俳優・田村魁成さんが主演とプロデュースをつとめた野本梢監督の新作中編『思い立っても凶日』が6月に大阪・東京で公開されるのを前に、映画監督・俳優らからの応援コメントが公開されました。
田村魁成さん主演・プロデュースの野本梢監督『思い立っても凶日』に著名人が応援コメント
『思い立っても凶日』は、高校時代についてない1日=凶日の記憶を持つ青年・田上誠が主人公。高校時代から想い続ける女性の気を惹こうと奮闘する誠が、やがて凶日の真実に気づいていく姿が描かれていきます。
映画やテレビドラマ・舞台などで活躍し、野本梢監督作品『彼女たちの話』(2022年)に出演している田村魁成(たむら・かいせい)さんが、自らプロデュースする主演作の監督を野本監督に依頼したことで生まれた作品で、ストーリーには田村さんのキャラクターや特技を活かされ、野本監督には珍しくコミカルな要素を盛り込みつつもほろ苦さを残す青春コメディとなっています。
共演には、主人公の誠と腐れ縁で女子フットサル部のキャプテンだった横山未生役に『オーガスト・マイ・ヘヴン』(2024年/工藤梨穂監督)『うってつけの日』(2023年/岩崎敢志監督)に主演する村上由規乃(むらかみ・ゆきの)さん、誠が恋い焦がれる相手・高山秋保役には『アイスと雨音』(2017年/松居大悟監督)でデビューし(※田中怜子名義)『浮かぶ』(2021年/吉田奈津美監督)では主演をつとめた田中なつさん、さらに吉川流光(よしかわ・りゅう)さん、榎本桜さん、藤主税(とう・ちから)さん、三浦健人さんら、実力派キャストが揃っています。
2023年にTAMA NEW WAVE「ある視点」で上映され一般公開が待たれていた『思い立っても凶日』が、いよいよ6月1日より7日まで田村魁成さんの出身地・西成に近い大阪・十三のシアターセブンで、6月15日より21日まで東京の新宿K's cinemaで、それぞれ上映。
上映を前に、作品への応援コメントが公開されました。
コメントを寄せているのは、映画批評家の相田冬二さん(Bleu et Rose)、『ほとぼりメルトサウンズ』(2022年)『とりつくしま』(2024年)などを監督するほか数々の作品の宣伝デザインも手がける映画監督・デザイナーの東かほりさん、監督作『アワ・ブリーフ・エタニティ』(2009年)『モダン・ラブ』(2017年)のほか映画プロデュースも手がける映画監督の福島拓哉さん、『棒たおし』(2003年/前田哲監督)『春色のスープ』(2008年/瀬木直貴監督)などの脚本家・松本稔さん、『凪の憂鬱』(2023年/磯部鉄平監督)や連続テレビ小説「ブギウギ」(2024年)などの俳優・辻凪子さん、インディーズ映画シーン振興のために活躍する映画活動家の松崎まことさんの6名。
相田冬二さんが「これは、あなたの記憶をあたらしくする映画だ。」、福島拓哉さんが「運が悪い男のやけくそな推進力に、魅了された。」、松本稔さんが「稀少な原石を発見した気分だ。」と評するなど、それぞれの視点で作品の魅力が語られています。
Bleu et Rose/映画批評家:相田冬二さんコメント
美化もトラウマも同じ。
ある若い俳優に教えてもらったことがある。
わたしたちはいつだって、自分に都合よく傷つき高揚する。
でももし見間違えた過去を、まる洗いすることができたなら。
これは、あなたの記憶をあたらしくする映画だ。
映画監督・グラフィックデザイナー:東かほりさんコメント
いやなことはいいことのまえふり。
赤ちゃんが夢中になるように箱ティッシュはどうしようもなく彼を刺激していく。
人生と恋の猛ダッシュ。今日からの上り坂はしあわせを見逃さない道になる。
映画監督:福島拓哉さんコメント
不幸が似合う。
ずっと「最悪や」って言っててほしい。
ダメなやつのくせにすごくバカというわけでもないところがイラっとする。
だから、ずっと不幸でいてほしい。
こいつを見下していたい。
と思ってたのに、いつの間にか主人公を応援してしまっていた。
運が悪い男のやけくそな推進力に、魅了された。
きっと僕のフォーメーションがボックスで、田村魁成の個の力に突破されたのだと思う。
脚本家:松本稔さんコメント
田村魁成が自分自身の不甲斐なさを晒け出した映画だ。
観る者が自分と主人公とを置きかえざるを得ない状況になり、思わず……。
お楽しみはこれからだ。
田村魁成は、渾身愛と過剰な葛藤で破壊力を生み出し映画という世界を一点突破した!
