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武田梨奈さん日本の秘境でのロケが続き「東京は怖いな」 『祖谷物語-おくのひと-』初日舞台あいさつ

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舞台あいさつをおこなったキャスト・監督。前列左より、大西信満さん、蔦哲一朗監督、武田梨奈さん。後列左より、森岡龍さん、山本圭祐さん、クリストファー・ペレグリニさん、石丸佐知さん、村上仁史さん

 日本三大秘境に挙げられる徳島県・祖谷(いや)を舞台にした『祖谷物語-おくのひと-』が2月15日に新宿K's cinemaで東京公開を迎え、主演の武田梨奈さんと共演の大西信満さんらキャストと蔦哲一朗監督が舞台あいさつをおこないました。
 『祖谷物語-おくのひと-』は、人里離れた祖谷の山奥でお爺とともに暮らす女子高生・春菜が主人公。春菜とお爺、東京からやってきた青年・工藤を中心に、祖谷で生きる人々の生活が描かれていきます。
 深い雪の中でのシーンも多い『祖谷物語-おくのひと-』ですが、奇しくも関東地方が記録的な大雪に見舞われた中での東京公開となり、劇場周辺にも映画さながらとは行かないまでも深い雪が。春菜を演じた武田さんは「私も今日、バスとかタクシーとか全部止まっていて、(劇場に)来られるのか正直言って心配だったんですけど、歩きながら祖谷を思い出して、逆にいい雰囲気で来られました」とあいさつ。工藤を演じた大西さんも「これ以上ないというくらい悪いコンディションですが、でもこの映画の成り立ち自体が、いろいろなことで順調でなくて、つねに困難が付きまとっていたので、ある意味でとても『祖谷物語』らしい始まりなのかなと思っております」とコメントしました。

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「ぼくにとってはほんとに人生のかかった映画なんですけど、ほんとにみなさんのお陰でこうして完成することができましたので、深くお礼を申しあげたいと思います」と、東京公開を迎えての心境を語った蔦哲一朗監督

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「町の方々があたたかくて、(ロケ場所が)トイレもない場所なので“トイレ貸してください”と押しかけるとお菓子までいただいたり、町の方々に支えられながらできた映画だと思いました」と、春菜役の武田梨奈さん

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「(祖谷は)地元では知られていても全国的にはあまり知られていないところで、この作品を通して祖谷という土地がみんなに知られるようになればとても良いことだなと思っています」と、工藤を演じた大西信満さん

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建設会社で働くアキラを演じた村上仁史さんは役作りのため撮影前には実際にロケ地の建設会社を手伝ったそうで「体作りからと、まず地元の人の言葉を耳で聞いて、なんとか祖谷の人間になれるようにがんばりました」

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春菜の友人・琴美役の石丸佐知さんは徳島出身。「私は徳島出身なんですけどこの撮影で初めて祖谷に行って“ああ、自然ってこんなに大っきいんだ”ってことを感じて、自然の美しさを改めて感じました」とあいさつ

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「役者のみなさんとスタッフのみなさんも素晴らしい方々です。みんながんばりました。美しい映画で、みんなと一緒に働いたことを誇りに思います」と自然保護活動家・マイケル役のクリストファー・ペレグリニさん

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祖谷でのロケではひとり宿舎で待つ時間もあり「ひとりで塞ぎこんでいた」という田村役の山本圭祐さんですが「夜になったら、街灯がないので星がすごくきれいで、心がきれいに洗われて、いまもきれいなまんまです」

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修二役の森岡龍さんは東京撮影部分のみの出演。「台本を貰ったとき東京パートだけの台本だったので、そもそも『祖谷物語』の全体像が掴めなくて、(試写で)観たときにビックリして。祖谷行きたいなと思いました」

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撮影中は「特に大西さんにはいろいろ現場で支えていただいて助けられました」という武田梨奈さん(右)。大西信満さんは「自分だけ(携帯の)電波が通じたんですよね。そういう面で武田さんの役に立てたのかな(笑)」

 “現代の秘境”での長期間にわたるロケ撮影で、武田さんは「電波が届かないので連絡が取れないとか、冬になると水が水道から出ないとかありまして、そういう部分では最初は戸惑ったんですけど、ずっと祖谷にいる期間が長かったので、逆にそれが当たり前の生活になってきて、東京に戻ったときに“東京は怖いな”って感じたことはありました」と、新たに発見することもあったようですが、一方で「“自然は綺麗だけじゃないな”ってすごく実感して、ほんとに厳しいロケで、キャストのみなさんはほんとに監督を恨んでいた時期があると思うんですけど(笑)」と、自然に囲まれているゆえの過酷さもあったよう。大西さんは「“田舎暮らしが大変だ”ということは身を持ってみないとわからないことはたくさんあるし、そういう面では(実際に田舎暮らしでロケをする)監督の演出は見事だったんじゃないかと思っております」と評し「できあがった画を見れば、ほんとになかなか撮れるものじゃないので、芝居云々以上になにか力強いものがちゃんと画面に焼き付いているし、サンゴー(35mmフィルム)で撮ったことの意味もある。いろいろ事件事故ありましたし、たしかに監督のことみんな嫌いでしたけど(笑)、最終的にできあがったものに力強いなにかが刻まれていれば、すべて報われるのかな」と、厳しい撮影を経験しての想いを語りました。

 現在はメジャー作品でも少なくなっている35mmフィルムでの撮影を敢行し、2011年の撮影開始より3年の歳月をかけて公開を迎えた『祖谷物語-おくのひと-』は、2月15日(土)より新宿K's cinemaほか、全国順次公開されます。

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