恐怖漫画の大家・つのだじろうさんの原作を「Jホラーの父」鶴田法男監督が映像化した伝説のホラー『亡霊学級』がデジタルリマスター版として東京の新文芸坐で8月17日に上映されるのを前に、鶴田監督自身による新予告編が解禁! また上映当日は入場者特典の配布と原作オリジナルグッズの先行発売が決定。さらに、作家の綾辻行人さんや映画監督・脚本家の高橋洋さんら、各界著名人が作品へ賞賛のコメントを寄せています。
8月17日上映『亡霊学級』デジタルリマスター版新予告編解禁&各界著名人が賞賛コメント
1996年にオリジナルビデオ(OV)作品として発表された『亡霊学級』は、つのだじろうさんが1973年に雑誌で発表した同名オカルト漫画を、当時『ほんとにあった怖い話』シリーズなどOVでホラー作品を続々と発表していた鶴田法男監督がメガホンをとって実写映像化した作品。
映像化にあたっては原作に大胆な脚色を加え、漫画「亡霊学級」や「漫画家・つのだじろう」が劇中に登場するメタな要素のある学園ホラーとなっています。
のちにスーパー戦隊シリーズ「星獣戦隊ギンガマン」などに出演する宮澤寿梨さんが主人公の高校生・目黒ゆりを演じるのをはじめ、水上竜士さん、石橋けいさん、ひし美ゆり子さんらが出演するほか、原作者のつのだじろうさんや映画監督の黒沢清さんが特別出演しています。
まだ「Jホラー」という言葉もなかった1996年の作品で、のちに数々の劇場用長編ホラーを送り出す鶴田法男監督初の長編ホラーという、国産ホラーの歴史で重要な作品でありながら、当時VHSでりりーされたのみでDVD化や配信もされていないことから幻の作品となっていた『亡霊学級』が、製作から28年を経てデジタルリマスターが実現。東京の新文芸坐での1日限りの劇場上映がおこなわれます。
上映を前に鶴田法男監督自ら制作した新たな予告編は、主人公・ゆりの周囲で起こる怪異が次々と映し出され、作品の雰囲気を伝えるのに加え、デジタルリマスターによる鮮明な映像を実感できるものとなっています。
そして、8月17日土曜日に新文芸坐でおこなわれる上映では、来場者特典として限定フライヤーが配布されるのに加え、原作漫画「亡霊学級」のオリジナルグッズが先行販売されます。
先行販売されるグッズは、原作「亡霊学級」の表紙絵と第一話「ともだち」最終ページを表裏にプリントしたA5サイズのクリアファイルと、原作「亡霊学級」のロゴデザインのキーホルダー。
いずれも原作ファンのみならず、ホラーファンには見逃せないアイテムで、今回の先行販売は貴重な機会となります。
さらに、「メタルギアソリッド」シリーズなどで知られるゲームクリエイターの小島秀夫さんや、映画化された「Another」シリーズなどのミステリー作家・綾辻行人さんらが作品への賞賛コメントを寄せています。
「富江」シリーズなどで知られるホラー漫画家の伊藤潤二さんが「クライマックス、夜の学校の廊下で迫り来る怪異は、一度観たら忘れられない! 」、『リング』シリーズ脚本で知られる脚本家・映画監督の高橋洋さんが「鶴田の野心は心霊描写のみならず、その”絶望”を描くことにあった。」、『亡霊学級』に特別出演もしている映画監督・黒沢清さんが「鶴田法男はやはり天才である。」と評するなど、それぞれの視点からのコメントは必読です。
ゲームクリエイター:小島秀夫さんコメント
欧米のホラー映画ならいくらでも観てきた。だから、ホラー映画の仕掛けや演出には抗体があるはずだった。ところが、『亡霊学級』はそれらを悉(ことごと)くすり抜けていく。 “怖い”ではなく、“恐い”のだ。さらに“畏怖(おそろ)しい “のは、少女達の悩める青春学園モノとしても、よく出来ているところだ。
作家:綾辻行人さんコメント
ずっと気になっていた鶴田法男監督のOV版『亡霊学級』!ようやく観る機会を得て、この作品が発表された一九九六年というあの時期、自分が日本のホラームービーシーンに対して抱いていた「ときめき」のような感覚を、不思議な懐かしさとともに思い出しました。つのだじろうさんの原作本を書庫から掘り出して、何十年かぶりに読み返してしまったことは云うまでもありません。
漫画家:伊藤潤二さんコメント
つのだじろう先生の傑作漫画『亡霊学級』を鶴田法男監督が撮られた伝説の作品をついに鑑賞。VHS発売時に見損ねて、私も歯がゆい思いをしていましたが、やっと念願が叶いました。主役の宮澤寿梨さんをはじめとするとても魅力的なキャスト陣(つのだ先生と黒沢清監督の演技も素晴らしい!)と、Jホラーの父・鶴田監督による演出が、怖い怖い原作のエッセンスを見事に抽出! クライマックス、夜の学校の廊下で迫り来る怪異は、一度観たら忘れられない!
