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新旧“ダン隊員”共演に監督は社会派宣言! 『地球防衛未亡人』初日舞台あいさつ

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舞台あいさつをおこなった壇蜜さん、森次晃嗣さん、河崎実監督(左より)。壇蜜さんはマンガ家・藤原カムイさんがデザインした劇中の隊員ユニフォームで登場

 壇蜜さんが宇宙怪獣に立ち向かう地球防衛軍のエースパイロットを演じる空想科学特撮映画『地球防衛未亡人』が2月8日に初日を迎え、角川シネマ新宿で壇さんと共演の森次晃嗣さん、河崎実監督が舞台あいさつをおこないました。
 これまで数々の異色作を世に送り出しカルトな人気を誇る河崎監督がメガホンをとった『地球防衛未亡人』は、宇宙怪獣の襲撃によって愛する人を失った過去を持つ未亡人の天野ダン隊員が、再度出現した宇宙怪獣を撃退するため奮闘するストーリー。
 記録的な大雪に見舞われつつも盛況の中の公開となり、これが映画3作目の主演となるダン隊員役の壇さんは「Rでもない、Xでもない、なんの指定もない映画が私の主演で初めて公開されることとなりました(笑)。記念すべきこの日にまさかの大雪。おかげさまで今日を絶対忘れないと思います」とあいさつ。
 そして、かつて「ウルトラセブン」で主人公のモロボシ・ダン隊員を演じ、今回は天野ダン隊員の上司・タマオカ長官を演じた森次さんは「ぼくも昔、ダン隊員だったんだけど、なんか不思議な感じがしますね。それが監督の狙いだったんじゃないかという気もしていますけど」とコメント。そのコメントに河崎監督は「森次さん、ぼく知らなかったんですけど、ダンっていう役をやっていたんですか? 偶然だなあ」と、おとぼけを見せました。

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ポスターを挟んで並ぶ新旧ダン隊員。初の共演に壇さんは「大先輩ですから恐縮するところはありましたし、特撮の世界のヒーローですから敬意を払ってご一緒させていただきました」、森次さんは「大変素晴らしい方だと思いますよ。とってもしっかりした自分の考えを持っている方だと思いますね」

 一見するとパロディのコメディ映画に思える『地球防衛未亡人』ですが、ストーリーには領土問題や原発、核の問題など、まさに現代の日本が直面しているさまざまな問題が盛り込まれており、森次さんは「面白いねえ、この映画は。くだらないところはくだらなく面白い。これがやっぱり河崎監督の力で、真面目に撮ってたら政治的に相当ヤバイんじゃないかって」と指摘し、河崎監督自身も「この映画はですね、現代を象徴する壇蜜というエロスのシンボルを使って現代日本の欺瞞と矛盾を告発する社会派の映画なんですね。私もこれから社会派の監督になるんで、よろしくお願いします!」と堂々と宣言。
 これまでの主演作とはまったく違うジャンルに挑んだ壇さんは「なんでこうなったんでしょうねえ……」と苦笑いも見せつつ「以前から河崎監督の映画はちょっと社会にシャレで一石を投じるような、それでお咎めがないような、ほかの人には作れないだろうジャンルとして認識していましたから、そういう意味では映画の中にいさせていただくというのは光栄なことじゃないかなと思って」と、主演にあたっての想いを口にしました。

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「未亡人という設定で映画がひとつできたという事実がそうとう満足しています」と、地球防衛軍・天野ダン隊員を演じた壇蜜さん

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河崎監督に「ぼくらのヒーロー」と呼ばれると「疲ー労するわ、70歳過ぎてね」と返した地球防衛軍・タマオカ長官役の森次晃嗣さん

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「壇蜜さんは映画は監督のものだってことがよくわかっているんです。自分たちはオモチャだということがわかってる」と河崎実監督

河崎監督は、この作品は企画書の段階では『怪獣のウンコ』というタイトルだったことを告白。「そのタイトルから壇蜜さんが出るとなったときに『地球防衛熟女』になったんですよ、最初。で、未亡人にしたほうがいいって『地球防衛未亡人』になって、そこからストーリーがどんどん広がっていったんです」と監督が経緯を明かすと、壇さんは「傷は深まるばかりです」。その一言に会場には大きな笑いが巻き起こりました。

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地球防衛軍らしく3人揃って敬礼ポーズ!

 社会問題てんこ盛りのため、河崎監督曰く「どこも金出さない、撮影場所も貸さない」という苦境を乗り越えて製作された『地球防衛未亡人』は、ほかに大野未来さん、福田佑亮さんの若手キャストや、ウルトラシリーズゆかりの堀内正美さん、古谷敏さん、きくち英一さん、沖田駿一さん、さらに河崎監督作品でお馴染みのなべやかんさん、モト冬樹さん、コントグループのザ・ニュースペーパーの福本ヒデさんら、バラエティに富んだ顔ぶれが共演。2月8日(土)より角川シネマ新宿ほか全国順次公開されています(配給:トラヴィス)。

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