テアトル新宿で開催中の特集上映「大阪バイオレンス、3番勝負 石原貴洋監督特集」で最新作『コントロール・オブ・バイオレンス』の上映が7月25日にスタートし、初日を記念して石原監督と山中アラタさん、渋川清彦さんらキャストによる舞台あいさつがおこなわれました。
大阪を拠点に映画を製作し、海外からも新たなジャンル『大阪バイオレンス」として注目を浴びる石原監督の最新作である『コントロール・オブ・バイオレンス』は、大阪の下町で餃子工場を営む元・極道が、凶悪なチンピラの出現により眠らせていた暴力への衝動を蘇らせていくストーリー。
舞台あいさつに登壇した個性豊かな俳優陣だけでなく、役柄に応じてプロの俳優以外も起用され、石原監督自身も「演技ができる役者の人もいれば演技を知らない人もいて、言うたらゴチャマゼというかそれの最たるもの」という石原監督作品。そのため、主人公の餃子工場社長・郷田を演じた山中さんはプロの俳優以外とのアドリブシーンもこなしており「石原さんってすごく(撮影前の)テストをするんですね。でもアドリブなんで相手の人に合わそうかなって思うけどテストごとに毎回違うんで“テストの意味ないやんけ!”って何回も言いかけましたね(笑)」と、石原作品ならではの苦労を語りました。
また、主人公と敵対することになるチンピラ・通称サブゼロを演じた渋川さんは石原監督の作品に出演するのは初めてで「手紙を貰ったんですよ。“いままでにないKEEさん(渋川さん)をぼくは見せますから、ぜひとも”という感じで来たんですよね。そんなこと言う奴いるんだと思って、そりゃ乗っかりますよね」と出演の経緯を振り返りました。
大阪発最新型のバイオレンス映画堂々公開! 『コントロール・オブ・バイオレンス』初日舞台あいさつ
舞台あいさつをおこなった渋川清彦さん、山中アラタさん、屋敷紘子さん、尚玄さん、石原貴洋監督、大宮将司さん、大瀬誠さん、仁科貴さん(左より)
「ぼくの映画は大阪の素人さんやチンピラさんや、いろいろな人が集まっている映画でして(笑)」と石原貴洋監督。「山中さんには素人さんにも対応してと無茶ぶりもしました」
監督の連れてくる「グレーな人」との共演に「ビクビクしつつ(笑)、全部受け止めて自分のプランを考えようと。苦労というか楽しい撮影でした」と郷田役の山中アラタさん
凶悪なチンピラ・サブゼロを演じ「(配下のチンピラ役の)グレーの人を俺が諭すんでね。本物の人たちを相手に(諭す役を)ちゃんとできてるか観てほしい」と渋川清彦さん
「この並びを見てもちょっとおかしい(笑)」という紅一点・マコト役の屋敷紘子さん。「監督は笑い上戸。アドリブで監督が笑っちゃってNGがでたりして」と裏話も披露
監督に意外な面を引き出され「ビックリしましたね(笑)」という殺し屋・クリス兄役の尚玄さん。「弟役のリーくん(木原勝利さん)とふたりでアドリブ合戦していて(笑)」
餃子工場・桜井役の大宮将司さんは「尚玄さんのアドリブに翻弄される役(笑)」と自己紹介。石原作品常連で「前の3本とはまったく違う感じでやらせてもらってました」
「石原組を経験させてもらって運気が上がったみたいな感じ」という鬼城役の大瀬誠さん。本人が志願しての出演が実現し「貴重な体験でしたね、ありがとうございます」
餃子工場従業員・花丸を演じた仁科貴さんもアドリブが多かったそうで「たぶん台本にセリフは2行くらいしかなかったと思うんですけど、30行くらい喋ってますんで(笑)」
劇中では激しく対立する役を演じている山中アラタさん(左)と渋川清彦さんも、舞台あいさつでは和やかな笑顔でトーク
撮影は全編大阪でおこなわれており、舞台あいさつではロケのおこなわれた地域に関してのかなりディープなトークも。石原監督の前作『大阪蛇道』ではメインキャラクターを演じ、本作には餃子工場従業員役で出演している仁科貴さんは「関西行くと銭湯行ったりラーメン食うでしょ。プラプラしてまた立ち呑みとか入るでしょ。そういう時間がいっちばん幸せなんですよね。そのままのテンションでやっています、石原組では」と、作品の空気を生み出す大阪の魅力を語りました。
『コントロール・オブ・バイオレンス』は、石原監督の作品3作を連続上映する「大阪バイオレンス、3番勝負 石原貴洋監督特集」の締めくくりとして7月25日(土)より31日(金)までテアトル新宿にてレイトショー上映されています。