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第34回東京学生映画祭で河村陸監督・中山響一監督・はるおさき監督の作品が各部門グランプリ受賞

 東京・渋谷のユーロライブで3日間にわたり開催されていた第34回東京学生映画祭が8月20日に閉幕し、グランプリはじめ各賞が発表されました。

 東京学生映画祭は、全国から学生の製作した映像作品を募集しておこなわれる、日本で最も長い歴史を持つ国内最大規模の学生映画祭。
 34回目となる今回は8月18日より20日までユーロライブで開催され、実写長編部門5本、実写短編部門8本、アニメーション部門8本の入選作が6つのプログラムに分けて上映されました。
 最終審査はゲスト審査員によっておこなわれ、実写長編・短編部門では清水崇監督、石井岳龍監督、首藤凜監督、アニメーション部門では幸洋子監督、原恵一監督と、第一線で活躍する映画監督・映像作家がゲスト審査員をつとめました。

 各賞は、20日の授賞式で発表。
 実写部門では、河村陸監督『ペットボトルロケットが飛んだら終わり』が長編部門グランプリ、中山響一監督『Chasing My Dream』が短編部門グランプリを受賞したほか、長編部門から高木万瑠(たかぎ・まる)監督『USE BY YOUTH』、短編部門からハインズ麻里子監督『タピオカ学入門』が、それぞれ審査員特別賞を受賞しました。
 アニメーション部門では、はるおさき監督『いずみのこえ』がグランプリを受賞。張宇軒(ZHANG Yuxuan)監督『La nuit des illusions~迷走の夜~』が審査員特別賞(幸洋子賞)を受賞しました。
 また、実写短編部門の伊藤遥香監督『万年幻想曲』が観客によって選ばれる観客賞を受賞しました。

第34回東京学生映画祭受賞作品

実写部門

  • 長編部門グランプリ『ペットボトルロケットが飛んだら終わり』(2023年)河村陸監督(東京大学大学院)
  • 短編部門グランプリ 『Chasing My Dream』(2023年)中山響一監督(武蔵野美術大学)
  • 審査員特別賞『USE BY YOUTH』(2023年)高木万瑠監督(武蔵野美術大学)
  • 審査員特別賞『タピオカ学入門』(2023年)ハインズ麻里子監督(早稲田大学)

アニメーション部門

  • グランプリ 『いずみのこえ』(2023年)はるおさき監督(東京藝術大学大学院)
  • 審査員特別賞(幸洋子賞) 『La nuit des illusions~迷走の夜~』(2023年)張宇軒監督(東京造形大学)

観客賞

  • 『万年幻想曲』(2023年)伊藤遥香監督(武蔵野大学)※実写短編部門入選作
【第34回東京学生映画祭実写長編部門グランプリ作品『ペットボトルロケットが飛んだら終わり』予告編】

 長編部門グランプリの『ペットボトルロケットが飛んだら終わり』は、ふとした興味からペットボトルロケットを作りはじめた大学生の青年が主人公の作品。河村陸(かわむら・りく)監督は、映画美学校フィクション・コースで映画製作を学んだ東京大学大学院生。本作は、PFFアワード2022入選作『バンド』(2022年)に続く本格的な監督作第2作となります。

 短編部門グランプリの『Chasing My Dream』は、ある日を境に自分の周囲に違和感を感じるようになった青年の物語。中山響一監督は武蔵野美術大学映像学科で学び、今年2023年に同大学を卒業。現在は故郷の徳島での映画製作に向け構想を進めています。

 アニメーション部門グランプリ『いずみのこえ』は、呼吸によって安息の地を見つける少女の姿を描いた7分の短編アニメーション。はるおさき監督は武蔵野美術大学映像学科を経て東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻で学んでいます。

【第34回東京学生映画祭アニメーション部門グランプリ受賞作『いずみのこえ』予告編】

 映画祭は8月20日で閉幕しましたが、入選作の一部は各種映像サブスクリプションサービスでの配信がスタートしており、家庭での鑑賞が可能。過去のグランプリ受賞作を含む入選作品の一部も配信がおこなわれています。

 過去には青山真治監督、熊澤尚人監督、中村義洋監督、月川翔監督、小泉徳宏監督、山戸結希監督ら、日本映画界で活躍する監督たちが参加経験を持つ東京学生映画祭。今回の受賞監督たちの今後の活躍、そして今後も映画を通じて学生たちの可能性を発掘し学生と映画界とをつなげていく東京学生映画祭の発展も楽しみです。

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