全国順次公開が続き台湾でも公開される金子雅和監督作品『リング・ワンダリング』が7月23日より池袋シネマ・ロサにて凱旋上映されることが決定。合わせて金子雅和監督の過去作などを上映する特集上映も開催されます。
金子雅和監督の長編第2作となる『リング・ワンダリング』は、五輪開催を控えた東京を舞台に、漫画家志望の青年が不思議な女性・ミドリとその家族との出会いを通して、東京の土地に刻まれた過去の記憶に触れていく幻想譚。主人公を出演作公開が続く笠松将さん、ヒロインを阿部純子さんが演じるほか、安田顕さん、片岡礼子さん、長谷川初範さんらが出演し、漫画家の森泉岳土さんが劇中漫画を手がけています。
インド・ゴアで開催された第52回インド国際映画祭でグランプリにあたる金孔雀賞を受賞し国内外で期待が高まる中で2月17日に東京のシアター・イメージフォーラムで公開され、リピーターが続出するなど好評を得て、公開から4ヶ月経った現在も東京での再上映ほか全国38以上の劇場で順次公開されています。
7月23日土曜日からは、池袋シネマ・ロサで東京では3度目の公開となる凱旋上映が決定。2週間にわたる上映期間には、金子監督の過去作を中心とした特集上映も同時開催され、過去作など『リング・ワンダリング』を含む10作品が制作年代順にA、B、C、D、4つのプログラムに分けて上映されます。
Aプログラム「初期作品」は、8mmフィルムで撮影された金子監督の処女短編『AURA』(1998年)、16mmフィルム作品の『ショウタロウの涙』(2000年)、映画美学校修了制作作品で金子監督初の劇場公開作となった『すみれ人形』(2007年)の3作品。
Bプログラム「水と動物」は、作家・乙一さんの同名小説を映像化した『失はれる物語』(2009年)、ビートメイカー・OCTOPODの同名曲のミュージックビデオ『It Ends Slowly in Summer』(2010年)、きりゅう映画祭助成作品『水の足跡』(2013年)、“復元師”の男が登場するシリーズ2作目となる『逢瀬』(2013年)の4作品。
Cプログラム「木と石と幻獣」は、世界各国の映画祭で20に及ぶ賞を獲得した初長編『アルビノの木』(2016年)と、現在進行中の’新作企画のパイロットフィルム『水虎 パイロット版』(2021年)の2作品。
Dプログラム「円環」が『リング・ワンダリング』凱旋上映となります。
初期作品から新作のパイロット版までまさに金子監督の足跡を過去から未来にまでたどる10作品。2020年の京都映画企画市で優秀映画企画に選ばれパイロット版が制作された『水虎 パイロット版』は、2021年の東京国際映画祭で初上映されたほか映画祭など限られた場でしか上映されておらず、今回の上映は劇場で一般上映される貴重な機会となります。
今回の上映にあたって製作されたフライヤーはB5サイズふたつ折りで、中面には『リング・ワンダリング』に寄せられた各界著名人のコメントnews06_rw-rosaが記載されたものとなっています。
『リング・ワンダリング』凱旋上映&金子雅和監督特集フライヤー中面
また、凱旋上映と特集上映のための予告編も解禁されました。新たに製作された予告編は第52回インド国際映画祭での授賞式の映像で幕を開け『リング・ワンダリング』の劇中映像に続き、特集で上映される作品の映像が紹介されるものになっています。
『リング・ワンダリング』で初めて金子監督作品に触れた方も、以前より金子監督作品に触れてきた方も、初期から最新作まで一貫する金子監督のテーマやモチーフを確認できる凱旋上映と特集上映は7月23日土曜日より8月5日金曜日まで2週間にわたり開催。23日より5日間は4プログラムを日替わりで上映、29日金曜日以降は『リング・ワンダリング』上映となっています。
また『リング・ワンダリング』は6月3日金曜日より東京のシモキタ エキマエ シネマ K2、6月17日金曜日より北海道のディノスシネマズ苫小牧・旭川・室蘭、6月25日土曜日より新潟のシネ・ウィンド、7月2日土曜日より群馬の前橋シネマハウスなど、シネマ・ロサでの’上映以外も全国順次公開中。
さらに、7月8日より台湾の台北・台南・桃園など複数都市の映画館で劇場公開され、7月7日に韓国・富川で開幕するアジア最大規模のファンタスティック系映画祭・第26回富川国際ファンタスティック映画祭で招待上映されるなど、海外の映画祭での上映も予定されており、国内外でさらに注目が高まっています。