前列左より、結城亜実さん、瑚々(ここ)さん、竹内詩乃さん。広橋佳苗さん。後列左より、田中ユウイチさん(藍坊主=あおぼうず)、HOZZYさん(藍坊主)、きいたさん、勝又悠監督
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平均年齢15.8歳の少女5人の“ドキュメンタリー×ショートムービー”『私たちは、』(8月3日公開)の試写会が7月30日にユーロライブで開催され、出演者の竹内詩乃さん、瑚々さん、広橋佳苗さん、結城亜実さんと勝又悠監督らが舞台あいさつをおこないました。
『私たちは、』は、撮影時の平均年齢15.8歳だった5人の若手女優が勝又悠監督のもと1本の短編映画に取り組む姿を追った作品。前半はレッスンやキャスト発表など約半年間に密着したドキュメンタリー、後半は5人の女子高生が『大人になりたくないツアー」と名付けた小さな旅に出る短編映画『私たちは、』で構成されています。
上映前に舞台に登場した出演者4人は「きっとこの映画はみなさんの思い出に残る映画になると思うので、楽しんで観ていただきたいです」(竹内詩乃さん)、「この映画は思い入れが深い作品なので、観ていただけたら嬉しいです」(瑚々さん)、「今日はスペシャルなゲストの方々も来てくださっていますので、夏休みの楽しい1ページにしてくれたら嬉しいです」(広橋佳苗さん)、「この時間がみなさんの夏休みの思い出として心に残ってくれたらとっても嬉しいです」(結城亜美さん)と、それぞれあいさつ。
映画が撮影されたのは一昨年の春で、撮影から2年を経て上映を迎えた心境を、竹内さんは「撮った期間がけっこう長くて、その間、けっこうつらいこととか多かったりしたんですけど、やっとみなさんの目に触れて、観ていただくことができてとても嬉しいです」とコメント。
瑚々さんは、よくない言い方だけどと断りつつ「私はこの映画が贅沢な成長記録だと思っていて、とっても懐かしいなって思うこともあれば、すごい恥ずかしいなって思うこともたくさんあって、私のこの気持ちとか、みんなのそれぞれの気持ちをいろいろ共有してほしいなと思います」。
広橋さんは、ドキュメンタリー部分では5人が衝突する様子もカメラに収められていることに触れ「最初のところではみんながぶつかり合うみたいな、その集大成が最後の映画にまとまって、最後に感動的なシーンが流れますので(笑)、ぜひそこをみなさんに楽しんでいただけたらなと思います」と映画を通じての関係性の変化が見どころとアピール。
撮影時には高校生だった結城さんは「いまはもう20歳目前なんですけど、学生のときよりも“大人になりたくないな”って気持ちがすごく高まっていて、同世代の人も、私のお母さんとかの世代の人にも共感してもらえる作品だなって思うので、この映画を観て少しでも共感してもらえる部分があればメチャ嬉しいなって思います」と、映画のキーワードである“大人になりたくない”という感情に触れてコメントしました。
勝又悠監督は、4人が監督から見てどんな子であり、どんな女優さんだったかを質問されると、まず広橋さんについて「ムードメイカーでもあり、すごい気の遣える方ですね。お芝居に関してもすごい一生懸命で。ぼくがなんか困ったときにいつも助けてくれるような、この歳(撮影時は14歳)なんですけども、現場ではすごく心強くて、ひじょうに助けていただきました」とと回答。
同様に竹内さんについては「いまでも変わらないんですけど、とにかく負けず嫌いで、他人に負けることが大嫌いな性格なんですね。これからお見せする『私たちは、』という映画の中にもその片鱗がたぶん映っているので、ぜひそこはお楽しみにしていただけたらなと思います」と話しました。
