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花澤香菜さん、初挑戦のホラーアニメは「虫が綺麗」 『アラーニェの虫籠』初日舞台あいさつ

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舞台あいさつをおこなった坂本サク監督、バトリ勝悟さん、福井裕佳梨さん、花澤香菜さん、白本彩奈さん、伊藤陽佑さん(左より)
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 「たったひとりで制作する長編アニメ」として話題の長編ホラーアニメ『アラーニェの虫籠』が8月18日に初日を迎え、シネ・リーブル池袋で主人公の声を演じた花澤香菜さんはじめキャストと坂本サク監督が舞台あいさつをおこないました。

 『アラーニェの虫籠』は、これまで短編作品が国内外で高く評価されアニメ・実写問わず多くの作品に参加してきた坂本サク監督が、監督・原作・脚本・アニメーション・音楽の一人五役をつとめ、制作工程のほぼすべてをひとりで担い完成させた作品。巨大集合住宅に引っ越してきた女子大生・りんを主人公に、集合住宅の周辺で起こる不可解な事件とりんが目撃する「虫」の謎が描かれていきます。

 作品はダークな雰囲気ですが、りんの声を演じた花澤香菜さんは舞台に登場すると「みなさんこんにちはー!」と明るくあいさつ。『アラーニェの虫籠』は花澤さんにとって初のホラー作品出演で「私自身、お化け屋敷とかも怖いタイプなんですけど、声優をやっていたらいずれホラー作品に関わることもあるんじゃないかなと思っていたので、ついに来たかと」と、オファーを受けたときの心境を振り返り「でも、(作品に)関わってみて、りんちゃんってわりと普通の大学生なんですよね。なので演じるときは入りやすかったので、そこは良かったなと思いましたね」と、演じたキャラクターについて話しました。

 坂本サク監督は「脚本から絵コンテを起こして、動画作画と3Dと背景美術、編集に至るまでひとりで作らせていただきました。本編内のサウンドトラックは(監督自身が)作っているんですけど、音響効果については大変実績のあるスタジオにお願いして、優秀なSE(サウンドエフェクト)のデザイナーの方についていただいて作っていただいております」と、その多岐にわたる制作作業を説明し「実質、1年半ちょいですかね」という制作期間中はひとりだけで作業する時間も多いため「けっこう寂しいですね(笑)」と、個人制作ならでは苦労を明かしました。

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印象に残ったシーンについて「綺麗だなと思うような女性の描き方。特にりんちゃんは綺麗ですよ」とりん役の花澤香菜さん。その描き方の美しさを伝えるため「りんちゃんのボディの描き方がほんっとにエロい! そう見せるというわけではなくて、醸しだされるというか」という表現まで

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奈澄葉役の白本彩奈さんは印象に残ったシーンに予告編にも使われている「キー的なセリフがいくつも出てくる」奈澄葉とりんが出会うシーンを挙げ「苦労したというか、このシーンが一番大切だなと思ったので、間(ま)を大切にやらせていただいたので、そこが一番のポイントではありますね」

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桐花役の福井裕佳梨さんはあえて自分の役のシーンは挙げず「怖い作品なのでハラハラしている部分があるんですけど、すごく光が美しいシーンがあって、斎恩(さいおん)さんが現れているシーンとか、光というのが怖いのにすごく綺麗で見とれちゃうというか、そういうところが印象的でした」

 作品の見どころを質問されると、花澤さんは「やっぱり虫ですかね。虫が綺麗なんですよ、とっても。なので、虫が苦手だなという方でもガン見できる虫です」と、作品の大きな要素である「虫」を挙げ、坂本サク監督によるヴィジュアルは「怖いところもあるんですけども、画集みたいなのが欲しくなるほどの素敵な」とコメント。

