舞台あいさつをおこなった橋本一輝さん、小泉凱さん、佐藤菜月さん、小柴大河さん、尾関玄監督(左より)
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4人の中学3年生の福島への旅を描いた『ハルをさがして』が8月6日に下北沢トリウッドで初日を迎え、出演者の小柴大河さん、佐藤菜月さん、小泉凱さん、橋本一輝さんと尾関玄監督が舞台あいさつをおこないました。
尾関監督の初長編作品となる『ハルをさがして』は、ノボルたちさえない男子3人組が、転校生のチエコとともに、逃げ出したチエコの飼い犬・ハルをさがしてチエコが以前住んでいた福島を旅するストーリー。震災から1年半後の福島を舞台に、3.11を背景として少年少女の成長が描かれていきます。
初回の上映は満員のスタートとなり、尾関監督は「お客さんがまったくいなかったらどうしようと昨日は眠れずに、サクラを入れようかとも考えたのですが、入れなくてよかったと思っています」と冗談を交えてあいさつ。
ノボルを演じた小柴さんは「大きな役をいただいたのはこの映画が初めてで不安もあったのですけど、無事公開することができて嬉しく思っています。これからもどんどん広めていきたいので、いい作品だと思ったらご友人とかに広めていただけたらなと思っています」と、チエコを演じた佐藤さんは「2年前のまだ演技を始めて間もないころに初ヒロインをやらせていただいて、最初にこの映画を観たときは恥ずかしさと不安とちょっとした期待があってうまく観られなかったんですけど、みなさんに観てもらえる機会ができて、やっぱりこの映画が大好きだなと思いました。なので、みなさんに観てもらえてほんとに嬉しいです」と、それぞれ初日を迎えての心境を語りました。
男子3人組のひとり・マサル役の小泉さんは「ぼくは母が福島県の出身で、おばあちゃんがいま福島に住んでいるので、お話をいただいたときすごいご縁を感じて、心からやりたいなと思いました。(撮影の)当時はすごい自分に一生懸命になっていて、監督さんやスタッフの方々や、みなさんに支えられてここまで来ることができて、作品を観て改めて『ハルをさがして』ができてほんとによかったなと思いました」と撮影を振り返り、同じく3人組のひとり・ヒロキを演じた橋本さんは「重たい内容なのかなと思った方もいらっしゃると思いますし、そういう面もないとは言えないんですけど、主題は私たちと同じような年代の子たちの笑いあり涙ありの青春群像劇になっていると思います。優しい作品になっていますので、みなさんにも優しさを感じていただけたら幸いです」と、現在16歳とは思えないしっかりした言葉で作品について語りました。
また、客席からは「東京に住んでいる人間は福島にどういった応援ができるのでしょうか?」という質問が寄せられ、尾関監督は「たぶん、福島に住んでいる方々もそれぞれの考え方があると思います。なにが正解かはわからないですけど、福島のことについて考え続けていくということがひとつの力になると思います」と答えました。
『ハルをさがして』は、中学時代の同級生である尾関監督と内藤諭プロデューサーが立ち上げたISHIOが企画・製作から配給・宣伝までを手がける自主制作・自主上映作品で、尾関監督は「この映画は、自分たちで作った映画を自分たちの手で観客のみなさんに届けるということに意味があるのかなと思って作った作品です。ちょっとでもこの映画がいいなと思っていただけたら、周りの方々にも勧めていただいて、この映画が広がっていければと思っています」と、応援を呼びかけて舞台あいさつを締めくくりました。
主人公たちと同世代の4人の若手キャストに加え、ベテランの洞口依子さんや小沢仁志さんが出演し、もどかしい10代の夏を描いた『ハルをさがして』は、8月6日(土)より下北沢トリウッドにてロードショーされています。