日本映画専門情報サイト:fjmovie.com

fjmovie.comトップページニュース一覧>田野優花さん初主演作は金子修介監督の「長年の研究の成果」 『リンキング・ラブ』初日舞台あいさつ

田野優花さん初主演作は金子修介監督の「長年の研究の成果」 『リンキング・ラブ』初日舞台あいさつ

記事メイン写真

舞台あいさつをおこなった眞嶋優さん、長谷川眞優さん、樋井明日香さん、石橋杏奈さん、田野優花さん、白洲迅さん、中尾明慶さん、金子修介監督(左より)
※画像をクリックすると大きく表示します

 AKB48の田野優花さんが映画初主演をつとめ金子修介監督がメガホンをとったタイムスリップ・コメディ『リンキング・ラブ』が10月28日に初日を迎え、丸の内TOEI2で田野さんと金子監督、共演の石橋杏奈さん、白洲迅さん、樋井明日香さんらが舞台あいさつをおこないました。

 『リンキング・ラブ』は、AKB48に憧れる現代の大学生・真塩美唯(ましお・みゆ)が、バブルの余韻も色濃い1991年にタイムスリップし、若き日の両親の恋を実らせるため、若き日の母親とともにAKB48の曲を歌い踊るアイドルグループ・ASG16を結成するというストーリー。

 美唯を演じた田野優花さんは「朝起きたときからなぜか緊張して(笑)、やっとみなさんに観てもらえるんだっていう緊張と楽しみと、ほんとに“この日を待っていました”という感じで、やっぱり反応が気になりますね。あとでツイッターでエゴサしたいと思います(笑)」と公開初日を迎えての心境を述べ、映画を鑑賞したばかりの観客のみなさんからの大きな拍手に「ありがとうございます」と笑顔で感謝。主演での映画デビューに「20歳になってからの映画、しかも主演ということで、一生に残る作品、私の宝物になりました」「もちろん映画に出たいなと思っていたんですけど、こんな早く主演をやらせていただけるとは思っていなかったので、ほんとに夢のようです」と喜びを見せる一方で「そのとき(撮影のとき)は自分のベストを尽くして撮影に挑んでいたんですけど、やっぱり“ここはこうしておけばよかったな”という反省点ももちろん見つかりましたし、それを今後に活かしていきたいと思います」と、向上心を覗かせました。

コメント写真

主人公であるタイムスリップする大学生・真塩美唯を演じた田野優花さん(AKB48)

コメント写真

美唯の母親・真塩由美子の現在と若き日の由美子を演じた石橋杏奈さん

コメント写真

将来美唯の父親となる1991年の大学生・茂手木健一郎を演じた白洲迅さん

 美唯の母親・真塩由美子役の石橋杏奈さんは、現代と過去の由美子をひとりで演じたのに加え、アイドルグループのライブシーン、さらにはアニメ版も有名な人気マンガ「うる星やつら」のヒロイン・ラムちゃんのコスプレを披露するなど初挑戦が多く「初めて尽くしで、自分の中ではボリュームがすごく濃くて楽しい現場でしたね」と感想を述べ、コスプレについては「すごく恥ずかしくて」と話しつつ「スタッフのみなさんもニコニコしていたので、振りきってやらせていただきました」と振り返りました。
 美唯の父親・健一郎の若き日を演じた白洲迅さんは、アニメファンでアイドルファンという役の設定を「探り探りではあったんですけど、結局楽しんで最後までやらせていただきました」とコメントし、石橋さんのコスプレシーンについて「石橋杏奈のラムちゃん姿をぼくは生で見ていますから。ラッキーだなと思いました(笑)」とジョークも。

 また、白洲さんによると石橋さんのラムちゃんコスプレには「けっこう監督の要望もすごくあった」そうで、金子修介監督はそのコスプレが「『ビューティフル・ドリーマー』(※1984年公開のアニメ劇場版第2作『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』押井守監督)バージョン」だったと明かし、石橋さんは「台本には“コスプレ姿で登場”としか書いてなくて、現場で本編を観て、そこで覚えて練習して、やってという感じで、けっこうこだわって」と、金子監督のこだわりの深さを感じさせる裏話を披露しました。

