映画製作プロジェクト「感動シネマアワード」から生まれた山﨑果倫さん主演の青春幻想譚『夢の中』(都楳勝監督)が5月10日より公開されるのを前に、予告編と新たなサブヴィジュアル、各界著名人の推薦コメントが解禁されました。
また、同作公開を記念した上映企画「感動シネマアワードフェスティバル」の開催も発表されています。
5月10日公開『夢の中』美しく危うい予告編とサブヴィジュアル解禁 著名人の絶賛コメントも
「感動シネマアワード」は、現在のエンターテイメント界で活躍する多くの俳優が所属する芸能事務所・レプロエンタテインメントの主催により、同事務所所属の新進俳優が主演する映画の企画を募集した企画コンペティション。
2020年4月にグランプリ受賞作6作品が決定し、これまでに植田雅さん主演『階段の先には踊り場がある』(2021年/木村聡志監督)、福地桃子さん主演『あの娘は知らない』(2022年/井樫彩監督)、堀家一希さん主演『世界は僕らに気づかない』(2022年/飯塚花笑監督)、 宮沢氷魚さん主演『はざまに生きる、春』(2022年/葛里華監督)、うらじぬのさん主演『炎上する君』(2022年/ふくだももこ監督)の受賞作5作品が映画化され劇場公開されてきました。
そのグランプリ受賞作6作品の劇場公開ラストを飾るのが『夢の中』。短編『蝸牛』(2019年)がMOOSIC LAB2019短編部門でグランプリを含む4冠を獲得した都楳勝(つうめ・まさる)監督のオリジナル脚本による作品で、ひとりの女性と彼女の部屋に匿われている青年を中心に、夢と現実の境界が曖昧な中で物語が淡く浮かぶ上がっていくような、不思議な手触りの作品となっています。
儚くどこか危うげな主人公・藤野タエコを演じるのは、テレビドラマ「隣の男はよく食べる」(2023年)などに出演し、本作意外にも主演映画『輝け星くず』(2024年/西尾孔志監督)の公開を控える山﨑果倫(やまざき・かりん)さん。
そして、タエコの部屋に匿ってもらうカメラを持った青年・松島ショウ役には『君に幸あれよ』(2022年)で映画監督デビューも果たした櫻井圭佑さん。ショウと関わりのあるモデルの女性・根元アヤ役にテレビドラマや映画で活躍する山谷花純さん、カメラマンの藤澤優一役に『教誨師』(2019年/佐向大監督)で注目を集めた俳優・演出家の玉置玲央(たまおき・れお)さん。充実の俳優陣が顔を揃えました。
このほど解禁されたサブヴィジュアルは、建物の屋上に佇むタエコの後ろ姿、湖に入るタエコと岸から彼女を見るショウ、部屋の浴槽で向き合うタエコとショウという、作品を象徴するような美しい場面を切り取った3点。このサブヴィジュアル3点を使用したB3サイズのポスターが、来場者特典として上映劇場(一部劇場を除く)で数量限定でプレゼントされます。
予告編は、タエコとショウ、ふたりの登場人物だけに焦点を当て、それぞれの意味深げなダイアローグと音楽が、映像と相まって不穏さと穏やかな美しさを同時に感じさせるような、映画本編の魅力を伝える映像となっています。
さらに、作品に寄せられた絶賛のコメントも解禁されました。
『あつい胸さわぎ』(2023年)のまつむらしんご監督、山﨑果倫さん主演作『輝け星くず』の西尾孔志監督、オムニバス『桃まつり presents うそ』(2010年)などの船曳真珠監督、第13回田辺・弁慶映画祭5冠監督作『おろかもの』(2019年)の芳賀俊監督らの映画監督や、都楳勝監督の『蝸牛』に出演しているアーティストの小日向ひなたさん、ロックバンド・Lenny code fictionのボーカルで映画好きで知られる片桐航さん、モデルの風歌さんら、各界の著名人がそれぞれの視点で作品の魅力を語っています。
俳優:岩谷健司さんコメント
謎な展開と映像美にスッと引き込まれて行くうちに、ふと、自分が若かった頃の閉塞感や絶望感、ずっと曇天続きで鬱々としていた日々が甦ってきて、まるであの頃に観た悪夢の中を彷徨っているようだった。
映画監督:まつむらしんごさんコメント
この映画を観る数日前に『幻想と混沌の美を求めて』というタイトルがついたデイヴィッド・リンチの本を読み終えたばかりだった。なのでどこか運命的なものを感じた。
