開幕式に参加したキャストとスタッフ。後列左より『「超」怖い話2』の千葉誠治監督、夢みるアドレセンス(荻野可鈴さん、志田友美さん、京佳さん、小林れいさん)、『血を吸う粘土』の武田杏香さん、杉本桃花さん、藤田恵名さん、牧原ゆゆさん、黒沢あすかさん、梅沢壮一監督。前列左より『怪談新耳袋Gメン 復活編』山口幸彦さん、佐藤周(さとう・あまね)監督、後藤剛さん、西村喜廣さん
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今年で4回目を数えるホラー映画祭「夏のホラー秘宝まつり2017」が8月19日にキネカ大森で幕を開け、アイドルグループ・夢みるアドレセンスやミスiD2017グランプリの武田杏香さんら、同映画祭でお披露目となる新作邦画ホラー3作品のキャストと監督ら総勢15名が参加して開幕式がおこなわれました。
「夏のホラー秘宝まつり」は、ホラーマニアの熱い支持を集めるキングレコードのホラー専門レーベル・ホラー秘宝がホラー未踏の地だった映画館・キネカ大森を会場に2014年に初開催し、好評により4年目を迎えたホラー映画祭。洋画邦画の新作・旧作の上映に加え、さまざまなイベントも開催される“観客参加型”ホラー映画祭となっています。
その恒例イベントのひとつが、観客の投票によりグランプリ作品を決定し最終日最後の回に上映するという「ホラー総選挙」。開幕式では『「超」怖い話2』『血を吸う粘土』『怪談新耳袋Gメン 復活編』3作品のキャストと監督らが、グランプリを目指してひとり40秒の持ち時間で作品の魅力をアピールするプレゼンテーションをおこないました。
『「超」怖い話2』の夢みるアドレセンス(荻野可鈴さん、志田友美さん、京佳さん、小林れいさん)、千葉誠治監督(左より)
『「超」怖い話2』は、人気実話怪談集を「ホラー秘宝まつり」に欠かせない千葉誠治監督がアイドルグループ・夢みるアドレセンス(夢アド)を主演にオムニバス形式で映画化した作品。
夢アドのリーダー・荻野可鈴さんは「すごい怖い部分もあって“アイドルがこんな顔をするのか!”というところもあるんですけど、なにより怖いのが、ひとり映画に参加していないメンバーがいまして、それが一番怖いんですけど」と、撮影時に病気療養のため活動休止中だったメンバー・小林れいさんが開幕式に参加していることに触れて客席の笑いを誘いつつ「ぜひこの子にも映画をね、やらせてあげたいなと思いますので」と、続編制作にもつながる投票を呼びかけました。
志田友美さんは「すごく驚いているところとか、緊迫感とかお勧めな部分もたくさんあるので」と、京佳さんは「私、高校3年生の17歳なんですけど、たぶん17歳には見えない表情だったり演技が見られると思います。1位になったらうちの小林も(続編に)出られると思いますので」、小林さんは「普段はおちゃらけている子がこんな表情するんだというのが見られると思うので、そして私も次、ぜひ映画に出たいので、みなさんの清き一票が必要です!」と、夢アドメンバー3人はそれぞれにアピール。
千葉誠治監督は「ここにいる相当に美人な人たちを(特殊メイクで)相当ひどい顔にしています(笑)。それが見どころじゃないかな」と、『血を吸う粘土』監督でもある梅沢壮一さんによる特殊メイクを見どころに挙げ、3作品全部を観てほしいと呼びかける一方で「でも、きっとぼくらの映画が面白いと思います」と自信を覗かせました。
『血を吸う粘土』の梅沢壮一監督、武田杏香さん、杉本桃花さん、藤田恵名さん、牧原ゆゆさん、黒沢あすかさん(左より)
日本を代表する特殊メイクアーティスト・梅沢壮一さんの初長編監督作となる『血を吸う粘土』は、講談社主催のオーディション・ミスiD2017グランプリの武田杏香さんが主演をつとめるのをはじめ、ミスiD2017受賞者をキャストに迎え、地方の美術専門学校で起こる惨劇を描いた作品。
梅沢監督は「ぼくは監督初挑戦で、こちらのミスiDの受賞者の方々に協力していただいて、思いっきり怖がっていただいて、彼女たちのお芝居も素晴らしいし、ぼくは26年この仕事をやっているので、自分の作品でこれだけ作り物も思いっきり出せて光栄です。楽しんでください」と初長編監督作公開を迎えての心境を語り、主演の武田さんも「梅沢監督が、ほかのスタッフさんが特殊メイクされているときに、もう我慢できなくなって監督も(特殊メイクに)参加して、こだわってやってくださった作品なので、ぜひみなさん細かいところにも注目して観ていただけたらなと思います」と、監督の思い入れの深さをうかがわせました。