コメント写真

ASG16に参加するディスコ好きの大学生・北川梨奈役の樋井明日香さん

コメント写真

ASG16のメンバーのひとり・西野マリを演じた長谷川眞優さん

コメント写真

ASG16に参加する女子サッカー部主将・林田サチ江役の眞嶋優さん

 『リンキング・ラブ』の大きな見どころのひとつが、田野さんと石橋さんを含めた16人の女優が演じるアイドルグループ・ASG16がAKB48のヒット曲の数々を歌い踊る圧巻のライブシーン。ASG16を演じた女優陣は1ヶ月以上におよぶレッスンを経て撮影に挑んでおり、メンバーのひとり・西野マリを演じた長谷川眞優さんはライブシーンについて「本番の直前にすごく緊張して足がガクガク震えていたんですけど、ダンスも1ヶ月以上にわたってすごくみんなで練習して、先生方もサポートしてくださって、それが踊っている最中に走馬灯のようにバーっと流れてきて、みんなの支えがあってこの場にいるんだなと思ったらすごく感謝しましたし、終わったあと涙が止まらなくて、みんなでハグしながら泣きあったのをいまでも覚えています」と思い出を披露。
 大学女子サッカー部キャプテンでASG16のメンバーになる林田サチ江を演じた眞嶋優さんは、実際に「3歳くらいのときから、もう15年くらい」になるサッカー経験があり「オーディションのお話があって、女子サッカー部の役があるというのはわかっていたので、絶対この役やりたいと思って」演技テストの際に「(セリフを言う)その前に自分で(即興で)考えてよかったから、エアーでリフティングをしてアピールしました」とオーディションでのエピソードを紹介し「サッカーを活かせたのは嬉しかったですね」と、サッカー女子らしく語りました。

 田野さんはそんなAGS16メンバーについて「私も普段アイドルとして活動していますけど、それに全然負けないくらいみんなキラキラしていますし」と評するとともに「私、眞嶋優ちゃんが推しメンで」とアピール。「撮影中も(ダンスシーンで)優ちゃんとできるだけ目を合わせたがるというか(笑)」と撮影中の様子を語り「それくらい大好きで、ファンの方の気持ちがわかりました。推しメンを応援したいという気持ちが」と、撮影で得た「ファン心理」を明かしました。

 また、ASG16の指導役となる伝説的アイドルマニア・加賀修造役で強烈なキャラクターを演じた中尾明慶さんは「なんでぼくもやっちゃったんだろう(笑)」と自虐的に語って場内の笑いを誘い「いや、もうほんとに困りましたね」「なかなか出会わないような役だったので、自信もなかったんですけど」と役作りの苦労をうかがわせつつ、共演者からの応援の声も力となり「バッチリやらさせていただきました(笑)」と、達成感(?)を見せました。

コメント写真

大学のアイドル研究会の伝説的存在・加賀修造役の中尾明慶さん

写真

田野優花さん(一番右)に「推しメン」と名前を挙げられた眞嶋優さん(一番左)は若干照れ気味?

 映画の主な舞台となっている1991年は、この日登壇した俳優陣の多くにとって生まれる前の知らない時代。田野さんは映画で触れた当時のファッションを「古着がすごい好きなので、その時代にこの撮影の現場をお借りして行けたというのはすごく嬉しかったです。衣裳合わせのときも、古着がズラッと並んでいて“これほしい、これもほしい”って思いましたね」と語り、当時のファッションの華やかさに「派手ですよね(笑)。私が(1991年に)いてもあんまり違和感ないんじゃないかと思います、顔的に(笑)。いまの時代のほうが浮いてるんじゃないかなって(笑)」と印象を。
 髪はソバージュ、服装はボディコンという1990年代初頭を象徴するファッションのAGS16メンバー・北川梨奈を演じた樋井明日香さんは、ボディコンは「下になに着るんだろうなって」、ソバージュヘアは「私は半かつらで、前を三つ編みにして取って(ウェーブの癖を付ける)でやっていたんですけど、昔はどうしていたんですかね?」と、不思議に思うことも多かったそう。「(ソバージュとボディコンを)“似合っている、似合っている”ってみんなにすごく言われて、あんまり嬉しくない(笑)。私、ほんとに今日わかってもらえるかなって不安がありました(笑)。(髪型と服装が違って)“誰あの子?”みたいな感じになってないかなと思って(笑)」と、馴染みのないファッションで役を演じての感想を述べました。

 映画の中では、1991年公開の金子監督自身の作品『就職戦線異状なし』と当時の金子監督のコメントも登場しており、金子監督は「映画の中で言っていた“この映画(※『就職戦線異状なし』)は、若者よ豊かさに負けないでというテーマなんで”というのは(1991年に)ほんとに言っていたことなんです。それが26年経って、日本がちょっとこういう雰囲気になっているところにね、ちょっと明るく行ってみようということで、俳優さんたちものびのびやれるような環境ができるように」と語り、キャストの方々が現場の和やかな雰囲気を語ったのを受け「ほんとにいま言われたように自由にできたんじゃないかと思って、それが嬉しいですね」。そして、これまでも多くのアイドル映画を手がけた上での『リンキング・ラブ』を「ほんと、長年の研究の成果が結実したんじゃないかと思います」と笑顔で語りました。

