舞台あいさつをおこなった松井望さん、味岡ちえりさん、奥田佳弥子さん、中村優一さん、阿部亮平さん、寺田安裕香（てらだ・あゆか）さん、井口昇監督（左より）。中村さんは劇中のスレイブメンコスチュームで、松井さん、奥田さん、阿部さんは劇場でも販売しているスレイブメンＴシャツで登壇しました
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中村優一さんが主演をつとめ井口昇監督がメガホンをとった異色のダークヒーロー映画『スレイブメン』が３月10日に初日を迎え、シネマート新宿で中村さんと共演の奥田佳弥子さん、阿部亮平さんら出演者が井口監督とともに舞台あいさつをおこないました。
『スレイブメン』は、世界を少しだけ変えることができるヒーロー・スレイブメンの力を手に入れたさえない自主映画監督・しまだやすゆきが、その力を使ってひとりの少女を救おうとするストーリー。
シネマート新宿での上映は満席のスタートとなり、やすゆきを演じた中村優一さんは「嬉しいです、ありがとうございます。１年前に撮影を終えて、やっと本日から公開となりました。やっとみなさんに観ていただけることがすごく嬉しいです」とあいさつ。『スレイブメン』は中村さんはじめ出演者の多くが参加した井口監督のワークショップが元となって製作された作品で、中村さんは「撮影はけっこう短期間だったんですけど、ワークショップでチームワークができていたので、短期間でもチームワークで乗り切れたなっていう部分があって、楽しく撮影を終えることができました」と振り返りました。
井口監督は「１年前に撮影して、桜の咲いている綺麗なときでしたねえ。そこから１年経ちまして、こんなにたくさんのお客様、嬉しいですねえ。映画にとって一番幸せな日ですね。ほんとにこんなに幸せなスタートが送れて、昇、カンゲキです！」と初日を迎えての心境を語りました。
中村さんは『スレイブメン』では気弱で恋愛経験もない映画マニアの青年というこれまでのイメージと違った役に挑んでおり、中村さんは「（やすゆきが）ちょっと拗ねながら“なんでぼくだけが”みたいな日頃の鬱憤をお姉ちゃんにぶちまけるシーンがあって、井口さんは基本的にいつも笑っている方なんですけど、そこだけはメチャクチャ厳しくて“違うよ！ 違うよ!!”みたいな」と、カッコ悪い役を演じる上で監督から厳しい指導があったことを告白し、井口監督自身も「“まだモテるよそれじゃ！”って、けっこう厳しかった気がします。そこだけ何テイクも撮りましたしね」「“イケメンの皮を剥げ！”と言った気がします」と、カッコ悪さをへのこだわりをうかがわせました。
ヒロインの小暮彩乃を演じた奥田佳弥子さんは、井口監督が撮影の際にお手本で演じる彩乃が「すごく乙女」で「こんなに女の子の気持ちをうまく表現できる男性っていないんじゃないかなと思って、さすがだなと思いました」と、井口監督のガーリーな一面を紹介。
やすゆきの高校時代の同級生でＩＴ長者の貴龍幸治（きりゅう・こうじ）を演じた阿部亮平さんは「みなさん感じていると思うんですけど、井口さんはほんとに楽しい方なんですよ。ぼくらは真剣にお芝居してカメラ回るんですけど、カットがかかる前に監督が笑っちゃうんで、監督の笑い声でＮＧになるんですよ(笑)」と監督が原因のＮＧもあったことを明かしつつ「ほんとに現場が楽しくて、みんなが笑ってましたよね、つねに。いままでやった現場の中で一番笑いが多い現場でした」と井口作品に初参加しての感想を述べました。
中村さんは「シネマート新宿さんで何回も舞台あいさつをやらせていただいたことがあるんですけど、こんなにたくさんの方に来ていただいたのは初めてで嬉しいです。『スレイブメン』ようやく今日から公開となりました。キャスト、スタッフ一同、精一杯がんばってがんばって作った映画です。たくさんの方に観ていただけたら嬉しいです」と、井口監督も「こんなにたくさんのお客様と、こんなに素敵な俳優のみなさまと一緒に立ててまず嬉しいです。こうして素敵なスタートを遅れてほんとに幸せな映画だと思います」と、改めて初日を迎えての想いを。
そして『スレイブメン』に「ダークヒーロー版『君の名は。』」というキャッチコピーが付いていることを受け、井口監督が「『君の名は。』に近い大入りのスタートになっているので、より『君の名は。』に迫ってますね、中村さん」と、中村さんに話を振ると、中村さんは「そうですね。『君の名は。』に続け！ ってね」と答えながら「（「ダークヒーロー版『君の名は。』」という）キーワードを付けたのは井口監督なんですよ。でもそのときまだ（監督は）『君の名は。』観てなかったんですよ(笑)」とまさかの暴露。井口監督は「たぶんこんな映画じゃないかなと予想してみました。便乗したい男です」と答え、場内の笑いを誘いました。
中村さんが着用したスレイブメンスーツの腕に付いているカメラは実際に撮影が可能で、中村さんは劇中でスレイブメンが腕のカメラで相手をスキャンする技「スキャンオン」を劇中同様のポーズで披露し、満席の客席をカメラに収めて舞台あいさつを締めくくりました。
「スキャンオン！」のポーズを取る中村優一さん。阿部亮平さんが中村さんのためにマイクを持ちチームワークの良さをうかがわせました
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「スキャンオン！」のポーズで満席となった客席をカメラに収める中村優一さん
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予測不能のストーリー展開の果てに切なく美しいラストが待ち、井口監督が「中村さんについては文字通り体を張っているので、それを見てほしいなって思いますし、（ほかのキャストも）ワークショップから派生した映画なので、演技の幅を見てほしいですね。一度でいろんな味が楽しめる感じの映画になっています」と見どころを語る『スレイブメン』は、舞台あいさつ登壇者のほか、小田井涼平さん、岩永洋昭さん、津田寛治さんらが出演。３月10日(金)より、シネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国ロードショーされています。
