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上田慎一郎監督「ゾンビになって奮闘して」とメッセージ 『カメラを止めるな!』初日舞台あいさつ

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映画の内容にちなんで舞台あいさつ登壇者みんなでゾンビポーズ! 前列左より、細井学さん、長屋和彰さん、上田慎一郎監督、濱津隆之さん、しゅはまはるみさん、真魚(まお)さん。後列左より、吉田美紀さん、浅森咲希奈さん、竹原芳子さん、大沢真一郎さん、山﨑俊太郎さん、市原洋さん
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 37分におよぶワンシーンワンカットや緻密に構成された予想もつかない展開が話題のホラーコメディ『カメラを止めるな!』が6月23日に初日を迎え、新宿K's cinemaで濱津隆之さん、真魚さん、しゅはまはるみさんら11人の出演者と上田慎一郎監督が舞台あいさつをおこないました。

 公開前より話題を集めている『カメラを止めるな!』は、俳優や映画監督の養成スクール・ENBUゼミナールによる「ENBUシネマプロジェクト」の第7弾作品。ゾンビ映画撮影のため訪れた廃墟で本物のゾンビに襲われた映画撮影チームのサバイバルをワンシーンワンカットで描いた意欲的なゾンビ映画……と思いきや、エンドロールのあとに予想外の展開を見せる前代未聞の娯楽映画となっています。

 新宿K's cinemaでは初日は3回の上映すべてチケットが完売という好調のスタートとなり、上田慎一郎監督は「本日は記念すべき初日の初回にお越しいただきましてほんとにありがとうございます」と、あいさつ。「去年の6月21日にクランクインしたんですよ。今日が6月23日なので、去年のぼくたちはほんとにいま撮影まっただ中にいた状態なんですけど、そのときはこんなことになるとは思ってもなかったので、まずそれにビックリしています」と、盛況の中で初日を迎えた心境を語りました。

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監督・日暮隆之役の濱津隆之さんは「たくさんの方の応援のおかげで今日を迎えることができました。嬉しいです。ありがとうございます」とあいさつ

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「初日でこんなにたくさんの方に来ていただけて、すごい嬉しいです」と監督の娘・真央役の真魚さん。そのあいさつに上田監督は「猫かぶってますね」

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「こんなに満席のみなさまに観ていただけて、ほんとに幸せです」というヘアメイクの晴美役・しゅはまはるみさんは、印象的な劇中の動きを生で披露

 『カメラを止めるな!』は、オーディションで俳優を選考しワークショップを経て制作された作品で、商業映画への出演が初めてのキャストも多く、ゾンビ映画の監督・日暮隆之役で主演をつとめた濱津隆之さんも「舞台を細々とやっていまして、映像はこれがほぼ初めてです」。濱津さんは映画序盤での演技について「あんまりああいうことをしないので、あそこに自分を持っていくのが大変でしたし、いい経験になりました」と振り返りました。

 上田監督は、オーディションでキャストを選ぶ際のポイントについて「ちょっとこの人は人間的に不器用やなっていうか、不出来だなって思う人をキャスティングをして(笑)。不器用な人、ポンコツな人ががんばっている映画を作りたくて、そういう人たちを選んでキャスティングしました」と笑いを交えて語るとともに、作品完成後にはキャスト自身も不慣れなSNSで作品を広めるため尽力してきたことに触れ「インスタってなに? とか、それくらいみんなわからない中で、今日までの宣伝も一緒になって走ってきました」と、ときおり声を詰まらせながら俳優陣の努力を伝えました。

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俳優・神谷和明役の長屋和彰さんは「ぼくちょっと疑問があるんですけど、ゾンビって斧使えるんですかね?」と、劇中の役柄そのままに客席に質問を

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カメラマン・細田学役の細井学さんは、劇中で口から吐き出すものが「最初のはふぐ雑炊です。レトルトの奴で。最後のは卵雑炊です」と解説しました

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ゾンビ化する助監督・山ノ内洋を演じた市原洋さんは、ゾンビ用のコンタクトがうまく入らず「テンパりながらやっていたというのが印象に残りました」