コメント写真

脚本も手がけた娯楽映画の名手・金子修介監督

写真

白洲迅さん(中央)に質問され、ラムちゃんコスプレについて説明する金子修介監督(一番右)

 舞台あいさつは、登壇者ひとりずつのメッセージで締めくくられました。

「撮りながらね、アイドルというのはかわいさを獲得してみんなで成長していくものなんだというのがよくわかりました。だんだんかわいくなっていくんだなっていうのと、それを支えてくれた脇役のみなさんに感謝して、当然それをさらに支えてくれたスタッフのみんなにも感謝したいと思います」(金子修介監督)

「(ASG16メンバーの)練習にも一度お邪魔させていただいて、ダンスができる子も初めてやるという子もいましたし、そういう子がほんとに毎日一生懸命練習して、ときに泣いたりとかもあったかもしれないし、ぶつかったりもあったと思うんですけど、そうやってひとつの作品を作ったので、そこは今日来ている(ASG16メンバー役の)方たちだけじゃなくてね、今日来ていない子も含めて一生懸命やったので、この映画を応援するとともに、彼女たちも応援していただいて、ぼくのことは早く忘れてください(笑)」(中尾明慶さん)

「最初で最後のアイドルという気持ちで全力で取り組みましたし、女子サッカー部の、ここにはいない(出演者の)みんなも、サッカー経験はなかったんですけど、寒い冬の中、全力でサッカー部になるきるために練習しました。この作品がみなさんの心のどこかで生き続けてくれたら嬉しいです」(眞嶋優さん)

「この作品は若い方たちだけではなくて、もうちょっと大人の方たちもすごく楽しんで、観終わったあとさわやかな気分で帰っていただける作品だと思っています。あと、みんなに支えられてマリが勇気を持って(困難に)立ち向かっていけたように、生きていることに対して立ち向かっていく勇気を持ちたいという方に、なにか少しでも届くものがあればいいなと思います」(長谷川眞優さん)

「AKBさんの歌とダンスをほとんど完コピで5曲やるという経験はなかなかないと思うので、すごく貴重な楽しい体験をできたのと、やっぱりアイドルってほんとにすごいなって。歌って踊る、しかも笑顔を絶やさずっていうのは、ほんとにすごいなと思いました。いろいろな見方ができるというか、(出演者が)いっぱいいるので、何回も観ていただいて、いろんな人を注目しながら観ていただけると嬉しいなと思います」(樋井明日香さん)

「90年代というのは、バブルと同時に“アイドル冬の時代”と呼ばれていた時代というのもあって、今回こういうアイドルたちががんばって成長していく物語になっているので、周りのアイドル好きの方にも、ぜひぜひ勧めていただければなと思います」(白洲迅さん)

「この作品は今年の1、2月に撮った作品で、すごく寒いときの撮影だったんですけど、(学園祭のシーンは)外で半袖で撮ったりしていたので、初めてカイロを30枚貼ったんですね、全身に(笑)。それを用意してくれたスタッフさんもそうですし、みんなが同じ方向を向いて一生懸命作った作品だなって、すごく感じた現場でした。みなさんの心のどこかに残るような作品になっていたらいいと思います」(石橋杏奈さん)

「この映画は、現状を変えるために過去にタイムスリップして過去を変えるというストーリーなんですけど、私も初めて(完成した作品を)観たときに、未来はどうなるかわからないけどいまを全力で生きようって改めて思えたので、この映画を観て、みなさんの中にもなにか感じるものがあったら嬉しいと思います。最後までこの映画の応援をよろしくお願いします」(田野優花さん)

記事メイン写真

ASG16メンバーを演じた5人の女優陣は映画の中で披露しているAKB48の『恋するフォーチュンクッキー』の振り付けのポーズで笑顔。左より、眞嶋優さん、樋井明日香さん、田野優花さん、石橋杏奈さん、長谷川眞優さん
※画像をクリックすると大きく表示します

 舞台あいさつ登壇者のほか、落合モトキさん、加藤諒さん、益田恵梨菜さんら若手キャストから渡辺徹さん、浅田美代子さん、西村まさ彦さんらのベテラン陣まで幅広いキャストが出演、娯楽映画のひとつの王道モチーフといえる“タイムスリップ”に“アイドル”をプラスし、現代に向けパワーを届ける作品となっている『リンキング・ラブ』は、。10月28日(土)より丸の内TOEI2ほか全国ロードショーされています。

スポンサーリンク