伊礼姫奈さんが「義足のモデル」を演じる緒方貴臣監督の新作『シンデレラガール』(11月18日公開)の特報映像と場面写真、筒井真理子さん、辻千恵さんら共演キャストのコメントが解禁されました。
伊礼姫奈さん主演『シンデレラガール』特報&場面写真解禁 筒井真理子さんら共演者のコメントも
『シンデレラガール』は、実際の育児放棄事件をもとにした『子宮に沈める』(2013年)やネットの声に追い詰められる高校生を主人公にした『飢えたライオン』(2017年)など、社会に鋭い視点を向ける作品を送り出してきた緒方貴臣監督の新作。
子どものころに病気で片脚を切断した高校生でモデルの音羽(おとは)が、自らの義足をポジティブなものとして捉えるようになっていく心の変化が描かれていきます。
主人公の義足のモデル・佐々木音羽を演じるのは、幼いころから女優として活躍し、ドラマと映画で展開した『推しが武道館いってくれたら死ぬ』(2023年)のアイドル役で注目を集めた伊礼姫奈(いれい・ひめな)さん。
さらに、音羽に大きな影響を与えるデザイナー・五十嵐衣織役に『淵に立つ』(2016年/深田晃司監督)などで数々の賞に輝く筒井真理子さん、音羽のマネージャー・木村唯役に『たまつきの夢』(2021年/田口敬太監督)主演の辻千恵さんら、多彩なキャストが共演しています。
解禁された特報映像は、筒井真理子さん演じるデザイナー・五十嵐が、画面には映っていない音羽に目を留めるカットで幕を開け、義足のモデルとして活躍する音羽やマネージャーの迷いや葛藤を感じさせる場面などが続き、印象的な「立ち上げれシンデレラ。あなたには魔法も白馬の王子様も必要ない」というメッセージ、そして松葉杖を使いながら歩く音羽の後ろ姿が映し出されていきます。
合わせて解禁された場面写真も、特報映像と同様音羽の迷いや葛藤を感じさせる場面に加え、クラスメイトや看護師、医師たちと和やかな時間を過ごす音羽の日常も切り取られています。
また、公開決定のニュースとともに発表された主演の伊礼姫奈さんと緒方貴臣監督のコメントに続き、共演キャストのコメントが公開されました。
辻千恵さん、筒井真理子さんのほか、テレビドラマ「個人差あります」(2022年)などに出演し『シンデレラガール』では音羽の入院先の看護師を演じた泉マリンさん、ネット配信短編映画「私もただの女の子なんだ」(2021年/YP監督)主演で病院の医師を演じた太田将熙さん、大河ドラマ「どうする家康」などに出演し音羽の母親を演じた輝有子(きい・ゆうこ)さん、第2回スターオーディションファイナリストで音羽のクラスメイト役の佐月絵美さん、210万人以上のSNSフォロワー数を持つインフルエンサーで同じくクラスメイト役の三原羽衣(みはら・うい)さん、恋愛リアリティ番組などに出演する同じくクラスメイト役の田口音羽(たぐち・おとは)さんが、作品へのそれぞれの想いをコメントに綴っています。
主人公・音羽のマネージャー・木村唯役:辻千恵さんコメント
小さい頃ぼんやり人と違うなと思っていることを受け入れることは時間がかかったりする。それが障害ならなおさら。そこでモデルという選択をする音羽の度胸にハッとさせられます。そんな音羽に自分の信念すら変えられてしまうのが唯です。マネージャーという仕事を業務的にこなしていた日々が一変してからは音羽のためなのか自分のためなのかわからない言動もしますが必然だったように思います。自分が役者という仕事に携わり、このタイミングで唯に出会えてよかったと思います。本当の人の魅力というものをぜひ劇場で見ていただきたいです。
音羽の入院先の看護師・八神桜役:泉マリンさんコメント
以前から監督の作品が好きだったので、作品が決まった時は凄く嬉しかったです。それと同時に、今の自分に何が出来るのかと緊張感がありました。
初めて脚本を読んだ時、私たちは自分自身の「違う」部分を恐れずに、それを強みとして活かすことができるという希望のメッセージを感じました。
音羽の幸せ。ただただこれだけをずっと願っています!
