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サッカーの裏方を演じた白石隼也さん「役者としてもいい経験」 『ホペイロの憂鬱』初日舞台あいさつ

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舞台あいさつをおこなった加治屋彰人監督、白石隼也さん、佐野史郎さん、郭智博さん(左より)
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 サッカーで用具の管理やメンテナンスなどをおこなう裏方“ホペイロ”を主人公に、プロサッカークラブ周辺で起きる事件を描いた『ホペイロの憂鬱』が1月13日に初日を迎え、角川シネマ新宿で主演の白石隼也さんと共演の佐野史郎さん、郭智博さん、加治屋彰人監督が舞台あいさつをおこないました。

 日本語では「用具係」を意味する仕事である“ホペイロ”の青年・坂上栄作が主人公の『ホペイロの憂鬱』は、作家・井上尚登さんの同名小説が原作。架空のJ3のサッカークラブ・ビッグカイト相模原を舞台に、探偵役となりクラブ周辺で起きる奇妙なトラブルを解決しようとする坂上の活躍や、クラブのJ2昇格を巡るドラマがユーモアを交えて描かれていきます。

 坂上栄作を演じた白石隼也さんは、自身もサッカー経験も持つサッカーファンで「特にJリーグが好きだったので、この映画を断るわけにはいかないなと思いましたし、サッカー選手じゃないですけど、ちょっとでもサッカーに恩返しができたらいいなという気持ちがあったりもしましたね」と出演が決まったときの心境を語り、ホペイロを勤めていた方に取材するなど実際の仕事内容を学んだ上で取り組んだホペイロ役について「サッカーをするときはもちろんプレイヤーですし、役者としてもどちらかと言うとプレイヤーなので、裏方の役というのはある意味新鮮で、みなさんが普段どういう想いでぼくらを支えてくれているのかというのはすごく感じたので、この作品を通して役者としてもいい経験をできたなと思いました」と振り返りました。

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主人公の坂上栄作を演じた白石隼也さんは、客席のみなさんに「(映画は)いかがでしたか?」と質問し、大きな拍手を浴びました

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「女優陣がわりと和やかに、みんな和気藹々とやっていた空気が印象でした」と撮影を振り返った樫井亮介監督役の佐野史郎さん

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ロケ地の相模原には「3歳から小学校卒業まで」住んでいたため、撮影は「懐かしかったです」という森陽介選手役の郭智博さん

 ビッグカイト相模原の監督・樫井亮介を演じた佐野史郎さんは、出演の依頼に「およそスポーツとは無縁の私がなぜ? みたいな気持ちもあったんですけども」と明かしつつ「チームプレイというところでは、映画を作るという作業がシナリオがあってその中でものを作っていくのと同じように、サッカーもルールは決まってるけれどどう動くかはわからない、みんなでルールを守りながら作り上げていくというところはひじょうに似ているなと思いまして、みんなとの共同作業を楽しめればと思って現場に挑んでおりました。監督ともお話しながら作れてひじょうに楽しかったです」と、撮影を通して感じた映画制作とサッカーの共通点を挙げてコメント。

 ビッグカイト相模原の中心選手・森陽介を演じた郭智博さんもサッカー経験者ですが「昔やっていましたけども、離れて10年以上経つので勘を取り戻すので大変でしたね」「身体がやっぱ動かないですよね(笑)」と、久々のサッカーに苦労もあったそう。白石さんは「郭さんは一番真面目に練習をされていて、撮影中も自主練とかをされていたので、ほんとに素晴らしい役作りだなと思って。ぼくも1回(練習に)お邪魔したことあるんですよ、一緒にボール蹴ったりして」と、撮影中の郭さんの役への取り組みを紹介しました。

 メガホンをとった加治屋彰人監督は「話し合いのもと、シーンを作っていった感じですかね、みんなと」と、出演者の意見を取り入れながら撮影を進めていたと話し「佐野さんとは1時間くらい(話し合いを)していましたよね。現場が“あ、止まった”という感じで」「ぼくも佐野さんも話をしていると声が大きくなってくるタイプで、控室でずっと話していたんですけど、その声が廊下の方に漏れ渡っていて、廊下の先でカメラを構えていた(スタッフの)みなさんが“おい、揉めてんじゃないのか”ってザワザワするくらい」と撮影中の裏話を披露し「現場が止まった」と聞いた佐野さんは「え、俺のせい?(笑)」と「(現場を止めて)すみませんでした(笑)」とお詫びの一言も。白石さんは「監督は撮るのメチャメチャ早いんで、全然時間余っているくらいだったので、佐野さんが(時間を)押したという感覚もなかったですよ」と、撮影が早いペースで進んでいたため、話し合いがあってもスケジュールに余裕があったとフォローを入れました。

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ラストシーンの意図を「“観る人に委ねます”という逃げを使うとそうなんですけど、真ん中を狙って」と語った加治屋彰人監督

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佐野史郎さん(右)が語る映画撮影中のエピソードを聞いて笑顔を見せる白石隼也さん

 白石さんは「坂上という、ある意味カッコよくない主人公の話で、ビッグカイト相模原というクラブもちょっとダサいというか、そういう意味で泥臭い男たちの話なんですけど、うまく行っていないんだけどがむしゃらに一生懸命やって、みんなでどうにかいい未来を切り拓いていこうみたいな話になっているので、この映画を観てもらって、ちょっとでも明日への活力みたいなものを受け取ってもらえたらいいなと思っています」と、加治屋監督は「タイトルが『ホペイロの憂鬱』なので、憂鬱な映画は作らないでおこうと思って、憂鬱ではない映画を作ったつもりなんですけど、仕事をする上とか生きていく上で、人によってなにが憂鬱で憂鬱でないものなのかみたいなことを、そっと感じていただけると嬉しいなと思ったりなんかしています」とそれぞれメッセージを。
 さらに白石さんは「1年くらい前にこの映画をみんなで作りまして、規模は大きい映画ではないんです。いま日本の映画って、大きいエンターテイメントの映画かちっちゃい規模の映画に二極化しているんですけど、その中でもこの映画は小規模ながらもエンターテイメントを追求した映画になっていまして、そこはある意味珍しいのかなと思っていて、そういう映画をみなさんに観ていただけて嬉しく思っています。この映画はようやく全国ロードショーとなりましたけど、またこういうみなさんと会える機会も作りたいなと思っていますし、ぜひそのためにもこの映画がちょっとでも羽ばたいて、少しでも多くのみなさんに観ていただけるよう、もしこの映画を評価していただけたのであれば、応援よろしくお願いします」と呼びかけて舞台あいさつを締めくくりました。

 舞台あいさつ登壇者のほか、水川あさみさん、永井大さん、小室ゆらさん、菅田俊さん、川上麻衣子さんらが共演、神奈川県相模原市オールロケで実在のJ3のプロサッカークラブ・SC相模原の協力を得て「サッカークラブのある街」をリアルに描いたスポーツエンターテイメント『ホペイロの憂鬱』は、1月13日(土)より角川シネマ新宿ほか、全国順次公開されます(配給:トラヴィス)。

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