杉本桃花さんは「私の役は控え目な子なんですね。控え目な子の心の中の変化の過程が見られるのが面白いなと思うところがあるので、そういうところに注目してもらいたいなと思います」、昨年に続き「ホラー秘宝まつり」参加となる藤田恵名さんは「上映前からいろいろな方が注目してくださっている作品ということで、そういう作品に携われてとても嬉しいです」、牧原ゆゆさんは「私の役はすごくフワフワした見た目の女の子なんですけど、あることをきっかけに猟奇的なクールな女の子になるので、そこのギャップが自分のこだわった部分なので、見てもらえたら嬉しいです」と、学生役のミスiD受賞者はそれぞれコメントし、教師役の黒沢あすかさんは「シュールリアリズム的なそんな雰囲気な醸し出す映画となっております。投票にそれが響いたらいいなと思います」と作品の独特な魅力を挙げました。
どう見てもいわく有りげな品々を手に登壇した『怪談新耳袋Gメン 復活編』の山口幸彦さん、佐藤周監督、後藤剛さん、西村喜廣さん(左より)
『怪談新耳袋Gメン 復活編』は、“新耳Gメン”の男たちが心霊スポットに殴りこむ人気心霊ドキュメントシリーズ「怪談新耳袋殴り込み!」の4年ぶりの復活作。
“新耳Gメン”メンバーとして出演もしておりプロデューサーでもある山口幸彦さんは「ぶっちゃけた話、この3作品ともぼくがプロデューサーなんでね、どれがグランプリ獲ってもいいかなと思ったんですけど」と身も蓋もないコメントで会場を笑わせながらも「出演者としましては『ホラー秘宝まつり』の顔をですね、夢みるアドレセンスとかですね、ミスiDに渡すわけにはいかないと。我々“新耳Gメン”がね、(グランプリを獲得して)最後の上映で上映されるように頑張りたいと思いますので、一票をお願いします」と、出演者としてほかの作品へのライバル心を見せました。
撮影中は「幽霊をどうやったら撮れるかっていうことを本気で考えまして」という佐藤周監督は、撮影後に現場之出来事を振り返ったり試写で映像を確認して「(撮影時には)見えてなかったけど見えてきたというのもあって、つまりこれって史上初の第六感を必要とする映画なんじゃないかって。お客さんひとりひとりの五感以上のものが求められている史上初の映画だと思うので、ぜひ観てもらって、六感で感じた結果を投票していただければと思います」と、初期からの“新耳Gメン”メンバー・後藤剛さんは持参した人形を見せて「なぜこうなったか観ていただければわかるので」と、ふたり続けて実際の映像の怖さを感じさせるコメントを。
そして出演者の西村喜廣さんは「とりあえず言いたいことは、こういう映画祭をちゃんとやってくれているキングレコード山口さんに感謝したいんです。なぜかと言うと、こういう映画を撮るプロデューサーが日本ですごく少なくなっています。ホラー映画やスプラッタ映画をやろうぜって言う人がいなくなっているんですよ。みんながこういう映画をほんとに楽しんで観てほしいのと、毎日劇場に来てほしい。『血を吸う粘土』は海外の映画祭でかかっているんですけど、そういうことをちゃんと思って観てもらえるとありがたいです。ほんとに、こういう映画祭をちゃんと来年もやってもらいたいと思っています」と、規定時間の40秒を越えて、作品のみならず「ホラー秘宝まつり」自体の意義を力強くアピールしました。
規定時間を過ぎて喋る西村喜廣さんに「40秒経ったんですけど」と夢アドの荻野可鈴さんが指摘すると、西村さんから「うるせえ!」の一言が返ってきて夢アドの4人と千葉監督も大笑い。西村さんからはそのあと「ごめんね、うるせえとか言って」と優しい一言も。
「夏のホラー秘宝まつり2017」は、新作邦画ホラー3作品に加えて、『ハウリング』(1981年・米/ジョー・ダンテ監督)、『ザ・フォッグ』(1980年・米/ジョン・カーペンター監督)、スティーヴン・キング原作『マングラー』(1995年・米/トビー・フーパー監督)、フランシス・フォード・コッポラ製作総指揮の『ジーパーズ・クリーパーズ』(2001年・米/ビクター・サルバ監督)という名作・傑作4本のリバイバル上映や、2016年に逝去したハーシェル・ゴードン・ルイス監督作品6本の追悼上映、『バスケットケース』『ヘルレイザー』2シリーズのアンコール上映と盛りだくさんのラインナップに加え、ゲストを招いてのトークショー、コスプレなど可の「パリピ上映」などイベントも開催。8月19日(土)より9月1日(金)まで2週間にわたりキネカ大森にておこなわれます。
※『「超」怖い話2』『血を吸う粘土』『怪談新耳袋Gメン 復活編』 それぞれの舞台あいさつの模様を掲載しました!