娯楽映画の名手・金子修介監督がメガホンをとり、注目の若手女優4人が激しいアクションを披露する『少女は異世界で戦った』が9月27日に初日を迎え、新宿バルト9で花井瑠美さん、武田梨奈さん、清野菜名さん、加弥乃さんら出演者と金子監督が舞台あいさつをおこないました。
『少女は異世界で戦った』は、人類が銃器と原子力を廃棄した世界で、剣を武器に謎の侵入者(インベーダー)と戦う4人の美少女戦士の活躍を描いたSFアクション。
初日舞台あいさつはチケットが完売し急遽客席数の多いスクリーンに変更となる盛況の中で開催され、金子監督は「劇場をいっぱいにしていただきましてありがとうございます」とあいさつ。4人の戦士のひとり・レイを演じた武田さんも「こんなに来てくださると思っていなかったので」と驚きと喜びを覗かせつつ「正直、この映画はいまやっているアクション大作に比べたら全然お金(製作予算)もないんですけど、私たちの情熱は伝わるんじゃないかと思っています。アナログですけど、ワイヤーも使ってませんし、みんなスタントなしでアクションもやっていて、心意気は負けないと思っているので、まだまだ広めていきたいですね」と公開初日を迎えての心境を語りました。
また、金子監督デザインによる4人の衣裳もこの映画の見どころのひとつですが、露出の多さに4人には戸惑いもあったそうで、ミキ役の加弥乃さんは「ない胸を“出せ”って言われてヤなんですよ(笑)。衣裳合わせのときは(監督に)ハイキックしたかったです(笑)」と本音(?)もチラリ。マリ役の清野菜名さんは「撮影が冬で毎朝霜が降りるくらい寒くて、この衣裳でアクションをするのが辛かったんですけど、監督がどんなときでも笑顔で、私たちはそれで救われていました」と撮影時の“いい話”を紹介しましたが、金子監督自ら「ニヤニヤしてた」と一言。会場の笑いを誘いました。
金子修介監督「新しい王道アクション」と自信 『少女は異世界で戦った』初日舞台あいさつ
舞台あいさつをおこなった岡田浩暉さん、清野菜名さん、武田梨奈さん、金子修介監督、花井瑠美さん、加弥乃さん、金子昇さん(左より)。清野さん、武田さん、花井さん、加弥乃さんは劇中のコスチュームで登壇
舞台あいさつの衣裳は露出を少し抑えたバージョン。アリサを演じた花井瑠美さんは「舞台あいさつの前に監督に“あれ? その衣裳ちょっと違くない?”って言われて(笑)」と、開演前の裏話を暴露しました
金子監督の印象を聞かれ「優しい顔で無茶ぶりというか、まず衣裳ですね。私たちすごいキックとか飛んだりするのに、ミニスカートに胸が出ているって一番いけないやつだったので(笑)」とレイ役の武田梨奈さん
「衣裳合わせのときにビックリで、これを着て蹴りをするのかと思ってずっと心配していて(笑)。本番は万全なかたちでやらせていただいたので、全力でやれたかなと思います」と、マリを演じた清野菜名さん
撮影時を振り返り「(4人は)仲良かったです。泊まり込みの撮影だったのでお風呂に一緒に入ったし、もう裸の付き合いで」とミキを演じた加弥乃さん。「こんな話ばっかりでいいんですかね」と照れ笑いも
4人の戦士に指令を出す柳生太一郎役の岡田浩暉さんは「すごくイマジネーションが必要な役でしたし、このかわいい4人のリーダーとして存在しなくてはいけないので、撮影中どういうふうに接しようかと」
4人の戦士と敵対する豪徳寺役の金子昇さんは「(悪役は)すごく楽しかったんですけど、できあがりを観るとみんなメッチャメチャカッコよくて、俺もそっち側(戦士側)が良かったなあって思いました(笑)」
満員の客席に「果たして『少女は異世界で戦った』という名前が浸透していくかどうかと思いながら、でもお客さん来てくれてよかったなってとこで、ありがとうございます!」とあいさつした金子修介監督
「海外では立て続けに4つくらい賞を獲り手応えを感じていて、日本で公開してみたら客席の多いスクリーンに変更されて、こういうことが起きるんだなとビックリしております」と久保直樹プロデューサー
舞台あいさつの最後には登壇者全員にスタッフより花束が贈られました。花束を抱えた武田梨奈さん(左)と花井瑠美さん
戦士役の4人は、すでに若手アクション女優として評価されている武田さん以外は新体操や陸上、体操などスポーツ経験はあるもののアクションはほぼ初挑戦で、金子監督は「そういう意味で“やれるかな?”っていうのはあったんですけど、全員が揃ってできるようになって、ほんとに頑張ってもらったな」と4人を評し「こういう女子戦隊ものをやろうとするとパロディと受け取られがちなんですけど“そんなパロディばっかりやっていたら元ネタがなくなっちゃうんじゃないの?”という危機感があって、そういう意味で新しい王道アクションをやり切れた」と作品の出来栄えに自信を。
新体操全日本チャンピオンの経歴を持ち、本作ではアリサを演じた花井瑠美さんは「私は新体操で挫折をしてからかなりフワフワと生きていたんですけど、金子監督にデビューさせてもらって(金子監督作品『ジェリー・フィッシュ』で女優デビュー)、映画の世界でほんとに救われました。久しぶりに本気で動いて、爆発的なアクションを4人それぞれ個性的なものをやっています。“日本の映画でこんなに女の子が本気で動いているのはないよね!”と自信を持って言えるので、今日は楽しんでいってください」と力強く語りました。
無茶ぶりの数々に女優4人の怒りが爆発! なポーズを決める、清野菜名さん、武田梨奈さん、金子修介監督、花井瑠美さん、加弥乃さん(左より)
4人の美少女戦士がアイドルグループとして活躍するシーンもたっぷり。往年のSFジュヴナイルを彷彿とさせるストーリーと激しく華麗なアクションの中に2014年の日本ならではのテーマも織り込まれた『少女は異世界で戦った』は、9月27日(土)より新宿バルト9ほかにて全国縦断ロードショーされます。(配給:MAMEZO PICTURES)