八神桜役を演じる上で、音羽の感情や心の変化を近くで見守り、心の拠り所のような存在でありたいなと考えました。
作品を通して、生き方や価値観について考えるきっかけになるかもしれません。是非、劇場でご覧ください!
音羽の入院先の医師内藤重樹役:太田将熙さんコメント
当事者にとっていかに普遍的なものであったとしても、外的な要因によってその普遍性が崩れることは多いと思っています。音羽は日常を共にしてきた“義足”に対し“モデル”という多数の目に触れる仕事により初めて別の角度から向き合うことになったと思います。
監督はオーディション募集要項で「義足モデルの一枚の写真を見て格好良いと思った」と仰っていました。
偏見が無い人はいないと僕自身は思っていて、義足というものをあえて描くことも一つの偏見にあたるかもしれません。しかし多様性を訴える今の社会において、まず物事への本質的な理解の前に第三者からの興味、知ることが必要だと思っています。
かといって押し付けるわけでもなくソリッドに描いています。
演じる内藤重樹はこの映画において、シンデレラに対して王子様としての役割がありました。
緒方監督が義足のシンデレラ、王子様を今作でどう描いているか、映画館で観ていただけたら幸いです。
音羽の母親・佐々木多佳子役:輝有子さんコメント
一人の少女が自分の身に起こったことを受け入れ、その人生の中で自分の存在をどこに求めるのか。
伊礼さん演じる娘の音羽に自分でいることの真摯さ強さを分けてもらいました。
義足であること、障害があることの前に凛として立ちそこに生きる娘の姿に母である私もまた肯定してもらったように思います。
音羽のお母さんでいれて何より幸せな時間でした。
緒方監督が描いたシンデレラを是非是非劇場でご覧ください!
音羽のクラスメイトで仲良しグループのメンバー・小野朱里役:佐月絵美さんコメント
義足や義手など、目に見える障がいもそうですが、内面的な目に見えない障がいをお持ちの方も世の中たくさんいらっしゃるかと思います。本作は、そんな世界で、見える壁を作らないこと、それらに対して、違った目線を向けないことについて訴えられているように感じました。
監督と役についてお話しした際、「朱里は、音羽の義足について何とも思っていない。それが親友の朱里とみんなとの違い」と伝えられました。わたしはそれを聞いた際、驚き、しばらく経っても消化することができませんでした。けれど、日常で考えたとき、電車の中や買い物など、苦労する場面でもいい意味で音羽を特別に扱わない子なんだろうなと思い、考え方が変わっていきました。それがその人のカタチであること。今回の場合は義足ですが、それがその人の一部であり、個性であることを念頭において、この作品に参加しました。
タイトルからは想像できないほど、世の中の概念を覆す、強いメッセージを受ける作品だと思います。ぜひ、劇場でご覧ください。
音羽のクラスメイトで仲良しグループのメンバー・美咲役:三原羽衣さんコメント
私がもし義足だったらと考えた時、周りの人にネガティブに捉えられていると、自分も世間一般の普通ではないと悲しくなってしまうと思います。
でもその人自身の人生であって、一人の人間として普通に接するのは大切なんだなと撮影を通して私自身も考えされられました。
美咲は、義足を可哀想という考え方をしている大半の人間のうちの一人です。
音羽の親友である朱里はクラスメイトで唯一音羽に普通に接してた子なので、そことの対比を上手く見せればなと思い、撮影に挑みました!
世代問わず考えされられる映画だと思いますので、是非、劇場でご覧下さい!
