たびたび映像化されてきた官能小説の名作を3人の女優のトリプル主演で映画化した『花と蛇 ZERO』が5月17日に初日を迎え、丸の内TOEI2で天乃舞衣子さん、濱田のり子さん、桜木梨奈さんの主演女優3人と橋本一監督が舞台あいさつをおこないました。
原作小説を現代を舞台に大きくアレンジした『花と蛇 ZERO』は、女刑事の美咲、社長夫人の静子、若き専業主婦の瑠璃の3人が主人公。それぞれの理由で闇の動画サイトに関わり禁断の世界に堕ちていく3人の物語が描かれていきます。
刑事の美咲を演じた天乃さんは「今日という日を迎えられたことをほんとに嬉しく思います」とあいさつ。「映画でこんな大役をいただいたのは初めてのことで、緊縛があったり、ガンアクションがあったり、初めてのことがたくさんありまして極限状態の撮影期間だったんですけども、それが勉強になりましたし、とても楽しかったです」と撮影を振り返りました。
過去の映画版で様々な女優が演じてきたキャラクター・遠山静子を演じた濱田さんは「遠山静子は『花と蛇』を背負って立つ女性でもありますので、すごく不安とか“大丈夫なのかな?”という気持ちはありましたけど、とにかく一生懸命やらせていただいたという気持ちでいっぱいです。監督が打ち上げのときに“よく逃亡者がでなかった”というくらいハードな撮影ではありましたけど、でもわたし的には遠山静子として過ごした時間はとても貴重であったし、素敵な時間でした」と、役柄にプレッシャーもあったことも告白。
主婦の瑠璃を演じて白昼の公園での大胆なシーンに挑んだ桜木さんは、そのシーンは周囲を布で囲って撮影していたもののカメラ位置の関係で囲っていない部分があったことを明かし「いろいろな意味でドギマギしながら、いい緊張感のある撮影でした。あんなにいいお天気の中で、ちょっと人工物も巻いていますが自然のままでいさせてもらえるって、女優という仕事をやれてよかったと思いましたね(笑)」と、大胆な発言で会場を沸かせました。
ハードなシーンの連続に監督は「逃亡者」を心配!? 『花と蛇 ZERO』初日舞台あいさつ
三者三様の艶やかな衣装で舞台あいさつをおこなった、桜木梨奈さん、天乃舞衣子さん、濱田のり子さんの主演女優3人と橋本一監督(左より)
初挑戦のヌードシーンについて「撮影の初日から脱ぎのシーンだったので、もうそのあとはまったく(抵抗なく)。そのときも没頭していたので気がついたらもう裸だったという感じでした(笑)」という雨宮美咲役の天乃舞衣子さん
遠山静子役の濱田のり子さんは、キャストの中で緊縛シーンが最も多く「縛りとかもいろいろあるんですよ。ほんとに面白くて、未知なる世界を経験できたのは貴重な時間だったと思います。普段は吊られたりはないですからね」
自ら禁断の世界に足を踏み入れる瑠璃を演じた桜木梨奈さんは「女性って言わないけど内面に欲望を秘めているんじゃないかと思うんですよ。私自身も瑠璃のそういうところに共感したので、特別な女性じゃないと思ってやりました」
「女性が観られるように、明るく楽しい映画を目指そうと現場で言っていたんですけど、撮影がハードで、みんな風邪ひいてフラフラになって、明るく楽しいどころじゃないって(笑)」と裏話を披露した橋本一監督
舞台あいさつでは濱田さんが緊張のためにあいさつの順番を間違えてしまうというハプニングも。写真は映画のタイトルパネルを持った主演3人。左より桜木梨奈さん、天乃舞衣子さん、濱田のり子さん
これまで「相棒」や『探偵はBARにいる』シリーズなどの人気作を手がけてきた橋本監督は、今回挑んだエロスの世界について「18禁って言いながら、ほんとに男性が見たいものは映せないわけじゃないですか。そこの逃げが楽しくもありイライラもしつつみたいな感じですけど、日本の法律を守らないと日本で公開できませんので、がんばって日本の法律を守って楽しい映画を作りたいと思っております」と語り、天乃さんは「いろいろ面白いところがいろいろなところに散りばめてありますので、1度観た方もぜひお友達を誘って2回、3回と」とアピールしました。
体当たりの演技を見せる3人の主演女優に加え、津田寛治さん、川野直輝さん、榊英雄さん、菅原大吉さん、木村祐一さんら個性豊かな男優陣が共演、話題作を次々と手がける港岳彦さんの脚本と橋本監督のメガホンによりまったく新たな世界を描いた『花と蛇 ZERO』は、5月17日(土)より丸の内TOEI2ほか全国公開されています(R18+作品)。