稀少な原石を発見した気分だ。
俳優:辻凪子さんコメント
人生落選ばっかりや!
でもこの主人公は吉日が来るまで挑戦を止めないんだと思う。私もそうなりたい。
村上由規乃ちゃんの静かな関西弁が切なくも心地よかった。
映画活動家・放送作家:松崎まことさんコメント
言霊の強迫…
曖昧な記憶…
無闇な自己肯定…
そんな凶々しい事々に
自ら囚われた男が、
周囲にもその呪いを振りまくお話。
企画・プロデュースを兼ねた
主演俳優・田村魁成のキャラ的にも、
ストレートなおバカコメディと思いきや、
さすがは野本梢監督!
久々に陰キャなダークサイドを
垣間見せてくれました。
引きずり続けた過去を乗り越えようとする若者たちの姿を描く『思い立っても凶日』は、6月1日土曜日より7日金曜日まで大阪のシアターセブンで(1日・2日は18時30分より、3日以降19時より)、6月15日土曜日より21日金曜日まで東京の新宿K's cinemaで上映。連日舞台あいさつやゲストを招いたトークイベントが予定されています。
『思い立っても凶日』ストーリー
誠が高校生のとき、ひょんなことからキャプテンの未生(みお)に頼まれ、女子フットサル部の引退試合の記録係を手伝うことになった。そのときの未生の采配によって、試合に出られずに悔しい思いをしていた秋保に誠は励ましの言葉をかけるものの、未生に遮られ秋保とは微妙な空気のまま別れてしまう。誠にとって「凶日」であった。卒業してからも彼女を想い続けていたのだが、街で彼氏らしき男性といるのを目撃してしまい、"秋保奪還計画"と題して特技を活かした謎のトレーニングに励む誠。そんな盲目な誠が未生をはじめ周りの人物に現実を突きつけられていく中で、あの「凶日」の記憶が自分の中で書き換えられたものだったことに気づく。秋保を励ます言葉が未生を傷つけ、未生の采配が秋保を傷つけ、二人もまた、あの「凶日」を引きずりながら過ごしていた。誠・未生・秋保は互いにあの日を乗り越えるべく、模索をしていく。
思い立っても凶日
- 田村魁成 村上由規乃 田中なつ
吉川流光 榎本桜 藤主税 三浦健人 村松和輝 大崎章 南久松真奈 田野真悠 三好紗椰 藤公太 蔦陽子 窪田翔 小川富行 小島彩乃 伊藤由紀 とうふ - 監督・脚本:野本梢
- 撮影・照明:野口高遠
- 録音:横田彰文
- 撮影助手:金子愛奈
- 制作:小松豊生
- ヘアメイク:子池絢音
- スチール:中川達也
- メイキング:岡野祐介/ryota hakamada
- 整音:久保琢也
- 音楽:IX
- 宣伝デザイン:東かほり
- 企画・プロデュース:田村魁成
- アソシエイトプロデューサー 吉川流光
- 2023年/カラー/49分
2024年6月1日(土)より7日(金)まで大阪・シアターセブンにて 6月15日(土)より21日(金)まで新宿K's cinemaにて公開