夢と現実が交差する多重構造を使いながら、実体のない愛を描こうとする挑戦的な映画だと思った。夢も嘘。現実も嘘。愛も嘘。そして映画もまた嘘。
嘘にまみれた暗闇の中でしか、案外、小さな光は見つけられないのかもしれない。この映画が発見した光が、誰かの暗闇を照らしますように。
イラストレーター:平泉春奈さんコメント
タイトルの通り、夢そのものみたいな映画だった。サイレンや水の音、日常の雑音の中にポツリポツリと会話がこぼれていく。生きることを諦めながらもどこかに救いを探す2人の感情が、夢と現実の境界線を曖昧にしていく。
だんだん見てるこちら側も思考が停止していき、流れゆく映像に身を委ね、会話一つ一つの深い意味など考えなくなる。
夢想的な感覚が続く中、女の子が初めて顔を歪めて涙を流す瞬間、主人公たちと一緒に私の心も夢から醒めた。あるモノローグと一緒に見せる穏やかな表情の女の子に、心底ホッとした。一年に数回ほど見る忘れられない夢、そんな映画だった。
ミュージシャン:片桐航さん(Lenny code fiction)コメント
主人公ショウがみている夢を観ているのか、彼が過ごす現実を観ているのかわからなくて最初は探ろうとしたけど探ってる自分がチープに思えるくらい夢の中の表現が上手すぎて入り込めました。何を理由に夢か現実かわからない状態になってしまったのか、その部分についての物語回収もしっかりされていて時間以上の見応えがあった。
夢に「望んでいる事」という意味が入ってる事が僕たちが生きているこの現実世界のミスリード。それを疑った上でその一歩先にまで行った初めての作品だと思いました。
観終わった後に街を歩き、以前ここに来た事が夢だったか現実だったか一瞬迷いそうになった時、この映画に心ごと浸れたんだなと実感しました。
モデル:風歌さんコメント
映画を見終わった瞬間、深い闇の中から自分がぽわっと浮かび上がったような気分になった。
夢と現実の間を揺れ動くストーリーの中でのタエコとショウのやり取りに深く引き込まれ、自分自身の心が、感覚が、失われるような、不思議な夢の中の世界を味わう映像体験。
けれど見終わった後、そこに居なかったはずの自分の心が少し救われたような気がした。
アーティスト:小日向ひなたさんコメント
ゆらゆらとした不確かな輪郭の中にある確かな孤独。息を吸うほどに、もがくほどに、痛く苦しいのならば、何とも向き合わず、何も感じない方が幾らかマシだ。生きていると、そんなことを思う瞬間が誰にでもあるはず。
逃げてもいい、眠ってもいい。けれど、人は触れるとあたたかく、涙も確かな熱を持つ。美しい音楽、けたたましいサイレン。 スッと世界に引き込まれて、ハッと目醒めるような作品でした。
目を眇めるような光では無く、暗闇にぼうっと射すような、柔らかく、図々しくない希望の光がとても心地よかったです。
俳優:森優作さんコメント
題名の通り、いろんな夢を垣間見ました。それは良い夢なのか、悪い夢なのか。
いつも何かに夢を抱きながらこの仕事をしている自分もふと、今夢なんじゃないか、って思ったり思わなかったり。すごく綺麗な映像が、そんな不安定なものに一つの希望を与えている気がしました。
映画監督:船曳真珠さんコメント
眼ざすことを恐れる男と眼ざされることを恐れる女、そして眼ざし眼ざされることを拒絶する女。この三人が織りなす視線の網に、私たちは知らぬ間に捕らわれる。都楳勝は前作同様、現代のエロスの混乱を写し出し、迷宮をさまよう快楽を与えてくれる。
映画監督:高橋広吏さんコメント
最後まで監督の独特な世界観に引き込まれる幻想的な作品でした。二人が出会い、互いの感情と記憶に触れ、理解し合う過程で生まれる美しくも儚い瞬間は、生きていることの証。彼女の欠けた感情を埋めようとしている姿は、心を打たれました。
心の奥深くを探る旅は、きっと彼女が向く方角に未来があるのでしょう。
映画監督:西尾孔志さんコメント
家の中/外ヅラの区別だけじゃなく、やれアバターやらアカウントやらと、今を生きる私たちは小さく小さく自分を切り分けて、複数の顔で生活している。素性のわからない女・タエコもきっと、切り分けた顔をすり減らし、どこかに置いてきてしまい、気がついたら自分らしい顔が一つも残ってなかったのではないか。
