デビュー作『先生を流産させる会』で注目を集めた新鋭・内藤瑛亮監督の新作ホラー映画『高速ばぁば』が７月27日に渋谷ユーロスペースで初日を迎え、出演者の北山詩織さんと後藤郁さん、内藤監督が舞台あいさつをおこないました。
　現代の怪談を題材にした『高速ばぁば』は、北山さんと後藤さん、未来穂香さんが演じる３人組アイドルグループ・ジャージガールが主人公。番組収録で廃墟を訪れたジャージガールが廃墟の中で恐ろしいスピードで移動する老婆を目撃、それから彼女たちの周囲で奇怪な出来事が続発するというストーリー。
　雑誌「セブンティーン」モデルとして活躍する北山さんは、アイドルグループのメンバーという役柄について「アイドルというのは初めての役だったので、郁ちゃんにアイドルの仕草やポーズを教えてもらって楽しかったです」と振り返り、“アイドリング!!!”のメンバーとして実際にアイドルグループで活躍する後藤さんは「私はあんまりアイドルっぽくないタイプのアイドルのほうなので(笑)」と照れ笑いを見せつつ「うちのグループはどちらかというと男の子っぽいところがあるんで、ジャージガールは女の子らしくて、そこは違った感じになりました。みんなで一致団結してキャピキャピ感を出せたかなと思います」とコメント。
　内藤監督はそんなふたりについて「後藤さんは実際にアイドルグループで活躍していて、未来穂香さんもバレエをやっていたんですよね。北山さんはちょっと違ってて、演じたのがグループの中でちょっと浮いた存在という役柄だったので組みあわせ的にちょうどいいかなと(笑)。そういうそれぞれが持っているものを反映させられればなと思ってやっていました」と話しました。

　撮影中には、北山さんと後藤さんが人がいないはずの場所で白い女の影を目撃するという事件もあったそう。内藤監督は「そのときは撮影が止まらないように“気のせいだよ”と言って進めたんですけど、あとでカメラマンも“ぼくも見ました”と言ってました」と衝撃の発言を。さらに監督は「そのあと彼女たちが怖がる芝居のときは“あの幽霊ホントだよ、カメラマンも見たってよ！　北山さんと後藤さん呪われてるんじゃね？”と言うとふたりが怖がってくれたので、いい顔が撮れたなと(笑)」と続け、その発言に後藤さんは「ひどーい、黒すぎる(笑)」と笑顔ながら本音(？)を覗かせました。
　そして内藤監督は「自分は親が、特に母親がホラー好きでして『チャイルド・プレイ』とか『エルム街の悪夢』とかを観て育ったので、チャッキーとかフレディ・クルーガーみたいなオリジナルのホラーキャラを作れば親孝行になるだろうと思いましてこういう作品を作りました。楽しんでいただければと思います」と、舞台あいさつを締めくくりました。

　内藤監督の言葉にもあったように、一目見ると忘れられない強烈なキャラクターが登場する『高速ばぁば』は、７月27日(土)より８月２日(金)までユーロスペースでレイトショー上映ほか全国順次公開（配給：トラヴィス）。そして「ネクスト・ホラー・プロジェクト」として、引き続き８月２日(土)より『トーク・トゥ・ザ・デッド』（鶴田法男監督）が公開されます。