瑚々さんについて監督が「陰で努力をする方なので、いつも飄々としていて“全然やってきてないですよ”みたいな感じで、でも明らかに絶対やっただろうなって」と話すと、瑚々さん本人が「ほんとにしてないんですよ、そのときって。でも褒められちゃうから、これってやっぱり才能があるんだなと思いますね」と自己申告し、場内に笑いが起こる中で勝又監督も「そういうことにしておきましょう。才能があると」と認定。
結城さんについて監督は「一番エモいんですよね、存在が。この物語の中枢にある、大人になるにつれての痛みだったり苦しさだったり、決して喜びではない部分というのを彼女を観ているとすごく感じるんですよね。ある種の生きづらさではないんですけど、日々生活をしていく上でどうしてもぶつかることって多いと思うんですよ、こんくらいの年齢というのはつねに劣等感があって葛藤があるので。そういうのが一緒に接しているとダイレクトに感じてきて“いま、この子はこれで悩んでいるのかな”とか、撮影をしていて、ぼくはもうオッサンなんですけど、あの時期にタイムスリップをして、いろいろ話を聞いていたような気分です」と、印象を語りました。
映画の主題歌「伝言」を演奏する藍坊主のHOZZYさん(左)と田中ユウイチさん
出演者と監督のトークに続いては、主題歌「伝言」を歌うバンド・藍坊主のボーカル・HOZZYさんとギターの田中ユウイチさんがゲストして登場し、主題歌「伝言」をアコースティックギターとボーカルだけの生演奏で披露。
歌とギターだけにもかかわらず情感たっぷりな演奏が終わると、竹内さんは「もう素直に感動しました。この映画の主題歌っていうこともあって、ドキュメンタリーを撮っている間も毎日聴いて励まされていた曲なんですけど、久々に聴いて懐かしいなって思いました」と出演者を代表して感想を述べました。
そして勝又監督は「この映画は、本来ぼくらが見せるべきではない“がんばっている姿”とか“なにかにひたむきに努力をしている姿”、これはぼくらは客商売をしているわけで、お客さまあってのものなんですね。だから決してそういう部分を見せてはいけないんですけど、なぜそこをあえてわざわざ記録して1本の映画に仕上げたかと、そこにちょっと意味があります。『私たちは、』って(タイトルに)句読点があるんですけど、その先というのはぼくらとみなさん、一緒に着地したいなという気持ちがありまして、こういうタイトルにしました。ぜひ、みなさんの中でその句読点の先を考えていただけたらと思います」と、上映前の舞台あいさつを締めくくりました。
舞台あいさつでは出演者4人に監督から花束が贈られました。花束を持つ結城亜実さん、瑚々さん、竹内詩乃さん、広橋佳苗さんと、勝又悠監督(左より)
上映終了後には、インターネット番組などで注目されている現在19歳のモデル・きいたさんが登壇。観客のみなさんと一緒に映画を鑑賞したきいたさんは「一番最後のシーンで感動しちゃって、ぼくも同じような位置に立つ人間として、すごい共感できる部分もあったりして、すごい感動しました」と作品の感想を述べ、同世代の方たちへ向けて「(同世代の人には)ものすごく刺さると思うし、ぼくたちと同じ仕事をしている人たちはほんとにみんなが経験する感情だったり、そういうものだったリアルだと思うので、ぼくはまだこの仕事を始めて全然経っていないんですけど、すごく共感する部分があったので、ほかの方が観ても絶対、たぶん若い方たちも多くいると思うと思うんですけど、大人になるにつれて感じることもたくさんあると思うので、観ていたらいいと思いました」とメッセージを送りました。
同世代として作品の感想を述べるきいたさん(中央)と、結城亜実さん、瑚々さん、竹内詩乃さん、広橋佳苗さん
竹内詩乃さん、瑚々さん、広橋佳苗さん、水原雅さん、結城亜実さん5人の若手女優の放つものをドキュメンタリーと短編映画で映像に焼き付けた『私たちは、』は、5人の先輩である女優の相楽樹さん、藤江れいなさん、花影香音さん、主題歌「伝言」の作詞・作曲者である藍坊主のベース・藤森真一さんが出演。8月3日(土)より新宿K's cinemaほか全国順次公開されます。