8月に東名阪3都市で同時開催される「夏のホラー秘宝まつり2019」上映ラインナップ第3弾として“【ニュー・ウェイブ・オブ・フレンチホラー】ムーブメント”を検証するドキュメンタリー『BEYOND BLOOD』の上映が発表になりました。
21世紀初頭フランスでは、アレクサンドル・アジャ監督『ハイテンション』(2003年)、ザヴィエ・ジャン監督『フロンティア』(2007年)、パスカル・ロジェ監督『マーターズ』(2007年)、ジュリアン・モーリー監督『屋敷女』(2008年)など、激しい暴力描写やスプラッタ描写を含むホラー作品が多数生み出されました。
世界中の多くのホラーファンから熱い支持を集めたこれらの作品群はその後のホラー映画の方向性に大きな影響を与えることになり、また、アレクサンドル・アジャ監督は『ミラーズ』(2008年・米)、ジュリアン・モーリー監督は『レザーフェイス 悪魔のいけにえ』(2017年・米)を監督するなど、監督たちはいずれもハリウッドに招かれ作品を手がけています。
フランスで突如勃発し、ホラーというジャンルに留まらず映画の歴史に大きな1ページを刻みつけた【ニュー・ウェイブ・オブ・フレンチホラー】ムーブメント。『BEYOND BLOOD』は、その熱狂から約10年を経たいま、このムーブメントを検証するドキュメンタリー映画です。
監督は、ニューヨークを拠点に映画評論家として活動し、200人を越える国際的な監督や俳優にインタビューした経歴を持つ小林真里(こばやし・まさと)監督。小林監督自らが監督や俳優、スタッフなど総勢22人におよぶ“【ニュー・ウェイブ・オブ・フレンチホラー】ムーブメント”関係者に突撃取材を敢行し、そのムーブメントの背景に迫ります。
『BEYOND BLOOD』出演者
- アレクサンドル・アジャ(『ハイテンション』『ヒルズ・ハヴ・アイズ』監督)
- アレクサンドル・バスティロ(『屋敷女』『リヴィッド』『レザーフェイス』監督)
- ジュリアン・モーリー(『屋敷女』『リヴィッド』『レザーフェイス』監督)
- パスカル・ロジェ(『マーターズ』『トールマン』『Ghostland』監督)
- ザヴィエ・ジャン(『フロンティア』『ヒットマン』『コールド・スキン』監督)
- ベアトリス・ダル(『屋敷女』主演)
- アリソン・パラディ(『屋敷女』主演)
- クロエ・クールー(『リヴィッド』主演)
- オリヴィエ・アフォンソ(『リヴィッド』『レザーフェイス』特殊メイク)
- ジャック・ケッチャム(ホラー作家:「隣の家の少女」「オフシーズン」ほか)
- マイケル・ギンゴールド(ファンゴリア誌の元編集長&ベテラン映画評論家)
- ジョー・ベゴス(『人間まがい』『マインズ・アイ』監督)
- テッド・ゲイガン(『喰らう家』『Mohawk』監督)
- ジョシュ・ジョンソン(『VHS テープを巻き戻せ!』監督)
- フォスト・ファズロ(フランスのホラー誌「MAD MOVIES」編集長)
- コラリー・ファジャー(フランスの新鋭。『REVENGE リベンジ』監督)
- パコ・プラサ(『REC』『エクリプス』監督)
- 山口幸彦(『ミートボール・マシン』『血を吸う粘土』プロデューサー)
- 伊東美和(映画ジャーナリスト)
- コリン・ゲデス(プロデューサー / 元トロント国際映画祭名物プログラマー)
- アレクサンドラ・ウェスト(フレンチホラー本「Films of the New French Extremity」著者)
- ピーター・クプロウスキー(トロント国際映画祭ミッドナイトマッドネス・現プログラマー)
『BEYOND BLOOD』は、すでに第51回シッチェス・カタロニア国際映画祭(Sitges - Festival Internacional de Cinema de Catalunya:スペイン)や、第11回レイザー・リール映画祭(Razor Reel Flanders Film Festival:ベルギー)、第26回ジェラルメ国際ファンタスティック映画祭(Festival international du film fantastique de Gérardmer:フランス)など、世界各地のファンタスティック映画祭に正式招待され、ホラー映画のムーブメントを通して2001年に起きた“9.11”の影響やフランス映画界の封建的な姿勢への疑問、フランスのフェミニズム文化といった社会問題にも切り込んだ視点が高く評価されており、満を持しての「逆輸入上映」となります。