謎の生物に寄生され戦闘マシンとなった人々の壮絶な闘いを、主演に田中要次さんを迎えて西村喜廣監督が描く『蠱毒 ミートボールマシン』が8月19日に新宿武蔵野館で初日を迎え、田中さんと共演の百合沙さんら出演者と西村監督が舞台あいさつをおこないました。
『蠱毒 ミートボールマシン』は、西村喜廣監督が特技監督として参加した2005年作品『MEATBALL MACHINE』の設定を継ぐバイオレンス・スプラッタ・アクション。街が透明な壁で囲まれ人々が次々と謎の生物に寄生され戦闘マシン”ネクロボーグ“と化して殺し合いを始めるという異常事態の中、しがない中年男の野田勇次がネクロボーグの力を身に付けながらも自分の意志を保ち、ひそかに想いを寄せる女性・カヲルのために闘う姿が描かれていきます。
野田勇次を演じた田中要次さんは、永い俳優キャリアの中で意外にもこれが映画初主演。「ぼくね、映画の舞台あいさつでセンターに立つこと初めてなので」と田中さんが話すと客席からは大きな拍手が寄せられましたが、田中さんは「まんなかに立ってなにを喋ったらいいのか、ひじょうに今日心臓がバクバクしてましてね。普段は横でね、最後くらいに茶化して終われたのに、映画を背負ってなにかを言わなければならないというのは悩みますね」と初主演作公開を迎えての戸惑いも覗かせました。
また『蠱毒 ミートボールマシン』は日本公開に先駆けてすでに海外40ヶ所の国際映画祭で上映され好評を得ており、田中さんは「この作品ね、正直低予算でした。だから海外の映画祭“行けたらいいね”くらいで思っていたら、蓋を開けたらもう40ヶ所。これはなんですか? 西村監督が世界の映画祭で人気者なんですかね? ほんとに驚くくらい映画祭に招かれておりまして、ぼくもブリュッセル(ベルギー)と富川(韓国)と行ってきましたけど、すごい大盛況で、でもね、本国でどれだけ反響があるかという、今日からが勝負ですからね。予定を覆してロングランになることを祈ってますので、どうかお力お貸しください(笑)」と笑顔でアピール。
ヒロイン・三田カヲルを演じた百合沙さんも「富川に行ったんですけど、韓国のディレクターさんとかプロデューサーさんとかにお会いしたときに“私、西村監督の作品に出ているんです”というと“ああ、西村!”みたいな感じですごいいい反応をいただいて“観たよ!”とか“これから観るよ! メッチャ楽しみだよ!!”とか言ってくれて、名前を顔を覚えてもらえたというのがよかった」と海外での反応について語りました。