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松本動監督がロサンゼルス日本映画祭で同映画祭初となる長編・短編同時ノミネートの快挙

 国内外の映画祭で高い評価を得ている松本動(まつもと・ゆるぐ)監督が、10月に開催される第15回ロサンゼルス日本映画祭で、同映画祭史上初となる長編・短編両部門への監督作品同時ノミネートを果たしました。

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 ロサンゼルス国際日本映画祭(Japan Film Festival Los Angeles)=JFFLAは、日本映画界の新しい才能の発掘を発見し、ともに成長・発展することと、日米の文化交流を促進することを目指して開催される映画祭。近年では『カメラを止めるな!』(2018年/上田慎一郎監督)『銃』(2018年/武正晴監督)が受賞するなど、最新の日本映画の潮流を紹介しています。
 例年はロサンゼルスの複数の会場で開催されていますが、2020年は新型コロナウイルス感染症拡大の状況を考慮しオンライン開催が決定。10月1日より4日までの4日開催され、コンペティション部門16作品のほか、招待作品として今関あきよし監督『恋恋豆花』(2019年)、白羽弥一監督『みとりし』(2019年)、斎藤工監督『COMPLY+-ANCE』(2020年)などが上映されます。

 今回、コンペティション部門にノミネートした松本動監督作品は、東日本大震災で被災した障害を持つ人々と支援する人々の姿を事実にもとづいて描いた長編『星に語りて~Starry Sky~』と、公衆電話からの着信で始まる娘と父親の物語である短編『公衆電話』。
 『星に語りて~Starry Sky~』は第37回日本映画復興奨励賞を受賞、『公衆電話』は国内外の50近い映画祭で上映されグランプリを含め数多くの賞を獲得しており、両作品とも高い評価を得てのJFFLAでの上映となります。

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『星に語りて~Starry Sky~』より

【『星に語りて~Starry Sky~』特報】
作品ポスター

星に語りて~Starry Sky~ (英題:Talking to the Starry Sky)

  • 監督:松本動

  • 製作統括:西村直
  • 企画:藤井克徳
  • 脚本:山本おさむ
  • 音楽:小林洋平
  • 撮影:鈴木雅也
  • 照明:古橋孝映
  • 録音:西岡正巳
  • 美術:津留啓亮

  • 制作プロダクション:ターゲット
  • 製作:きょうされん

  • 出演:要田禎子 螢雪次朗 今谷フトシ 植木紀世彦 枝光利雄 菅井玲 入江崇史 宮川浩明 生島ヒロシ 赤塚真人、ほか

  • 2019年/カラー/アメリカンビスタ/DCP/5.1ch/115分

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『公衆電話』より

【『公衆電話』予告編】
作品ポスター

公衆電話 (英題:PAY PHONE)

  • 脚本・監督:松本動

  • 撮影:池田直矢
  • 録音:西岡正巳
  • 音楽:鈴木光男
  • 助監督:大滝朋恵
  • ヘアメイク:清水美穂
  • 衣裳:杉本京加
  • タイトルデザイン:東かほり

  • 出演:菅井玲 入江崇史 貴玖代

  • 2018年/カラー/シネマスコープ/Full HD/ステレオ 2ch/15分47秒

 また、今回のJFFLAでは、今年4月に旅立たれた故・大林宣彦監督の業績を讃える特別記念上映もおこなわれます。
 同映画祭では2013年に大林監督作品が特集上映され大林監督も現地を訪れトークショーをおこなっており、今回の特別記念上映はその過去の経緯もあり急遽決定したもの。日本でも上映中の最新作『海辺の映画館-キネマの玉手箱』(2019年)をはじめ『野のなななのか』(2014年)『ふたり』(1991年)の3作品が上映されます。
 松本動監督は近年制作された大林監督作品のうち2作品に携わっており(※)、上映作『野のなななのか』でも助監督と予告編制作を担当。今回のJFFLAは松本監督にとって自作のノミネートに加え携わった作品が上映されるという、深い縁のあるものとなっています。(※今回の上映作以外では2017年『花筐/HANAGATAMI』で監督補佐をつとめ闘病中であった大林監督に代わり一部の演出も手がけ、予告編も制作)

 ノミネートにあたり、松本監督はつぎのようにメッセージを発表していrます。

松本動監督メッセージ

記事写真 この度、数多くの応募作品の中から、私が監督を務めました「星に語りて~Starry Sky~」と「公衆電話」をノミネート作品に選出していただき、1作品でも嬉しい事ですが、まさか2作品も選んで頂けるなんて、驚きと共に、心より感謝しております。
長編の「星に語りて~Starry Sky~」は、今回が海外プレミアとなる記念すべき映画祭となります。これを皮切りに、この映画で描かれた東日本大震災における知られざる真実を、世界中の方々に知って頂ける機会が増える事を願っております。
短編の「公衆電話」については、国内外の映画祭への参加が50ケ所目となり、こちらも記念すべき映画祭となりました。
そんな予期せぬ嬉しいWノミネートのお陰で、忘れ難き思い出深い映画祭となりましたが、それに輪を掛けて嬉しい事は、私が助監督として最後に従事した大林宣彦監督の特別記念上映が決定したという事です。上映される「野のなななのか」では助監督で従事し、予告編の制作もさせて頂きました。これも映画の神様の思し召しなのだろうと、感慨深い思いでおります。
今後も、『Japan Film Festival Los Angeles』の益々のご発展を、心よりお祈り申し上げます。

 松本監督はフリーの助監督として様々な作品に携わるとともに、自ら監督する短編作品をコンスタントに発表して高い評価を得てきました。
 現在は監督に専念し、JFFLAで上映される『星に語りて~Starry Sky~』や短編作品を送り出しており、新作として新型コロナウイルス感染症による自粛帰還中に完全リモート撮影により制作された劇場用長編映画『2020年 東京。12人の役者たち』や、同作の劇中短編で自粛解除後に独自の感染防止ガイドラインを作成しいち早く撮影された短編『パレット』の制作が進行中です。

 長編・短編同時ノミネートという快挙を成し得た松本監督。気鋭の監督の作品が日米をつなぐ映画祭でどのような反応を得られるのかも期待されます。

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