音羽のクラスメイトで仲良しグループのメンバー・七海役:田口音羽さんコメント
自分の考え方や行動、周りの人達の支えであんなにも人生が変わり、ポジティブに生きられるようになると、夢を叶えようと一生懸命頑張る音羽が教えてくれる映画だなと思いました。
七海は、最初はテレビで音羽の事を見てから友達になりたいと思い音羽に話しかけたけれど、その後は七海なりに音羽の義足のことを理解して接してあげるとても優しい子だと思い演じました。親友ぐらい音羽に近い存在ではなかったけれど、1人の友達として音羽のことを支えている大切な役割だと思いました。
義足で生活している方が身の回りに居ないと、あまり関心を持たず生きていくと思います。実際私もそうでしたが、この映画に出演したことで、もしかすると明日自分もそうなるかもしれない、他人事ではないと思いました。この映画を鑑賞した時に、彼女のようにたとえ義足でも夢を叶えたいという気持ちは私達と同じで日々生きているんだなと思いました。その現実、音羽やその周りの支えてくれる家族、友人の気持ちを受け止め、私も夢を諦めず頑張ろう、日々この気持ちを忘れずに大切に精一杯生きていこう、そう思えた映画でした。是非、劇場でご覧下さい。
デザイナー・五十嵐衣織役:筒井真理子さんコメント
緒方監督の『子宮に沈める』を初めて拝見した時のことをよく覚えています。
定点カメラによる母親のネグレクトの生々しい映像とその姿が心にこびりつきました。『飢えたライオン』ではオファーを頂き、誰もが被害者にも加害者にもなりうる現代の物語で、とても刺激的な現場でした。そして今回、再びご一緒させて頂きました。
障がいを超えて、その先の一個人としてのアイデンティティーの確立、自立を促す役には重い責任を感じました。また、最初に脚本を読んだ時、この映画にはある仕掛けが施されていてとても実験的だと思い、完成が楽しみになりました。
皆さんも劇場でご覧ください。
より多くの観客に作品を届けるため、全国公開に向けてのクラウドファンディングもスタートしています。クラウドファンディングは豊富な実績を持つプラットフォーム・Motion Galleryで10月20日23時59分まで実施。支援は1000円より可能で、前売り券やキャストのサイン入り台本など、支援額によりさまざまなリターンが用意されています。
→クラウドファンディングページ
撮影監督の根岸憲一さんら精鋭スタッフが参加、緒方監督流の「現代のシンデレラの姿」を観客を惑わす大胆な手法も用いて描いていく『シンデレラガール』は、11月18日土曜日より東京の新宿K’s cinemaほか、全国順次公開されます。
『シンデレラガール』ストーリー
12歳の時に病気で⽚脚を切断した音羽。その後も⼊退院を繰り返し、中学校の卒業式にも参加できなかった。そんな⾳⽻のために、クラスメイトたちがサプライズの卒業式を病院の屋上でして、その動画がSNSで話題になり、音羽にモデルのオファーが舞い込む。義⾜の⼥⼦⾼校⽣モデルという特異性もあり、一時的に注⽬されるも、その後のモデルとしての仕事は義⾜を隠したものばかりだった。
⼀⽅、マネージャー・唯は、⾳⽻と一緒に義足のファッションブランドで「義足を障がいの象徴でなく、個性として捉えてほしい」という理念を聞き、⼼を動かされる。義⾜をもっと押し出していこうと決める二人。やがてファッションショーに出演できるチャンスがやってくるが…
シンデレラガール
- 伊礼姫奈
辻千恵 泉マリン 太田将熙 輝有子
佐月絵美 三原羽衣 田口音羽 山本海里 梶刀織
アライジン 小関翔太 イトウハルヒ 中村颯夢 嶋貫妃夏
筒井真理子 - 監督:緒方貴臣
- 脚本:脇坂豊/緒方貴臣
- 撮影監督:根岸憲一
- 照明:佐藤仁
- 録音・MA:岸川達也
- 助監督:中根克
- 美術:ぐちこ/榎本桜
- スタイリスト:後原利基
- ヘアメイク:Risa CHINO
- 小道具:伊藤由紀
- 編集:澤井祐美
- 音楽:田中マコト/菱野洋平(WALL)
- 制作:杉山晴香/箱田准一/長谷川穣
- 義足監修:臼井二美男
- グラフィックデザイン:木下デザイン事務所
- プロデューサー:榎本桜/緒方貴臣/塩月隆史/杉山晴香/夏原健/森山風歩
- 製作:paranoidkitchen/リアルメーカーズ/ラフター
- 配給:ミカタエンターテイメント
- 2023年/カラー/16:9/5.1ch/61分
2023年11月18日(土)新宿K's cinema ほか全国順次公開