 同じく作品の見どころについて、謎めいた中学生の少女・奈澄葉(なすは)の声を演じた白本彩奈さんは「監督がほんとに細部までこだわって作った映画なんですね。キャラクターにしても音響にしても絵のタッチだったりにしても、ほんとにみなさんが気づかないくらい細部まで監督がこだわっているので、たとえば好きなキャラクターを見つけてそこに注目して楽しんでいただいたり、音響を好きな方はそこに注目していただいたり、絵に注目していただいたり、ひとりひとり違った楽しみ方、いろいろな楽しみ方があるので、自分なりの楽しみ方を見つけて、ぜひいろんな角度からこの映画を楽しんでください」、りんと同じ集合住宅に住む主婦・桐花(きりか)の声を演じた福井裕佳梨さんは「絵がほんとに素晴らしくて、全部おひとりでされているなんて信じられないような状況なんですけど、あとは監督の世界観というか、すごく雰囲気が楽しめると私はすごく思いました。自分の気持ちによっていろいろ見え方も変わってくるような気がするので、今日ご覧になって、もう一度また観たくなる方もいるかもしれないと思いました」と、それぞれ坂本監督の作り出す世界の魅力を挙げました。

 登場時のあいさつで大ヒット中の某作品のタイトルを出して笑いを誘った民俗学研究家・時世(ときよ)役の伊藤陽佑さんは、見どころについても「カメラを止めない感じですね」とジョークを織り交ぜながら「坂本監督のほかの作品も観ていて思うのは女性の描写。予告編にもあった、(奈澄葉が)踊るというかそういう感じのシーンがあるんですけど、そのときの繊細な描写だったり、ファンタジックな感じが好きですね。すごく見とれると思います」と真面目な回答も。
 不可解な行動をとる青年・未可耶(みかや)役のバトリ勝悟さんは「先ほども(福井さんが)監督の世界観とおっしゃっていたんですけど、ひとりでいろいろなところから作っているのでこだわりがすごく残っていて、どう考えさせるかとか、どう感じさせるかというのがすごく詰まっていると思うので、その絵の動きだったりとか、ぼくらの演技もディレクションしてくださったのは監督なので、そこにもぜひ注目していただきたいと思います」と、作品に詰まった監督のこだわりをアピールしました。

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福井さんのコメントを受け「照明表現というのは、すごく繊細で柔らかいというか、そういう表現が印象に残っていたり」という時世役の伊藤陽佑さん。「自分の役としても(本編製作前に伊藤さんナレーションで制作された)最初の予告編で、一番苦労したので、そこが一番印象的でしたね」

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「“そのセリフがここに関わっていたんだ”というのがけっこう出てくるので、そこに注目してほしいな」と未可耶役のバトリ勝悟さん。また予告編での未可耶出演シーンの演出に「“カッケー自分!”と思っちゃいまして、この演出いいなって(笑)」と思ったそうで「自分勝手ですいません(笑)」

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「普段、狭いところでコツコツとやっている身からすると、こうやって立派な劇場で大勢のみなさまを目の前にすると圧倒されているんですけど」と坂本サク監督。「ぼくが口下手なばっかりにキャストのみなさんに気を使っていただいて恐縮です(笑)」と、登壇のキャストに感謝も

 花澤香菜さんは「この大スクリーンで繊細な監督のアニメーションを観られるって、すごい特別な時間だなと思います。ぜひ楽しんでいただければなと思っています。怖いんですけど、でも吸い込まれるように観てしまう演出的な作品です。キャラクターに過去があったりとか、いろいろ“ここはこうつながるんだ”とか、観ているとアッという間に終わってしまうので、ゆっくり自分の中で解釈しながら楽しんでいただければと思っております。そして、一度と言わず、二度三度と観ていただければ嬉しいです。怖いのダメという人も連れてきちゃって大丈夫だと思います(笑)」というメッセージで舞台あいさつを締めくくりました。

 舞台あいさつ登壇者のほか、片山福十郎さん、土師孝也さんらが出演、日本公開に先駆けてプレミア上映がおこなわれたカナダのファンタジア国際映画祭でも好評を得た『アラーニェの虫籠』は、8月18日(土)よりシネ・リーブル池袋、シネ・リーブル梅田ほか全国順次ロードショーされます。

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