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登場人物への上田監督の視点が「愛があるって評価されているのにつながっているんじゃないかなと思っています」と俳優・山越俊助役の山﨑俊太郎さん

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「ほんとに愉快な仲間たちと撮った作品をこうやって観ていただけるのがほんとに嬉しく思ってます」とプロデューサー・古沢真一郎役の大沢真一郎さん

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「始まる前はどうなることかと思いましたけど、なんの問題もなく上映が終わりました。ほんとにありがとうございました」と笹原芳子役の竹原芳子さん

 日本での公開に先駆け『カメラを止めるな!』は4月にはイタリアのウディネ・ファーイースト映画祭、5月にはドイツのハンブルグ日本映画祭で上映され好評を得ており、笹原芳子役の竹原芳子さんは「前回の上映(2017年11月の6日間限定お披露目上映)のときに、上田監督が“世界へ行ったらいいな”と言っていたんですけど、半年経って、ほんとに現実になりました。みなさんほんとにありがとうございました」とコメント。

 また『カメラを止めるな!』の見どころのひとつである序盤の37分におよぶワンシーンワンカットは、上田監督によると「テイク6回」で撮影したそうで、リテイクの原因の多くはキャストのNGではなく技術的なトラブルが多かったとのこと。
 タイムキーパーの吉野美紀を演じた吉田美紀さんは、劇中で“なにか”を走って運ぶ場面で「すっこけて頭を打って脳震盪を起こして」途中で運べなくなりそうになるアクシデントがあったことを告白し、上田監督は吉田さんのトラブルをほかのキャストがアドリブでつなぐなど、完成した作品には「計算したものではなくてガチ」のトラブルがいくつも映っており「そういうのが混在してわからないと思うんですけど」と、挑戦的な作品ならではのドキュメントのような部分も含まれていることを明かしました。

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作品が「こんなに自分たちの知り合いじゃない方たちにまで届いてるというのが嬉しかったです」と、新人カメラマン・松浦早希を演じた浅森咲希奈さん

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「すぐ蘇ってくるような苦労もあったし、苦労以上に嬉しさがあるメンバーなので、よかったっすね(笑)」と、タイムキーパー・吉野美紀役の吉田美紀さん

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脚本も手がけた上田慎一郎監督。劇中の重要な部分が「それまで1回も成功できなく、本番で初めて成功したんですよ」と、現場の奇跡を感じさせました

 そしてこの回の上映には、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭で作品を観てから応援しているという笠井信輔アナウンサーが観客として来場しており、なんと笠井アナは宣伝スタッフの呼び掛けで急遽舞台あいさつの司会を担当することに。笠井アナは「マズいんですよね(笑)」と困惑しつつも上田監督が担当番組に出演した「お礼ですわ、お礼」と司会を引き受け、客席のみなさんや取材陣に向け「“飛び入りで、強制的に司会をやらされている”と書いてくださいね(笑)」とアピールしました。

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観客として作品を観にきていたところ、宣伝スタッフの呼びかけにより「飛び入りで、強制司会させられた」笠井信輔アナウンサー

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舞台あいさつ終盤には監督の息子さんほか登壇しなかったキャストやスタッフも加わって記念のゾンビポーズ

 上田監督は「今日までみんな走って作ってきましたけど、今日からまた新たな一歩ということで、(試写などで)観たお客さんがどんどんお客さんを連れて来てくれたりとか応援いただいている作品で、ありがたく思っています。今日、感染していただいた方は、ぜひほかにも感染者を出していただけるように、ゾンビになって奮闘していただければ思います」と作品の内容にちなんだメッセージで舞台あいさつを締めくくりました。

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舞台あいさつの締めくくりには、上田慎一郎監督の「カメラを!」の音頭で客席も一緒に「止めるな!!」と大合唱
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 舞台あいさつ登壇者のほか、秋山ゆずきさんらが出演し、驚き、笑い、そして感動もしてしまうという異色のエンターテイメント作品『カメラを止めるな!』は、6月23日(土)より新宿K's cinemaと池袋シネマ・ロサにて公開中。新宿K's cinemaでは連日トークイベントが開催されるなど、両劇場とも公開期間中にはさまざまな企画が実施されます。

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