上西雄大監督と奥山和由プロデューサーがタッグを組んだ『西成ゴローの四億円』が、日本公開に先駆けロンドン国際映画祭で外国語映画部門の最優秀作品賞と最優秀主演男優賞をダブル受賞。上西監督は『ひとくず』に続き同映画祭2年連続受賞となります。
先ごろ製作が発表された『西成ゴローの四億円』は、主演もつとめた『ひとくず』が2020年に公開され高い評価を受けた上西雄大監督と、多くのヒット作・話題作を送り出してきた奥山和由プロデューサーのタッグが送る新作長編映画。大阪を舞台に、記憶を失い西成で日雇い労働者として働く元・政府諜報機関の工作員・ゴローが、難病の娘の手術ために四億円を稼ぐ姿が前後編で描かれていきます。
製作発表記事で詳しくお伝えしたとおり、上西監督が『ひとくず』同様に主演もつとめ、津田寛治さん、奥田瑛二さん、石橋蓮司さん(後編に出演)ら豪華キャストが顔を揃えています。
ロンドン国際映画祭はミラノ国際映画祭、マドリッド国際映画祭などとともにFilm Fest Internationalを構成する映画祭のひとつで、今年度は3月15日より19日までオンラインで開催。外国語映画部門で最優秀作品賞と最優秀主演男優賞を『西成ゴローの四億円』(前編)が受賞しました。昨年の同映画祭では『ひとくず』が同じく外国語映画部門最優秀作品賞と最優秀主演男優賞を受賞しており、上西監督は2年連続のダブル受賞という快挙になります。
受賞にあたり上西監督は次のようにコメントしています。
上西雄大監督コメント
昨年は、ロンドンの地で『ひとくず』のキャスト・スタッフと共に受賞の喜びに歓喜しました。
今年は、僕にとって『ひとくず』と等しく命の意義を抱く作品『西成ゴローの四億円』が外国語長編部門のグランプリを、僕に最優秀主演男優賞を頂きました。正に心から歓喜しております。
映画のために様々な想いをしました。
そして今、映画が僕の人生に生きる意義を授けてくれています。
現在、受賞作品『西成ゴローの四億円』の後編を大阪・西成にて、全力と全幅の注意を払う安全対策の元、撮影しております。どうぞご期待ください。
上西監督のコメントにあるとおり『西成ゴローの四億円』は受賞した前編に続く後編の撮影が現在進行中。今回の受賞で作品への期待が一層高まります。
現代社会の闇の部分や人間の“情”を根底に、リアルな人間模様を味わえるマネー・クライム・エンタテインメントになるという『西成ゴローの四億円』は、2021年全国ロードショー予定です。
『西成ゴローの四億円』ストーリー
大阪の西成に住む生活保護受給者の日雇い労働者・土師悟朗(上西雄大)。西成では「人殺しのゴロー」と異名を持っている男。だがゴローには、なぜそう呼ばれているのか、西成で日雇い住まいなのかが分からない。ゴローは、記憶喪失者だった。
あるイザコザからハングレ達に襲われたゴローは頭に大怪我をし、その手術から一部記憶が戻る。連絡を受けて病院を訪れた元妻・片桐真理子(山崎真実)と再会するが、娘が難病で心臓移植以外に助かる方法が無いこと、その費用は海外渡航費も含め四億円が必要だということを知る。しかも、父親が殺人犯だということが治療費の援助を受ける障害となっていた。妻は大学教授の仕事を絶たれ、SM の風俗嬢をしながら娘の延命費を稼いでいたのだ。
ゴローは、その現実に悶え苦しむ。そして、その四億円を稼ぐことを固く決意するのだった。
ゴローは元日本政府諜報機関ヒューミントの工作員だっだ。チームの任務失敗により負傷し、その傷により記憶を失ったのだった。その事を利用されチームの責任を負わされて殺人罪で服役、家族も失い刑務所で5年を過ごす。その後、特赦により出所し、気が付けば現在の西成の暮らしをしていた。
断片的だがその記憶を取り戻したゴローのもとに、昔の同僚だったヒューミントの日向誠也(津田寛治)が現れる。日向は、大金を稼ぎたがっているゴローにヒューミントの下請けを持ちかける。ゴローは娘のために仕事を引き受け、再び闇の道を歩き出す。その先には、とてつもない力をもつフィクサー・莫炉脩吉(奥田瑛二)との闘いが待ち受けていた。
四億円を稼ぐゴローの日常が、いま、始まる。