まるで機械か幽霊のようにうつろで顔のないタエコを演じる山﨑果倫の、いよいよ最後の表情を見るためにこの世の全てがあるのかもしれない。そういう贅沢を楽しむ映画があっていい。僕は大いに酔った。
映画監督:芳賀俊さんコメント
タイトルで宣言された通り、夢現を彷徨い歩くような映画体験だ。儚くも芯のある眼差しの山﨑果倫と共に過ごす奇妙な時間には、都楳勝監督の前作「蝸牛」と同じく粘り気のある毒が通低音として流れている。都楳監督の世界はどこか甘くグロテスクで、そんな世界の中で山谷花純が主人公と観客の心に爪痕を残していく。
この映画が提示する『感動』は一般的な意味のありきたりな感動ではなく、観客の心の深い所に知らぬ間に作用する何か底知れないものだ。その『感動』は、あなたの耳元で『夢から醒めよ』と囁く。
また 『夢の中』公開を記念した「感動シネマアワードフェスティバル」が5月4日土曜日と5日日曜日に東京の浅草九劇で開催されることも発表されています。
「感動シネマアワードフェスティバル」では、劇場公開に先駆けた先行上映となる『夢の中』を含めた「感動シネマアワード」グランプリ受賞作品6作品全作を上映。作品上映に加え、監督や出演者が登壇するトークイベントも各作品上映後におこなわれます。
フェスティバルの詳細は、浅草九劇公式サイトの公演情報ページに掲載されています。
感動シネマアワードフェスティバル
- 開催日:5月4日(土)・5日(日)
- 会場:浅草九劇
- 主催:レプロエンタテインメント
5月4日上映スケジュール
- 『はざまに生きる、春』11時15分開場/11時30分開映/13時15分~ トークセッション(登壇:葛里華監督)
- 『炎上する君』14時15分開場/14時30分開映/15時15分トークセッション~ (登壇:うらじぬのさん)
- 『世界は僕らに気づかない』16時15分開場/16時30分開映/18時25分~ トークセッション(登壇:後日発表)
5月5日上映スケジュール
- 『階段の先には踊り場がある』10時455分開場/11時00分開映/13時15分~ トークセッション(登壇:木村聡志監督)
- 『あの娘は知らない』14時15分開場/14時30分開映/15時50分~ トークセッション(登壇:後日発表)
- 『夢の中』16時45分開場/17時00分開映/18時10分~ トークセッション(登壇:山﨑果倫さん・都楳勝監督)
- ※トークセッション童男者は予告なく変更となる場合があります
- ※チケットなど詳細は浅草九劇公式サイトの公演情報ページに掲載されています
新しいかたちの映画作りを提案する企画から生まれた、気鋭の俳優と監督による6作品。そのトリを飾る、危うくおぼろげな青春幻想譚『夢の中』は、5月10日金曜日より、東京のアップリンク吉祥寺ほか、全国順次公開されます。
『夢の中』ストーリー
「俺のこと、ここで匿ってくれない?」血まみれで息を切らす男・ショウに声をかけられたタエコ。生気がなく虚ろな瞳の彼女は、部屋に入る彼に「私の最期、綺麗に撮ってください」とお願いする――。何から逃れてきたのか。その願いは本当に望んでいるものなのか。二人は時間を共有するうちに、夢とも現実ともつかない、お互いの感情と記憶が交ざり合う奇異な世界に引き込まれていく。タエコが、ショウが、目を背けてきたものを前に、表情を変えていく。何が本当で嘘なのか、当たり前と思っていたあの安らぎも、この苦しみも。
夢の中
- 山﨑果倫 櫻井圭佑
アベラヒデノブ 金海用龍 森崎みのり
玉置玲央 山谷花純 - 脚本・監督:都楳勝
- 音楽:若狭真司
- 撮影:上野陸生
- 照明:佐藤仁
- 録音:五十嵐猛吏
- 美術監督:相馬直樹
- 衣装:中島エリカ
- ヘアメイク:藤原玲子
- 装飾:桑田真志
- 水中撮影:河瀬経樹
- 特機:後藤泰親
- 編集:岸川雄大
- 助監督:國領正行
- 制作担当:三谷奏
- VFXスーパーバイザー:大見康裕
- タイトル:田中佑佳
- スチール:持田薫/北圃莉奈子/福田啓道
- 企画・プロデュース:菊地陽介
- 宣伝デザイン:鴨川枝理
- 企画・製作・制作プロダクション・配給:レプロエンタテインメント
- 配給協力:インターフィルム
- 2023年/カラー/ステレオ/65分
2024年5月10日(金)より アップリンク吉祥寺 ほか全国順次公開