強面の浪人とかわいい白猫の出会いから始まるこれまでにない動物時代劇『猫侍』が3月1日に初日を迎え、シネマート新宿で主演の北村一輝さんと共演の蓮佛美沙子さん、戸次重幸さん、山口義高監督が舞台あいさつをおこないました。
昨年10月から放送され好評を博したドラマ版に続いて公開されるの劇場版『猫侍』は、北村さん演じる浪人・斑目久太郎(まだらめ・きゅうたろう)が主人公。江戸の町を二分する猫派と犬派の争いの中、白猫の玉之丞のかわいさに「萌えて」しまった斑目と周囲の人々の巻き起こす騒動が描かれていきます。
初回の上映後に舞台に登場した北村さんは「どうでしたでしょうか?」と客席に感想を求め、拍手と歓声に「大丈夫ですか? お世辞じゃなく面白かったですか? ああ、よかったあ(笑)」と安堵の表情。「ほんとね、この瞬間をずっと待っていて、最初にみなさんがどういう反応をするのかなって。“ふざけるな”って言われるか面白かったか、どっちかだと思って。ぼくたちがふざけて撮っていたので(笑)。そんなことはないですけど」と、ジョークを交えながら初日を迎えて心境を語りました。
侍と猫が主役だけに、映画では猫と人間の共演シーンも多く、北村さんは劇中で猫を抱いたままの殺陣も披露。猫を飼っていたこともあり猫は好きという北村さんは殺陣について「かなり腰を下げて、日舞と一緒ですよね。下げたまま腰の高さは変わらないように立ち回りをやっていたので、あまり(猫に)振動は行っていないと思うんです」と、猫に負担を与えないようキャストの努力があったことを明かし「今回は猫はすごく優秀で、NGもありませんでしたし、引っかかれた人もいなかったと思いますし」と猫の演技を賞賛しましたが、ヒロイン・お梅を演じた蓮佛さんは「引っかかれました私(笑)」と告白。「私は北村さんみたいに猫を飼った経験もなくて初めてだったので、抱き方から教えてもらう感じで」と、猫との共演を振り返りました。
北村一輝さん舞台あいさつでも猫と共演で笑顔 『猫侍』初日舞台あいさつ
舞台あいさつをおこなった蓮佛美沙子さん、北村一輝さん、戸次重幸さん、山口義高監督(左より)と、北村さんに抱かれた猫のあなご
撮影にあたり「普段、映画を観ない方という人が全国に結構いらっしゃると思うんですね。そういう方にも観ていただけるような映画を作ろう」と監督やプロデューサーと話し合ったという斑目久太郎役の北村一輝さん
猫を世話する女中のお梅を演じた蓮佛美沙子さんは「楽しんで、ネコと一緒にほのぼのと撮らせていただきました。そのハッピーなテンションが、映画の中でもみなさんに伝わっていればいいなと思います」とあいさつ
犬派の米沢一家の若頭・三郎太を演じ「ヤクザの若頭という役を精一杯やらせていただきました」という戸次重幸さん。「動物を使う作品ってこんなに難しいんだなと、ほんとに全員が感じさせてもらった作品でしたね」
『猫侍』にはユニークな趣向がたくさん盛り込まれており、これが劇場公開2作品目となる山口監督は「最後の最後までいろいろアイディアを出し合ったので、ほんとにみんなで作りあげた作品だと言っていいです」とコメントしましたが、北村さんは「普通の監督は認めてもらおうと賞を獲ることとか考えたりすると思うんですけど(山口監督は)“これでいいんですか?”ってくらい、ほんとに観る人のことを考えて作っている。そこまで振りきれる監督が素晴らしいと思いますし、これは監督の作品。監督あっての『猫侍』かなと。ここまで持ち上げればいいかな?(笑) でもほんとにそう思いますね」と、監督に賛辞を贈りました。
そして舞台あいさつ終盤では、映画のもう1匹の主人公・白猫の玉之丞を演じた猫のあなごも登場。そのかわいさに客席からは歓声が上がりました。
「憧れの北村さんとご一緒できてほんとに光栄でしたね」という山口義高監督。「責任は全部ぼくにありますので、ツッコミどころはぼくに指摘してください(笑)」と客席の笑いを誘いました
猫のあなごを抱いて笑顔の北村一輝さん(中央)。あなごはシーンによって3匹が演じ分けた玉之丞役の1匹で北村さん曰く「玉之丞パート1」。本作での優れた演技に対して贈られた“ネコデミー賞”のティアラを被ってご満悦?
江戸の町を舞台に猫と人間のほんわかした関係が描かれる『猫侍』は、舞台あいさつ登壇者のほか、浅利陽介さん、寺脇康文さんら豪華キャストが共演。3月1日(土)より、シネマート新宿ほか全国公開中です。(配給:AMGエンタテインメント)