日本映画専門情報サイト:fjmovie.com

fjmovie.comトップページニュース一覧>「写真ってなに?」の答えは七者七様 『東京シャッターガール』初日舞台あいさつ

「写真ってなに?」の答えは七者七様 『東京シャッターガール』初日舞台あいさつ

記事メイン写真

舞台あいさつをおこなった桐木憲一さん、藤井武美さん、田中美麗さん、夏目あおいさん、寺内康太郎監督、コバヤシモトユキ監督、手塚眞監督(左より)

 写真をテーマにした人気コミックを3人の主演女優・3人の監督で映画化した『東京シャッターガール』が10月12日に池袋シネマ・ロサで初日を迎え、主演の夏目あおいさん、田中美麗さん、藤井武美さんと、手塚眞監督、コバヤシモトユキ監督、寺内康太郎監督、原作者でプロデューサーの桐木憲一さんが舞台あいさつをおこないました。
 『東京シャッターガール』は、クラシックカメラを愛用し街歩きをしながら写真を撮る高校生・夢路歩(ゆめじ・あゆみ)を主人公にした3編のオムニバス作品。第1話「わたしは、シャッターガール」(手塚眞監督)、第2話「写真って何?」(コバヤシモトユキ監督)、第3話「夢路!お前無茶すんなぁ!」(寺内康太郎監督)で、それぞれ別々の女優が夢路歩を演じるというユニークなキャスティングとなっています。
 オーディションで数百人の中から選ばれた第1話主演の夏目さんについて、手塚監督は「“夢路歩はこの人だ”と一番最初に目が留まったのが夏目さんだったんですね。もう第一印象だったんです」と起用の理由を説明し、夏目さんは「この作品を通してカメラと出会うことができました。初心者の私でもカメラの大切さとか楽しさを知れる楽しい作品になっているので、ぜひそこを観ていただけると嬉しいです」と見どころをアピール。
 アイドルグループ・SUPER☆GiRLSのメンバーとして活躍している第2話主演の田中さんは実際に写真が趣味とのことで、コバヤシ監督は「まずオーラにビックリして、ステージに立っている人は違うんですね。一番の決め手は写真をやっていたことで、写真をやっている人が持つ雰囲気が重要でした」と田中さんの印象を挙げ、田中さんは「初主演というところからすごくプレッシャーがあったんですけど、コバヤシ監督のおかげで和気藹々と、ほかのキャストさんとも仲良く、しかも写真が今回テーマだったので自分も入りやすくて楽しくできました」とコメント。
 寺内監督が「“どこにでもいそうなんですけどどこにでもいない人”がいいなと思っていたので、藤井さんがまさにそうだったのが決め手」だったと評する第3話主演の藤井さんは「歩と共通点がたくさんあったので、素で楽しみながら撮影ができたと思います」と振り返りました。
 プロデューサーもつとめた原作者の桐木さんは「企画の発端は私で、監督に“お願いします”とお任せした時点でぼくはできあがったものを楽しんで観るという立場でしたので、できあがりを楽しみに待っていたという感じですね」と映画化にあたっての心境を述べ、個性あふれる3編について「1本通してご覧いただいたときにカメラとか街歩きの新しい見方ですとか、それぞれに受け止め方が変わってくると思いますので、そういうところも含めて楽しんでいただければ嬉しいです」と話しました。
 そして、映画の内容にちなみ、登壇者それぞれに「みなさんにとって“写真ってなに?”」という質問がされました。

コメント写真

「私にとって写真は“おじいさん”。私は映画の人間なんでお父さんが写真、お母さんが演劇なんです。ところが、ぼくはお父さんが漫画なもんですから“おじいさん”。うちのおじいちゃんはほんとに写真家だったものですから」と第1話の手塚眞監督

コメント写真

「ぼくにとっての写真は、いつも日ごとに変わるんですよね。今日の気分は“写真は水”かな。絶対に人間には必要で、喉が渇くように写真が欲しくて欲しくてたまらないときもあるし、写真に癒されることもあるし」と、第2話のコバヤシモトユキ監督

コメント写真

「ぼくは写真と向きあっていないのでなんの説得力もないんですけど、写真は“ひとり言”みたいなものなのかなと。映画ってたくさんの人に向けてスピーカー的にワーッとやるんですけど、呟きみたいなものが素敵だなと」と、第3話の寺内康太郎監督

コメント写真

「私にとっての写真は“人生”です。日々の記録を残せるじゃないですか。だから“今日、その人がなにをやった”とかを残せる、その人にとっての大きな人生だと思います」と、第1話で夢路歩を演じた夏目あおいさん

コメント写真

「私にとって写真は“恩人”。私は趣味とか特技がなく悩んでいた時期があって、カメラが自分の行きたい方向に進めたきっかけですし、映画に出させてもらう機会にもなりました」と第2話で夢路歩を演じた田中美麗さん

コメント写真

「私にとっての写真は“過去に戻れるルーツ”。そのときに感じたこととか思ったことを1枚の写真で思い出せるのはすごいと思うし、そういう部分を大切にしたいなと思います」と第3話で夢路歩を演じた藤井武美さん

コメント写真

「原作の写真に関しては“選択”かなと思っています。ぼくはマンガを表現として選択したんですけど、歩ちゃんという子は写真とかカメラを自分の表現手段として選択したという“その人の選択”だと思います」と原作・プロデューサーの桐木憲一さん

写真

「カメラを持って街歩きするならどこ?」という予定外の質問がされ、3人の女優が慌てる場面もありました。答えは「スカイツリーとかですかね?」(夏目さん)、「20歳になってひとりで旅ができるようになったら、屋久島に行って縄文杉を撮るのが目標ですね」(田中さん)、「普通に歩いていて“奇麗だな”とか“ここ撮りたいな”と思ったところを」(藤井さん)

 『東京シャッターガール』は、少女の心理を詩的に描いた第1話、写真を撮ることの意味を真摯に問う第2話、青春の一幕をコミカルに描いた第3話と、3編はまさに三者三様。手塚監督は「個性もルックスも全然違う作品なんですけど、それが無理やりひとつになっているという“桐木!お前無茶すんなぁ!”という感じの企画なんですね」とプロデューサーである桐木さんの名前と第3話のタイトルをかけたコメントで笑いを誘いつつ「でも、それが絶妙な影響をしあってひとつのかたちにまとまっているという、狙ったかのようなバランスになっているんですね。これはもしかしたら桐木さんのパワーなのかもしれない」とコメントしました。

記事メイン写真

3人揃って笑顔を見せる主人公・夢路歩を演じた藤井武美さん、田中美麗さん、夏目あおいさん(左より)

 舞台あいさつ登壇者のほか、大西颯季さん、西野実見さん、大橋典之さん、平光航平さんら期待の若手キャストや写真家のハービー・山口さんらが出演する『東京シャッターガール』は10月12日(土)より池袋シネマ・ロサにてレイトショー。11月に東京都写真美術館で上映されるほか全国順次公開予定となっています。

スポンサーリンク