脚本家・映画監督:高橋洋さんコメント
原作『亡霊学級』は、まさに“心霊漫画”の誕生を告げる記念碑的作品だった。当時、中学生だった鶴田法男は、放課後の教室でうっかり頁を開いてしまった後の、走って帰りたくなるような不吉な気配を、私同様、生々しく憶えているに違いない。あれは子供にしか感じ取れない“絶望”と繋がっていた。鶴田の野心は心霊描写のみならず、その”絶望”を描くことにあった。この映画は『亡霊学級』を体験した子供たちの貴重な記録でもあるのだ。
映画監督・『亡霊学級』特別出演:黒沢清さんコメント
熱心に何かしている高校生の背後が恐い。髪の長い女性の後ろ姿がいちいち恐い。カメラがスーッと動き出すともう恐い。こういったことが『亡霊学級』のいたるところで起こるのだが、正確無比なホラー理論と抜群のセンスがなければ多分成立しない。鶴田法男はやはり天才である。
製作から28年のときを経て劇場のスクリーンに蘇る『亡霊学級』デジタルリマスター版は、8月17日土曜日18時より上映。上映後には主演の宮澤寿梨さんと共演の水上竜士さん、鶴田法男監督によるトークもおこなわれます。
チケットは、8月10日土曜日0時より新文芸坐公式サイトでオンライン販売、同日9時より劇場窓口で販売されます。
『亡霊学級』デジタルリマスター版上映の翌週8月21日水曜日より24日土曜日までは、横浜のミニシアター・シネマノヴェチェントで鶴田監督の自主時代の8ミリ作品から最新劇場用作品まで、貴重な作品を中心とした特集上映「Jホラーの父 鶴田法男監督特集」も開催。スクリーンで鶴田監督の作品を堪能できる貴重な1週間となります!
『亡霊学級』真夏の復活上映
- 開催日時:2024年8月17日(土) 18時00分開映
- 会場:新文芸坐 東京都豊島区東池袋1-43-5 マルハン池袋ビル3F
- 料金:一般1900円/各種割引1500円
- 上映後トーク登壇:宮澤寿梨 水上竜士 鶴田法男(敬称略・予定)
原作「亡霊学級」
実際に学校で起こった世にも恐ろしい出来事や事件を元に描かれた、つのだじろうによる学園ホラー作品。「三田さんがこわい」と叫びながら、交通事故で死亡した学級委員・鳥井。しかしその死因は三田さんにとり憑いた30年前に自殺した生徒の霊によるものだった。
また、青虫というあだ名を付けられた青野武士はいじめのストレスを発散させるために、虫を痛め付けていたのだったのだが、ある日「虫のたたり」にあい…。
(原作「亡霊学級」書影 ©秦企画)
『亡霊学級』あらすじ
高校2年生、目黒ゆりが学校の図書室で偶然手にしたつのだじろうの漫画「亡霊学級」。それを読み始めた日から漫画に描かれていることがどんどん現実になっていく。トイレに現れた手、食べ物に入っていた虫、そして、憧れの先輩、石丸美和子は「自分は美和子じゃない」と言い出す。また、ゆりの親友で写真部のあやは自分の撮った写真に不可解なモノが写っていることに気付き戦慄していた。同じ頃、同じ高校の写真部OB、館山道隆は自分の写真に奇妙なセーターの女が写っていることが不安でならなかった。館山は大学の助教授にその写真の解析を依頼するが、助教授は姿を消してしまう。そして高校では目黒ゆりの周囲で怪異がなおさらに力を増していて……。