います」というメッセージで締めくくられました。
この日の舞台あいさつ登壇者に加え、蟹江敬三さん、篠井英介さん、松本利夫さん（EXILE）、前田吟さんら豪華キャストが出演する『リトル・マエストラ』は、２月１日(金)より有楽町スバル座ほか全国順次公開（配給：アルゴ・ピクチャーズ）。２月２日(土)には出演者らによる舞台あいさつがおこなわれます。